フラーワの世界の小さな国、ムウェン、その中の南にあるセンニブル市は戦争の真っ盛りだ。そんな中、一人の人間の女性が立ちあがった。彼女の名は、ひなた。苗字はない。
「この戦争、あたしが終わらせてやるよ!!」
『フラーワドライバー!』『ヒマワリ!』『フラーワ...フラーワ...フラーワ...』
彼女は自分から激戦区に行き、ドライバーをつけ、変身する。
「変身!」『太陽に向かう大きなフェイス! ヒマワリ!ヒマワリ!』
天真爛漫な彼女は仮面ライダーだ。十年前にフラーワ世界に迷い込んでからずっとフラーワに育てられ、今はフラーワ達を悪から守っている。
「私はフラーワの平和を守るライダー!仮面ライダーサン!」
そういうと彼女はランダンの強化怪人態フラーワに一つ蹴りを与える。するとそれは彼女の力に耐えられず、その場で爆発とともに消滅する。しかもそこにはそれのものと思われるエナジーが落ちる。
「あたしにはこれは使えない。」
彼女は寂しそうにエナジーを拾い、見て、それをポケットに入れる。
「いつかあたしにも人間の恋人ができるのかな。」
彼女は恋に飢えている。長年フラーワしか見ていないので、一度でも人間を見てみたいのだった。
「俺が恋人になってやるよ。」
彼女に声がかかる。
「誰?」
「俺は湊敬一。お前と一緒でフラーワ世界に迷い込んだのさ。」
彼は湊敬一、人間、のふりをしたナイトメアだ。
「ほんと!?」
「ほんとだよ。だが俺は十年以上お前以外の人間を見ていない。だから俺も恋がしてみたいんだ。俺がお前の恋人になりたい。恋人じゃなくても、人間同士仲良くしよう。」
「なりたい!あたしあんたと恋人になる!あたしの名前はひなた!よろしく!」
「これで今日から俺とお前は恋人同士だ。さて、お前はナイトメアからムウェンを守りたいんだろ?」
ナイトメアはうまい口で彼女を誘っていく。
「ああ。」
「だったらいい情報を教えてやる。もうすぐナイトメアに言われて地球から仮面ライダーがやってくる。彼らはランダン軍を攻撃するふりをしてこの地を征服しようとしてるらしいんだ。その名はソレイユ、裂羅、カニバルだ。お前の強さなら簡単に勝てるはずだ。」
彼女は彼がナイトメアだとわからないまま、標的をソレイユに当てる。
「わかったよ。あたしがこの国を守る。」
ナイトメアは彼女が簡単に了承してくれたのでとてもうれしがる。
「面白くなってきたぞ~~。」
彼は自らの基地に戻ろうとする。彼女はそれを引き留める。
「敬一、あたしたち恋人だよね。」
「ああ。付き合いたての恋人が一日中一緒にいられるわけじゃない。じゃあな。」
彼女が腑に落ちないまま、ナイトメアはがれきの陰に消えていく。
「まあいっか。」
彼女は気を取り直してランダン軍のフラーワと戦いに出ていく。