SOLEIL ~咲き誇る太陽~   作:いゆ

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廃墟の東京

 早朝。薔薇の家は自衛隊や警察に囲まれていた。怪人が部屋から出てきていると通報があったからだ。

 コンコンとドアが鳴る。もちろん薔薇たちは出ない。

「そこにいるのはわかっている!!出てきなさい!」

 中では、レグルスがとある提案をしていた。

「俺が、全員殺す。」

「人殺しはだめよ。」

 サクラが止める。しかしレグルスはドライバーを巻き付ける。

「俺は悪の力で強くなるんだ。だから人でもなんでも殺せる。ナイトメアと種類は変わらない。」

 地味に爆弾発言をしたレグルスに、みんなは謎の納得をして任せた。

 ドアを開ける。

「残念。人間ごときが俺に勝てないよ。」

 レグルスは怪人態の爪で人間の胸を刺す。勿論あたりには血が飛び散り、人間の死体が転がる。

 銃撃が始まる。さすがに銃には勝てないので、変身する。

『Caniv Ca Ca Ca Canivorou』

 銃の攻撃が効かないと察した人間は車で去ろうとするが、それは不可能だった。

 カニバルは車のタイヤを割った。その場の人間を全滅させたのだ。

「ナイトメアの暴走の原因はどうせお前達だ。」

 意味深な言葉を残し、死体を蹴り飛ばした。

 そんなカニバルの行動を黙認した薔薇は、人間とは言えないだろう。これが人間を守るために必要なことだとしても。

「薔薇、何も思わないの?」

 戻ったレグルスが薔薇に聞く。

 薔薇は少し考えて「何も。」という。

 変わった。

 フラーワの死体は爆発によってほとんどが消え去る。それに涙を流した薔薇は、人間の死体で気持ち悪いとすら思わないのだ。それがなぜか。簡単だ。

 彼女はもう死体や悲鳴で涙を流さない、"英雄"になりかけていた。

「世界を救うためには、ね。」

 

◇◆◇◆

 

 家の外に転がっている死体を掃除し、今回いよいよ挑戦する東京への作戦を考えていた。

「東京か。」

 薔薇はミラと買い物に行ったあの日を思い出した。

「懐かしいね。今と比べて全然平和だったよ。」

 そんな話をして、作戦を決行に移した。

 まず彼らは、バイクでかつて東京だった大穴に向かう。そこは崖のようだった。

「本当に、東京がなくなったんだね。」

 薔薇が上を向くと、そこが変わり果てた東京だった。

「もう生やしちゃうよ。」

「いいよ。」

 レグルスは変身し、下から食虫植物を出す。

 大きな音とともに、すごい勢いで生えてくる。それは巨大で、一つ間違えれば本当に食べられそうなくらいだった。

 三十秒ほどで東京に着いた。そこには人間の死体が転がり、フラーワであふれかえっていた。

「ここが東京。」

「変わり果ててるね。」

 ミラは微妙な表情だった。

 するとそこへ、フラーワが現れた。色がこの間戦った硬い強化怪人態フラーワと一緒だ。

「いくよ。みんな。」

 薔薇が声をかけると、変身の準備をした。

「今回はフラーワベース、忘れないでね。」

「前回忘れてたからね。」

『フラーワベース!』『ブラックローズ!』

『ブリーズオブサクラ!』『サクラ!』

『Canivour growin' now』

「変身!」「変身!」「変身。」

『パワーサプレッション!その黒色は何の色!正義のためか悪のためか!ソレイユ_ブラックローズ!!フラーワー!!』

『桜花 今そ盛りと 人は云へど われはさぶしも 君としあらねば! フラーーッワ!!』

『Carniv Ca Ca Ca Carnivorou』

 彼らは変身をし、フラーワをどんどん倒していく。

「はぁっ!!ほっ!!」

 しかし、一人だけとても強かった。

「ふんっ!!」

 彼は力でソレイユを離す。そしてドライバーを巻く。

「仮面ライダーなのか!」

『ユリ!』『フラーワ...』

 彼はナイトメアの三体目のライダー。その名もユリ。

「覚えているか姉ちゃん。俺はお前を殺そうとした。変身。」

 サクラは思い出した。彼は自分を恐怖に陥らせた者。そして、ミラに倒されかけたもの。

『かわいいものには棘がある!ユリ!ユリ!』

 彼は手から球根のようなものを出し、それを投げつける。

「吸うな!」

 レグルスが叫ぶがもう遅い。彼らはそれを吸って、変身したままその場に倒れた。

 仮面ライダーユリの球根は爆弾のようになっており、それが地面に強く打ち付けられるとあたりには毒の煙が出る。それを吸ったものはその場に倒れるのだった。

 彼は変身を解除した。ナイトメアが、後ろから現れた。

「よくやったキラー。俺がお前に目をつけてよかったよ。」

 ナイトメアは割れ目の中にソレイユたちを入れ、フラーワ世界へ戻った。

 

 フラーワ世界の大国、ムウェンの中心部には地球から吸い取った力でナイトメアの塔が建っていた。それと同時に王子が闇落ちした国はだんだんと滅びていき、栄えていた城下町も今では寂しい街になっていた。

 かつてはランダンだった地区も、花口が減り廃墟化していた。

「すべて俺の計画通りだ。」

 ナイトメアはつぶやいた。

 フラーワ世界がこんなにもさびれてしまったのは、ナイトメアがエネルギーを吸ってしまったからである。ナイトメアはそれを使って今度は日本からもエネルギーを吸おうとしているのだ。

「ははははははは!!!」

 ナイトメアは笑う。

 しかし、ナイトメアは自分で自分を否定した。

「何がおかしい!!俺の体でサクラたちを傷つけやがって!」

 ナイトメアは自身の問いに答える。

「大丈夫だ。俺はお前は生かすつもりだ。」

「俺がお前を止めて見せる!」

「だからお前の体はいらなくなったら帰してやるって言ってるだろう。それまで待っててくれよ。」

「サクラたちを傷つけたら許さない!」

「はいはい。」

 ナイトメアは自身のもう一つの人格、湊敬一を面倒くさそうにあしらい、仮面ライダー達を運んで行った。

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