マッドのメアフォームはソレイユが有利だった戦場をいきなり形勢逆転させた。彼はブラックローズのソレイユをキック一発で動けなくした。
「体が動かない!?」
「まずはお前からだ!はぁ!!」
『マッド・ナイトメア・フィニッシュ!!』
彼は飛び上がりライダーキックの体勢になる。そしてソレイユに突っ込んでいく。
が、失敗に終わった。
「何?」
カニバルが時空の力を使いソレイユ、裂羅、そして自身を安全な場所へ移動させたのだ。
だがマッドにも余裕があるようだ。
「ははははははは!!」
彼はキラーが落としていったユリのエナジーとナイトメアフラーワのエナジーを拾い、自身をエクスポーターに包み込んだ。
「この世界を支配するのはナイトメアだ。」
一方、東京にあるエクスポーターの近くに出てきたソレイユたちは自らの傷を癒していた。その場にいた自衛隊らが応急処置の道具を持っていたのだった。
特に裂羅こと敬一とサクラは大けがを負っていたのですぐには回復しなかった。
「私の家まで行ったほうがよかった?」
薔薇が包帯で体をぐるぐる巻きにされている敬一を見て言う。が、彼は「大丈夫だ。」の一点張りだった。
彼らが東京で戦っている間、また日本の都市が一つ消えた。今度は栃木県だ。しかし栃木は東京や埼玉とは違って空中に行かず爆発により廃墟化したのだった。
その事実がたった今仮面ライダー達に伝わる。
「ナイトメアが力をつけたということか。」
「それは違うな。」
敬一の意見に誰かが答える。その声は妙に懐かしく、圧があった。
「俺達の宣戦布告だよ。」
一人が言った後、同じような姿の人間がエクスポーターから三人出てくる。
「久しぶりの地球だな。」
「うん!久しぶりだね。コマント達!」
最後の一人が言うと、レグルスが嬉しそうに返す。
彼らは仮面ライダーコマント。かつて秘密結社エボルとしてレグルスと一緒に戦っていた者だ。
「もっといたでしょ。ほかのみんなは?」
「ああ、皆辞めていったよ。お前が俺達を捨てたからな!!」
『Comant growin' now Comant growin' now』
一人がベルトを巻き付け待機音を鳴らす。レグルスは状況を理解していないのか戦う準備すらしていない。
「俺と一緒に戦うの?」
「いいや、俺たちはお前と戦う。戦争で死んだ仲間たちのためにもな!!変身!!」
『Go G G G Going!』
ベルトの音声とともに彼の周りには巨大なクローバーが生える。そしてそれは彼の両肩と胸、顔に装着され、仮面ライダーコマントのスーツへと変形する。
「レグルス=スカーレット!!死ねぇ!!!」
レグルスはまだ変身していない。
『Finished by Comant!!』
コマントはレグルスに向かって走り、全身の力を右拳に込めてレグルスの腹を殴る。しかしレグルスは一切の抵抗をしない。そしてフィニッシャーを受けたら起こるはずの爆発も不発に終わった。
「これでナイトメアフラーワのエナジーを取り返すことができた。協力ありがとう。」
レグルスがナイトメアの声でそう言った。レグルスがナイトメアになったのだ。
ナイトメアは人間態レグルスが鞄にしまっておいたナイトメアフラーワのエナジーを取り、ドライバーを巻く。
「まさか仲間に裏切られた挙句、敵に体を憑依されるとは思わなかっただろう。」
ナイトメアはそういうと倒れたコマントの体に触れる。すると彼は液体状になり、ナイトメアの体に入ってゆく。
「俺はどんどん強くなる。お前たちに負けない程にな!」
『ナイトメアフラーワ! クローバー!』
「変身。」
『悪夢!悪夢!メア・クローバー!』
残された三人はドライバーを巻こうとする。が、それは不要だった。
「その前に倒せばいいことだ!変身!」
『ブラックローズ!!』
薔薇がソレイユに変身したからだ。
「おっと、レグルスの体は大丈夫なのかな?」
この状態でナイトメアを倒すと、同時にレグルスも倒すことになってしまう。ソレイユは、一方的にやられているだけだ。
「ははははははは!!仮面ライダーにはなったものの、攻撃ができなければ意味がない!仮面ライダーソレイユは今日で終わりかな!」
ナイトメアはエナジーをドライバーに抜き差しする。
『ナイトメア・フィニッシュ!』
「死ね!」
そして抵抗できないソレイユに近づき、下から上へと蹴りを入れる。
「あああああああああ!!!」
必殺技が決まり、その場は大爆発した。
「ソレイユ!」
裂羅が声を上げる。
「薔薇は無事だよ。」
爆発の中から声がする。これもまた聞き覚えがある懐かしい声だ。
「ああ、久しぶりだね。ちょっとこれを取りに行ってて。」
煙が止んだところで声の主は薔薇を抱えて姿を現し、片手で持っているエナジーを皆に見せた。
「ジャンヌ!」
ナイトメアに憑依されているはずのレグルスが叫ぶ。
「くそっ!!また愛とやらに計画を邪魔された...」
ナイトメアは悔しそうにレグルスの体から出、時空の割れ目に包まれ消え去る。
「まだ生きてたのか。」
「ああ、私は不死身さ!」
コマントの一人がドライバーを巻く。
「運よく生き延びたが、それもこれまでだ!!変身!」
『Go G G G Going!』
ジャンヌのほうへ走り、エナジーを出し入れしてフィニッシャーの準備をする。
『Finished by Comant!』
「やめろおおおおおおおお!!!」
『Carnivorous!!』『Finished by Carnivorous!!!』
「うわっっ!!」
間に合った。
カニバルはジャンヌに襲い掛かっているコマントを蹴り飛ばしたのだ。彼はほっと胸をなでおろした。
一方かつての秘密結社エボルは仲間が二人死んで絶望に浸っていた。
「俺達と一緒に行こう。」
そこに現れたのはナイトメアだ。
「どうやらそうするしかないようだな。」
レグルスの部下だった彼らはついに最悪の集団と手を組んだのだった。