SOLEIL ~咲き誇る太陽~   作:いゆ

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愛のライダー

 ナイトメアが変身した仮面ライダーソレイユは、明らかに邪悪なオーラを放っている。

「なんでミラとジャンヌがお前のほうにつくんだ!!」

 薔薇が怒ると、ナイトメアが答える。

「当たり前だろ。俺はフラーワの味方だ。お前ら人間に洗脳されているフラーワを救ってるんだよ。

 もともと、ミラには人間の生態を調査してもらっていたんだよ。だがミラは人間を知りすぎた。だからいっそ記憶を変えて人間のほうへスパイとして一緒に生活させたんだ。ミラに人間態があるのはなんでか知ってるか?こいつが人間の体を奪ったからだよ。もともとフラーワに人間態はない。お前はそんな奴と生活し戦ってたんだよ。」

 ナイトメアはドライバーのミラを触りながら言った。

「ミラ...私はあなたを愛している...たとえスパイで人殺しだったとしても..変身!」

『冠と盾と剣! 赤い戦士! チューリップ!』

「最終フォームに変身できないと悟ったか。それならこっちのもんだ!」

 ソレイユは剣で攻撃するが、ナイトメアも薔薇の腕で防御している。

「強化フォームなんかに頼りすぎてるからそうなるんだよ!はぁ!」

 薔薇はナイトメアに腹をパンチされ飛ばされる。

「うぅ...チェンジエナジー!」

『耐寒のコモンフラワー・その顔は何を言う? パンジー!』『パンジー・フィニッシュ!』

 薔薇とナイトメアの周りには大量の雪が出て、ナイトメアを固める。そして薔薇はライダーキックの体勢になるが、キックは失敗したのだった。

「うわぁ!」

 何者かにキックを入れられ、薔薇は落下した。

「ジャンヌまで...」

 キックを入れたのは怪人態のジャンヌだった。

「...」

 ジャンヌは何もしゃべらず、ただドライバーを巻いているだけだった。

「やれ。」

 ナイトメアがそういうとジャンヌはヒマワリのエナジーを鳴らし、ナイトメアフラーワにセットする。

「変身。」

『悪夢!悪夢!メア・ヒマワリ!』

 仮面ライダーサン・ナイトメアフォームが誕生したのだった。

「二対一だ。お前は俺に勝てない。」

 ナイトメアとサンは一斉に薔薇を攻撃する。薔薇は二人同時には抵抗できず、一方的に攻撃を受けているだけの状態だ。

「ミラ!ジャンヌ!!目を覚まして!」

 ソレイユの訴えは誰も気にしていない。

「俺達もいるよ!ソレイユ!」

『噛砕!噛砕!ピラニア・カニバル!』

『世界に桜を咲かせる者!仮面ライダーサクラ・マウンテン!!フーラーワー!!』

 二人、ライダーが現れた。これで三対二。ソレイユたちに勝ち星が見えたのだった。

「ジャンヌ!目を覚ませ!」

 カニバルはジャンヌを攻撃しながら言う。

「なんで!なんで!」

『ピラニアスクラッパー』

 カニバルの手元にはスコップの形をした武器が現れる。

「ごめんジャンヌ!はぁっ!」

 カニバルは武器のレバーを引き、攻撃する。

『ピラニア・スクラップバン!』

 ジャンヌの体を強くたたくと、彼女は転がりながら変身を解除する。

「はっ!私は一体...」

「取り戻したんだ!やった!ナイトメアからミラを取り返すよ!」

 ナイトメアは「くそっ」と呟き、薔薇のホルダーからソレイユガーデンのエナジーを奪い、セットする。

『ガーデニング!ライディング!』

「素人が使ってあれだけ強かったんだ。俺が使えばもっと強いはずだ。変身。」

「やめろ!!」

『どこまでも広がる花畑!みなぎるエナジー!ソレイユ・ガーデ...』

 音は、そこで止まってしまった。

 そこにいるすべての生物が驚き戸惑った。

「なんだ...?」

 ナイトメアがそういうと、ドライバーは彼の腰から外れ、怪人態のミラが現れた。

「ナイトメア。僕と薔薇はそう簡単に離れない。それはお前が教えてくれたはずだ。」

 ミラはナイトメアから教えられた愛についてを語り上げた。そして、

「僕は地球、そして人間を愛している!それを破壊するお前を許さない!」

 叫ぶとナイトメアを殴った。

「あまり調子に乗るなよ..うわあっ!!」

 ナイトメアは悲鳴を上げた。

『マウンテン・スプラッシュ!』

 その音声は裂羅の武器「マウンテンスパークリンガー」の音声だった。ハンマー型のそれは油断したナイトメアを脳天からダメージを与えたのだった。

 そのすきに薔薇はフラーワドライバーを取りジャンヌに渡し、ミラを腰に巻いた。

『ガーデニング!ライディング!』

「私は愛のライダー!ソレイユだ!」

『どこまでも広がる花畑!みなぎるエナジー!ソレイユ・ガーデン!!ボクサイキョ―!』『ボクノブレイカー!』『バラ!』『ボクノ・シングル・ブレイク!』

「たあーーーーー!!」

 ナイトメアはソレイユの攻撃を直に受けて、その場に倒れた。

「俺が...負けるはずは...ない...」

 場に沈黙が走る。

「ナイトメアが死んだ...?」

 誰かが言うが、言い終わる前にエクスポーターからライダーが現れる。

「完全に殺さなければ!はぁっ!」

 それはコマントの声で、彼は倒れたナイトメアの胸をナイフで刺した。

 緑色の血液が流れる。

「コマント?」

「レグルスには謝らなければならない。俺達はナイトメアを暗殺するために極秘で組織に忍び込んでいた。だが今は俺一人..ついに、この瞬間、ナイトメアを殺せた。本当に済まない。俺はもう生きた。はやくあいつらに会いたい。ナイトメアは永遠に、この世界から破滅しないだろう。俺の力を思い知るがいい。」

 コマントは喋っていたが、いきなり様子がおかしくなった。

『ナイトメアドライバー』

「俺は死なない。愛ってものを体験しちまったからなぁ。」

『パーフェクトエンペラー!』

 死んだはずのナイトメアは今度はコマントに乗り移り、見たことのないエナジーを鳴らす。

「これは俺の仲間、ひなた、キラー、ハリーのエナジーをすべて合わせたものだ。これでこの世界をぶっ壊し、愛など存在しない世界にしてやる!!」

『悪夢!帝王!エンペラー・ナイトメア!!』

 コマントの姿は仮面ライダーとは思えない姿に変身した。

「俺が最恐の仮面ライダー。エンペラー・ナイトメアだ。」


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