少年少女たちの異世界活動録(ワールドトリガー編)   作:Koki6425

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昇格

「すぐに手続きをしよう…忍田本部長」

「分かりました。君たち着いてきなさい」

忍田本部長と一緒に今度はまた別の会議室に連れてこられた。…というか、忍田さんの仕事部屋だと思う。俺達は書類を渡されたのだが一つ問題が発生した。

そう、俺たちはこの世界の住人ではないという事だ。なにか別の設定を考えないといけないのだけれど…どうしたものだろうか。

仕方ないので俺達は忍田さんに家がないという嘘をついた。と言ってもこの世界の住人では無いのだから当たり前ではあるのだが。その話を聞いた忍田さんは何やらPCをいじり始めた。

そしてPCを閉じると俺たちに1枚の書類を渡してきた。それはこの建物の中にある写真だった。忍田さん曰く、「泊まる部屋がないならここに泊まるといい」という。でもまあ確かにホテルに居続けてはどこからそのお金が出てくるのか不審がられてしまう。仕方ないのかもしれない。その書類にかけることは書いて、忍田さんに手渡した。

そして俺達はすぐにその部屋へと案内される。だがやはり何も無い。綺麗に整ってはいるもののあるのは収納が1つと机が1つ。冷蔵庫のようなものと壁に放送のスピーカー。時計がかけられている。あと目立つものとすればテレビくらいだろうか。あとは布団さえあれば…。

「あんたそう言えば持ってこれないの?」

「無理。そもそもあっちの世界に変なプロテクトがかかってる。解除はできるけど面倒くさい」

「ほんと私とそっくり」

「魔理沙によく言われるよ」

「布団は…私が手配しよう。休めずに死んだのでは元も子もないからな」

「ありがとうございます」

そして布団が送られてくることとなった。忍田さんはそんな霊夢を連れてプレゼントと言っていけれどなんかそれは申し訳ないので後で布団の代金を支払うことにした。そして布団を待っている時、俺たちの部屋の扉を叩く音が聞こえた。誰かと思い扉を開けるとそこにはエンジニアと思われる人物がたっていた。曰く鬼怒田さんに連れてくるよういわれたらしい。俺たちはその人について開発室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開発室でトリガーの設定をしたあと俺達は部屋に戻ってきた。部屋の前には何やら荷物が置かれている。どうやら中身は二人分の布団のようだった。別に一人分でも良かったのだけど、よく考えてみれば俺達のことを知る奴らはいない。当たり前のことだ。

布団を運び込み、お茶を飲む。食べ物はまあ、ここにいれば何とかなるだろう。

さて、今俺たちの目の前にあるのはトリガーだ。ボーダーにおいてはこれを使用しトリオン兵や近界民と戦うのである。

訓練でもしに行こうと思ったがよく考えてみれば俺達はまだ正式な隊員ではない。手続きが終わり次第連絡してもらうよう忍田さんに言ってある。

そして気になったことが1つ。それは城戸さんの出した条件だ。まだ何も言われていない。準備しておけという意味なのだろうが何をするのかわからない以上準備はできない。学校とかの試験なら前回終わったところの次からと言えるだろうが俺たちの場合初めてだし、それに最初だったとしても試験範囲を言われていない。どっちにしても無理だ。

正直暇だったのでこの建物を見て回ることにした。霊夢は嫌がったがそれだとこれからやって行けない。無理やり引っぱって行くことにした。

しかし、そこにちょうどよく電話がかかってくる。忍田さんだ。どうやら手続きが終わったらしい。これでボーダー内部どこを歩いても問題ないそうだ。とりあえずスマホに地図を送って貰ったのでランク戦をやりに行こうかと思う。

ランク戦とはボーダー内部で行われる訓練戦闘の事で隊員同士で戦ってポイントを競う。C級は個人戦。B級以上は団体戦と個人戦両方ある。個人ランク戦はどのクラスも同じところでやる。だがB級以上がC級とランク戦をやる時はちょっと面倒くさいらしい。

忍田さんには別に私服でもいいと言われたので私服でいるのだが…霊夢の私服、つまりあの巫女服のことだが。あれはちょっとヤバい。いくらなんでも幻想郷じゃないからこんな場所でこの格好はヤバい。霊夢には着替えてもらってなるべく違和感がないようにした。

「ちょっと…何これ」

「我慢しろ。似合ってるし可愛いからいいだろ」

「…ありがと」

俺達はその後すぐにランク戦の場所に着いた。結構広くてびっくりした。とりあえずブースに入る。どこか空いてる場所はないかと思って探していると電光掲示板が光ったり消えたりしていた。おそらく使える場所は光って使えない場所は消えているのだと思う。隣同士であくまで待ち俺達はその中に入る。操作に関してはなんかマニュアル見たいのがあったのでセーフ。

ここでは普通なら自分とポイントが同じくらいのやつとやり合うべきなのだがそこは俺達。命をかけた戦いをしてきているのだからこの程度造作もない。ポイントが高いやつを指定して申し込んだ。すぐに承認の知らせが来て俺は転送されて行った。これまたすごい技術だ。幻想郷にはないし、現代でも見た事はない。

俺が持った武器は「レイガスト」。耐久性に優れ、少し重く、変形機能まであるというものだ。だがしかしそこは俺。下手に変形して分からなくなるよりは固定した方がいい。そこは鬼怒田さんに頼んだよ。変形機能をなくしてもらうようにね。その形は俺いつも使っていた剣と同じ形。これでいつもと同じように戦える…と思ったら大間違い。

一番の難点は空が飛べないこと。この世界にはサイドエフェクトというものがあるらしいがそれでも空を飛ぶことは不可能だ。筋力強化でもそんな高くは飛べない。

だが、壁とかの足場があればそれは可能だ。俺達は空を飛んで戦っていたが、当然建物などの足場を使った戦闘もしてきた。慣れていないわけがない。

転送が完了し目の前に腰に剣を携えた人が現れる。弧月、攻撃力が近接用トリガーのうち最強であるもの。ほとんどの攻撃手がこれを使うらしい。それまたありがちなものだ。

ランク戦開始の合図と共に俺は剣を抜き、一閃。合図がなったら直ぐに戦闘は始まる。それを知らずしてどう戦うつもりだ。一閃したので直ぐに試合終了。俺のポイントは加算される。左手の甲の辺りに表示されているらしいがそれまたなんとすごく2000まで一気に増えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後俺はしばらく戦い続け、ものの数分でポイントは4000を超えてしまった。忍田さんには「4000になったら教えてくれ」と言われているので連絡しようかと思ったのだが霊夢の合流を待つことにした。

ブースを出ると何やらザワザワしている。俺はその近くにいた1人に話を聞いた。その人曰く「強すぎるやつが今日で二人目だ」との事。おそらく1人は俺。もう1人は霊夢だ。もう何が起こってるのかわからん。そう思いモニターを見るとびっくり仰天。霊夢の回避技術はすごいもので、相手の撃った弾を全て避けるか相殺するという荒業を見せていた。弾幕ごっこで培った技術だろうがあれは俺でもできるか怪しい。確かに弾を切るか弾くことは俺にもできる。だがしかし弾幕で弾幕を相殺するのは俺はやったことがないので無理だ。

霊夢がブースから出てくる。合流して手の甲を見るとポイントが出ていた。『4025』とひょうじされていた。やはり霊夢は凄い。改めてそう実感した。

トリガーの設定を弄りに行ってもいいのだが正直なところ動いたので面倒くさい。かと言って今のうちに面倒事は済ませておきたい。

悩んだ末俺達はトリガーの設定に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

設定して俺達は戻ってきた。隊服どうするかと言われたのだが正直下手に変な格好するのは好きじゃないし、慣れない。だったら俺か霊夢、どちらかの私服を元にして作ればいいだろう。まあ、普通は俺の方だ。霊夢の服は露出が多いから駄目だと思う。

というわけで俺の黒いコートを来た時の方を元にして作ることになった。霊夢の要望で霊夢の着る方だけ下はズボンではなくスカートになった。確かに年中スカートらしいし納得も行くし下手に露出もしてないしいいだろう。

それができるまでの間、部屋に戻る…つもりだったが。正直暇である。なのでもう一度ランク戦をやりに行こうという事になった。通路を歩き、個人ランク戦のブースに行く。

個人ランク戦のブースに着いた時ある人物が話しかけてきた。B級隊員の奥寺先輩と言うらしい。

俺達がものの数分でB級に上がったことが噂になっていたらしく、1度戦ってみたいと言ってきた。本当は霊夢と一対一でやるつもりだったのだが誘われたのでいい機会だしその勝負を受けた。霊夢も「それなら見てるわ」と言って近くのベンチに座っていた。

俺はブースに向かい戦闘を申し込む。その承認が来たあと俺は仮想空間へ転送される。

転送後戦闘開始なのだが、奥寺先輩は弧月使い。単体の実力が気になるところだが…。

開始の合図がなる。いつもならすぐに斬りかかるところだが少々気になることもあった。だからちょっとだけ話をしてみようと思った。

「奥寺先輩は、なんで戦っているんですか?」

「格好つけるつもりは無いけど、家族が大切だからかな」

「なるほど」

「君は?なんのために戦うんだ?」

俺は迷うことは無い。俺の守りたいものは故郷、幻想郷だ。だからこそこれまで死ぬ気で戦って勝ってきたのだ。その中でも最優先なのは霊夢だ。霊夢がいなければ今の俺はいない。恩返しの意味も込めて俺は戦っている。

「それは戦って気づいてください」

俺はそれと同時に斬りかかる。もちろんそれは普通は見えない。だが正隊員となっている人達はこれくらいは速すぎるにしてもギリギリ見えないことは無いスピードだ。もちろんトップスピードではない。俺がトップスピードを出すと、自分の体が持たないし、相手には目で捉えることすら不可能になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何人かのB級隊員とやり合って結果全勝。1度も負けていない。さてこのあとどうしようかと思っていたら奥寺先輩と一緒にいたB級隊員がまた誰か連れてきた。名前は村上鋼。このボーダー内部において4番目の実力者だ。強いやつと戦いたいと村上は言っていた。俺はそんな強い訳じゃないが、頼まれたからにはやるつもりだったし別に問題は無い。ブースに入り、仮想空間に転送される。村上さんの持っていた武器は弧月…とレイガストだ。でも恐らくオプションも使って相手をされるときついだろう。あの人はとてつもなく強い。俺の本能がそう感じとっている。

「それじゃあよろしく」

「こちらこそ」

俺たちは剣を構える。いつも通り一撃で仕留めれば楽だがそうはいかない。今回ばかりは事情が特殊だ。なんといえばいいか分からないが、踏み込んだら確実に切られる。そう思った。それに加えて、その初撃が防がれると俺には大きな隙が出来かねない。あまり下手に攻撃を仕掛けることは出来ない。かと言って待ちに徹しても勝負は決まらない。

(やるしかないか)

俺は体の隅々に意識を集中させる。普通なら一点集中で技の威力をあげるが弾幕が使えない以上殺気に気づかれてしまう。逆に意識を体全体に向けると殺気が薄れるという利点もある。以前戦っていた時に編み出した技だ。暗殺するにはもってこい。暗殺じゃなかったとしても相手の反応を鈍らせる。どこかの歩法も併用した技だ。

だがどうやら村上さんには効かなかったようだ。反射で対応したのか、それとも技術なのかは知らないが防がれた。俺の瞬間移動のトリックを見破ったらしい。まあ本当に瞬間移動できるが仮想空間にその産物を持っていくのは普通なら至難の業だ。

防がれた俺はそのまま接近戦へと持ち込む。今自分の出来る最高のスピードではなく、少し遅めで。それを少しずつ早くしていく。それをやると蛙を水から煮るように気づきにくい。

接戦の末俺は1本取った。本気ではなかったにしてもすごい技術だ。次はもっと実力を出そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果は4対1で俺の勝利だ。1戦だけ不覚を取ったがそれ以外は俺が勝った。ボーダー内部ナンバー3攻撃手に勝てたのは個人的にも嬉しかった。ブースから出ると霊夢が手を振っていた。とりあえずそこに行く。俺が今まで倒した先輩達もよってきて俺に賞賛の声をかけてくれた。褒められたり、称えられたりするのは嫌いではない。

「おっ、なんか面白そうなことやってんじゃん」

俺の後ろから声がした。そちらの方に向くとそこには黒っぽいコートを着た一人の男が立っていた。彼の名前は太刀川隊射手、出水公平。A級でボーダー内部ナンバー1射手だ。奥寺さん達が事情説明。それを聞いた出水さんはほえー、と口を開けて驚いていた。

「俺が攻撃手なら相手してみたかったな」

「僕は一向に構いませんよ?」

「言うじゃねえか」

結果として俺達はやり合うことになったのだが…相手は射手。中距離からバンバン撃ってくるタイプ。だから正直なところ戦いにくい相手だ。だがそこで逃げる訳には行かない。自分で言ったんだから勝たないといけない。そう、負ける訳には行かない。俺は霊夢たちのために勝たなければいけないのだ。それがたとえ不利な相手でも。

そう、普通なら不利な相手だ。俺でも不利なのは変わらない。だけど俺は対処の方法を持っている。対処法があれば俺でもなんとかなるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んな馬鹿な…」

結果は4対1で俺の勝ちだ。他の人たちも開いた口が塞がっていない。確かに驚くのも無理はない。『弾を全て弾く』なんて荒業。どこぞの黒の剣士でもない限り不可能…いやその黒の剣士でも不可能だ。俺の場合シールドも使って防いでいたり、弾で相殺したりいくつか方法があったのでなんとかなった。剣だけだとさすがに無理だ。被弾はするだろう。

俺が幻想郷にいた頃はよくやっていたこの荒業がこの世界での俺の運命を大きく左右することになるのは間違いない

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