魔王「なんか勇者に愛された。逃げていい?」村人「逃げろ」 作:のろとり
なんだこのタイトル……って感じですけど。
「くっ……さすがは勇者。我の完敗だ」
ここはとある異世界……つまりはいつも通りだな。
そして勇者と魔王がどんぱちする世界……つまりはいつも通りだな。
三メートル近くの大男が片膝をついている。
彼の名前は魔王。
赤いマントを着ていて、二本の角が生えていたが勇者との戦いでマントがボロボロになり、角が二本のとも根本から折れている。
あ、ついでに今決着がついたんだ。
「ふっ……我の望みは砕けた。さぁ、どうにでもしろ……」
自分の身長ほどの剣を持ち、青いマントを着ている男性が一歩、また一歩と魔王に近づいて行く。
魔王と比べて、勇者はぴんぴんとしておりまだまだ余力があると感じられる。
「…………」
勇者は魔王城の壁に剣を投げた。
剣はダーツのように壁に刺さり、蜘蛛の巣状に亀裂が入った。
「なんの真似だ」
「魔王……好きだ!」
魔王は目が点になった。
さぁて、ギャグ展開の時間だ!ふざけまくるぜ!
魔王はなんだか嫌な予感がしてきた。
つまりはギャグの匂いだ!
「お、おい待て近づくな」
魔王はジリジリと勇者から離れる。
勇者もジリジリと魔王に近づく。
逆だろ、普通勇者がピンチになって逃げる描写だろ。
ジリジリと逃げていく内に、壁まで下がってしまったようだ。
「勇者、一つ聞きたい。何故我なんだ?」
そりゃそうだ。
魔族の王と勇者が婚約とか……しかも同姓とか愛想笑いするしかないだろ。
ついでに作者にそういう趣味はない。いたってノーマルだ。
「魔王が好きな理由? 少し長くなるが……
まずは魔族の王であり、その圧倒的カリスマ力だな。オレが最初魔王と会った時は凄くかっこよくて鳥肌が立ったな。今でもその感覚は覚えている。それに魔法の威力が桁違いなところもあるな。弱魔法でも町一つ半壊させるほどの威力を持ってもなお、部下に優しいところだな。あ、これは魔王の幹部から魔王素晴しさを一緒に語ったときに知ったんだ。それに部下に優しいところだな。これもさっきの幹部に聞いたが、オレを仕留め損なった幹部を魔王は許したと聞いたんだ。え、その幹部はどうしたって? オレの自宅で隠居生活を送ってるぞ。まぁそれは置いておこう。それにオレは今でこそ勇者だが、昔は魔王に婿入りしようと考えていたんだ。それなのに勇者になれとか言われてどうしようか考えたが、勇者になれば合法的に魔王に会えると考えたんだ。なぁ魔王、今からオレの自宅でで隠居生活をしないか? 安心しろ、さっき話したように幹部は居るし、オレがお前を倒したと話せば世間は納得するだろう。さぁ、オレと一緒に愛の巣を築こうじゃないか!」
長い。
ただそれだけに尽きる。
勇者は呪文のように魔王の魅力を語っている。
魔王は勇者が喋っている間に空間を移動して魔王城から逃げた。
「ここは……村か」
魔王は移動先を考えずに飛べる場所に飛んだ。
魔王は周りを確認すると村に飛んできたのを確認した。
「なんじゃお主?」
魔王がキョロキョロとしていると村人が話しかけてきた。
魔王は焦った。村人から、人経由で勇者に居場所がバレると大変だと。
仮にコイツを消したとしても、まだ村人は居るであろうし加減を間違えると、魔王。ないしは強大な力を持ったものが暴れたと思われるのでどうしようか考えようとしたが、
「迷ったのか?」
目の前の村人は魔王の姿に驚くことは無かった。
何故なら魔王は大男ではあるが、魔族の象徴であった角は根本から折られているため、角が生えていたことが分からず、魔力も殆ど使ってしまったので一般人が魔物だと分かるほど、残っていないのだ。
「実は……我は魔王なんだが、勇者に隠居しようがなんだろが、結婚しようと言われたのだ」
「それはそれは……」
村人は驚きながらも、話を聞いてくれるようだ。
いや村人よ、逃げろよ。
「なんか勇者に愛された。逃げていい?」
「逃げろ」
魔王は逃げ出した。
翌日、勇者が魔王を捕まえようと国家を動かして捜索するのは、また別の話である。
【魔王】
魔族の王でありながら、部下のミスを許す広い心を持っている。
【勇者】
魔王に憧れて鍛えた結果、魔王より強くなった。
―追記―
なんか、凄い伸びました。
一時間でUA250とか怖いよ、何があったよ。
けど続編は書かない。思い付かないから!