Monster hunter モンスターのもう一つの物語   作:細針

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閲覧有難う御座います。
作者の初投稿作品です。
まだまだ勉強中で非常に読み難いと思います、ごめんなさい。

※登場モンスター
ケチャワチャ(奇猿狐)
ザボアザギル(化け鮫)
グラビモス(鎧竜)


プロローグ 闘技場の脱出劇
プロローグ 闘技場の脱走劇 01


【バルバレ‐闘技場地下牢】

 

 

バルバレの外れにある闘技大会用モンスター収容牢。そこに半日前、幼い奇猿狐が運び込まれた。

 

「うぅ……ん?」

 

(酷く体が重いなあ……。目も霞むし……。一体ここは何処だろう?)

 奇猿狐が目を動かしても石の壁と鉄格子、そして積もった埃。

(人間の作った部屋? なんでこんなところにいるの?)

 

「痛っ!?」

 

 起き上がろうとした途端、奇猿狐の胸の切り傷が口を開けた。

(なんで傷が?)

 考える内に少しずつ脳は醒めて、目を覚ます前の記憶が思い出された。衝撃、恐怖、痛み――。

 奇猿狐は地下牢に運ばれる前の記憶が甦った。

(……クック先生の授業に行く途中に人間に出会っちゃったんだ。それで戦ったけど全然歯が立たなくて。突然体が痺れたと思ったら眠く……。)

 そこまで思い出したところで奇猿狐は首を激しく降った。

(じゃあこの場所は……。ここが前に先生の言ってた闘技場だったら大変だぞ……。)

 未知の樹海に暮らすモンスター達から、人間に捕まった先はどうなるかは飽きるほどに聞いていた。奇猿狐は頭を抱えて踞った。

 ギルドによって闘技大会で戦えるよう応急措置が施されていたが、完治している訳では無かった。

 

「目が覚めたか……?ケチャワチャの坊主」

 

 突然、右の壁の向こうから声が響いた。

「その声は……ザボアザギルさん? はじめまして……。何故あなたがここに?」

 奇猿狐には見えなかったが、右の牢では化け鮫が不機嫌な顔で閉じ込められていた。

「まあ、見ての通り捕まってな。3日前からだ。俺以外にもグラビの野郎もいる」

 

「人をそのように呼ばないでいただきたいな、ザボア」

 

 右斜め前の牢から低い声が響いた。奇猿狐が目を凝らすと、鉄格子の向こうには岩のような甲殻が僅かに見えた。

「グラビモスさん? 貴方も?」

「私は1週間ほど前からだ。太陽が見えないから正確では無いが」

 そう言って鎧竜は溜め息をついた。

「人間共に捕まってこのザマだ。ここの様子を見るに以前偵察のガブラスが見たと言っていた闘技場だろう。奴らの話が正しければ私達はこの後また人間共と戦わされるそうだ」

「……ふざけた話だ」

 鎧竜が吐き捨てるように言った。

「…………」

 辛い現実を前に誰も明るく接せない。三匹は暫く沈黙した。

(このまま居ればまた人間と戦う。今度は絶対に逃げれない闘技場で……)

(怖い……)

 奇猿狐が思わず身震いする。

 

「……おいグラビ。てめぇビーム射てたよな? それ使って鉄格子溶かしてここから出ようぜ」

 

 化け鮫が不機嫌な声で沈黙を破った。

「貴様は私の話を聞いていたか?私の牢は他よりも頑丈に出来ているようでビームで溶かすことは出来そうにないと言った筈だろう」

 鎧竜は溜め息をつきながら言った。

「そもそも貴様はゲネルに肩入れしている身だろう? レウス王家に仕える私が貴様を助ける理由など無い」

 そしてきっぱりと鎧竜は言った。またも沈黙が地下牢を包んだ。

 二匹は脱出方法を考えるが、ただただ唸るばかりだ。

 奇猿狐が不安そうな目で地下牢内を見渡した時、あることに気付いた。

「あのぅ……グラビさん」

 恐る恐る奇猿狐は尋ねた。

「何だ? ケチャよ」

 鎧竜が面倒臭そうに返した。

「グラビさんの牢の鍵ってかなり大きいよね?」

 鉄格子の太さが収容するモンスターによって違う為、鎧竜の檻に掛けられた南京錠は他の檻より二回りほど大きかった。

「そうだな。それがどうした?」

 少し苛立った声に変わる。

 

「もしかしたら僕の鉤爪を使えば開くんじゃないかなぁ……って。ほら、僕はまだ小さいし」

 

 鎧竜の顔を伺いながら言う内に少しずつ声が小さくなっていった。

「!!」

 その充分に脱出のチャンスがある案に鎧竜と化け鮫は激しく体を震わせた。

 化け鮫は目を見開き、希望に満ちた顔で鎧竜を見つめる。だが、反対に鎧竜の顔は暗くなる。暫く目を瞑った後に首を振り、苦々しい声で言った。

「……だが、私はレウス王家に仕える者。ゲネルに肩入れする者の助けは……」

 そこまで続けたところで見兼ねた化け鮫が怒鳴った。

「この石頭が!」

 突然の大声に、鎧竜は驚いた顔で化け鮫を見た。化け鮫は続ける。

「せっかくケチャの坊主のおかげで逃げれるかもしれねぇんだ!! 俺達はこのまま死ぬかもしれねぇんだ! こんな時に派閥気にしてる場合じゃねぇだろ!! 」

 鎧竜は化け鮫の言葉に押し黙り、考え込んだ後には言った。

 

「分かった。今回は共に行動しよう」

 

 化け鮫と奇猿狐の顔が晴れる。

「私のビームでザボアの鉄格子を溶かす。その後、ザボアが廊下から地中に潜ってケチャの檻まで通路を作る。そしてケチャが私の檻を開ける……でいいな?」

「流石グラビだ。俺がさっきから考えても全然思い付かなかった脱出法をこんなにさらさらと言いやがった」

 鎧竜が微かに笑った。その中には軽い軽蔑の意味も含まれていたが。

「そうなったら話は早え。今すぐにでも始めようぜ」

 化け鮫は息を荒げた。

「待ってザボアさん! ここって闘技場なんだよね? 見張りはいないの? 」

 奇猿狐がキョロキョロと辺りを見渡しながら訊く。

「見張りか? 幼いのに頭は鮫より回るようだな」

 鎧竜が割って入った。

「見張りはいなくもないが……。1人だけで戦える出で立ちでは無いな。増援を呼ばれてもこっちは地中を通って脱出するのだ、問題は無いだろう」

 闘技場の管理人の性格が大雑把なのはハンターの間でも有名だった。

「グラビ人間観察までしてたのかよ?  やっぱ逃げる気はあったんだな?」

 化け鮫がにやけながら言った。

「そ、そういう訳ではない。……ただ、自分の死期を推測したかっただけだ」

 鎧竜は目を逸らしながら答えた。

そして、前を向き決然とした顔で言った。

 

「なんにせよ、今は夜だろう。行動を始めても問題無い筈だ。今から開始する」

 

「おう!」

「うん!」

 地下牢に小さく風が吹いた。それは三匹の脱走計画を応援する様にも、嘲笑う様にも見えた。

 

 

一、闘技場の脱走劇 01 終




如何でしたでしょうか。

作者初投稿作品でした文章力無いですごめんなさい。

起承転結の『起』からピンチな状況したかったので闘技大会モンスを登場させました。

不自然に伏線を張ってしまいましたが回収できるでしょうか…。

次回も見ていただけたらこの上なき幸せです。
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