Monster hunter モンスターのもう一つの物語   作:細針

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閲覧ありがとうございます。
駄作ですが最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

※登場モンスター
ケチャワチャ(奇猿狐)
イャンガルルガ(黒狼鳥)
ザボアザギル(化け鮫)
フルフル(フルフル)
イャンクック(怪鳥)



一 上位の樹海、大人の事情
一 上位の樹海、大人の事情 01


【上位未知の樹海‐南Dエリア】

 

 

 草木が生い茂り、頭上には壁から伸びた蔦が覆うエリア。その柔らかい蔦の部分に、三匹は寝かされていた。

「つぅ……よく寝たぜ……」

 化け鮫は意識を取り戻した。

「ん? ここはどこだ?」

 体を動かすと、蔦の感触。

 

「久しぶり。……そして、おかえり、ザボア」

 

 蔦の下から、黒狼鳥の声がした。

「ガルルガ!? ……俺は戻ってこれたのか?」

 化け鮫が立ち上がろうとした瞬間、目眩がして座り込む。

「つっ…」

 化け鮫の弱々しい声が漏れる。

 

「……まだ動かないほうがいいよ。毒が回ってたんだ、もう少し横になって休みな」

 

 フルフルのしゃがれた声が横から聞こえた。

「フルフル……? じゃあここは警備隊の救護所か。ケチャ坊とグラビの野郎は……?」

 化け鮫が振り返ると、ぐっすりと眠る奇猿狐と鎧竜の姿があった。

「二匹はまだ夢の中さ。でも、一番重傷だったお前さんが起きたんだ。直に目を覚ますさ」

 フルフルが二匹の匂いを嗅ぎながら答えた。

「そうか……。よかった」

 化け鮫は安堵した。黒狼鳥がゆっくり歩き回りながら語った。

「朝にドスランポスが見張りに立ってた時にケチャワチャの鳴き声が聞こえたらしくって、俺と桃バサルを連れて見に行ったんだ。ちょうど俺達の集落の境界線で倒れてるのを発見してな、ここまで運んだって訳だ」

 そこまで言って一旦止めた。

「あの時は凄かったぞ、あのグラビがお前を背負って倒れてるし、見慣れない小さなケチャワチャが『二人を助けて』と寝言でひっきりなしに唸っていたし」

「そうだったのか……。グラビに運ばれてる間に意識ブッ飛んだから知らねえや」

 化け鮫は頭を掻きながら言った。

「ねえ、あんた。ここ最近ずっと姿を見せなかったけど何があったんだい? 散歩じゃあそんな傷は出来ないだろう?」

 フルフルが訊いた。

「あぁ…。人間共に捕まって牢に容れられててな…。今から話してやるよ」

 化け鮫は事の一部始終を話した。

 

 

「そうか……。そんな事があったのか……。」

 黒狼鳥が哀れむような声で言った。

「人間達も酷いことをするもんだねえ。幼いケチャワチャまで捕らえるなんてねえ」

 フルフルもぼやいた。

「そうだ、ケチャワチャで思い出したんだが……」

 

「あの坊主をこの集落に入れようぜ? あいつには恩があるしそろそろこの樹海で生きていけるくらいの年齢だろ?」

 

 化け鮫が提案した。しかし、黒狼鳥達は直ぐに首を縦には降らなかった。

「まあ、今から下位樹海に送るのも大変だが……。だが、テオに訊かないと何とも言えないしケチャワチャの親やクックにも許しがいるな」

 黒狼鳥は唸った。

「因みにクックには怪我したケチャワチャがいるって伝言アイルーを飛ばしておいたけどね、きっと予定ならもうそろそろ来るだろう。テオには次の集会までに仮集落入りさせると言っておけば…」

 フルフルが言った時、化け鮫の隣から欠伸がした。

「お目覚めかい? ケチャワチャの坊や」

「えっ、おはよ……キャッ!?」

 奇猿狐が声の方向に振り返った瞬間、奇猿狐は小さな悲鳴を上げた。

「おやおや、坊やからしてみればこの老いた皺くちゃの顔は怖かったかねえ……」

 フルフルが溜め息をついた。

「えっと、いや、そうじゃなくて! ……おばさんがフルフル……って人? は、はじめまして! えっと……綺麗な肌……です……ね…………?」

 奇猿狐が慌てて弁解するが、かえって逆効果。フルフルかまた愚痴り始めた。

「ああ……。こんな坊やに御世辞を貰うなんてねえ……。昔はもっとピチピチだったのに……。それに歳をとるとこんな些細なことでも愚痴らずにいられなくなっちゃってまったく本当もう―」

 

「な、なあ! そろそろクックが来てもいい頃だよな!? 俺行ってくるぜ!」

「馬鹿が! 怪我鮫は寝ていろ! 俺が迎えに行ってくる!」

 

 嫌な予感を感じた化け鮫と黒狼鳥は逃げるように去って行った。

「え? クック先生が来る? じゃあここは下位樹海じゃないの?」

 奇猿狐が驚いて辺りを見渡した。

「そうさね。ここは上位樹海さ。坊や、上位樹海は初めてかい?」

 フルフルが見えない目を奇猿狐に向けて言った。

「うん! 凄いや……。僕のいた場所に似てるけどこっちの方が広い!」

 奇猿狐が目を輝かせて言った。

「そうかいそうかい。こんな場所で良ければいくらでも見ておくれ」

 フルフルは笑う。自分にもこんな時があったと思い出しながら。

「凄い大きな木……! 木の実も沢山ある!」

「そうさねえ。ここの樹海は下位樹海が生まれる前からあるらしいしねえ」

「うわあ……こんな所だったんだ……!」

 

「フルフル! イャンクックを連れて来たぞ!」

 

 木々の向こうから黒狼鳥と化け鮫が怪鳥を連れて現れた。

「やっとかい。私の話を無視して逃げた割には遅いじゃないか」

 フルフルがまたもぼやいた。

「え!? 先生!?」

 奇猿狐はじっくりと目を凝らす。黒紫色と青色の隙間から独特の桃色の甲殻が見えた時、自分でも気が付かない内に走り出した。

 

「せんせーい!!」

「ケチャ! 無事だったか!!」

 

 飛びかかった奇猿狐を、怪鳥は抱き止めた。

「良かった……! さっき人間に捕まっていたと聞いた時は心臓が止まるかと思ったよ……!」

 二匹は暫くの間、声をあげて泣いた。

「クック老師。挨拶を申し遅れました、お久しぶりです」

 泣き声が止んだのを見計らって、黒狼鳥が咳払いしながら言った。

「おお、君はあの時のガルルガか! 大きくなったな……!」

 怪鳥は手を差し伸べた。

「幼い頃、御世話になりました。老師は御変わりないようで」

 黒狼鳥がその手を握った。そして二匹特有の挨拶として軽く嘴と嘴をぶつけた。

「えっと……クック? はじめまして……だな。先生って呼ばれてるみてぇだけどガルルガも教えてたのか?」

 怪鳥との面識の無く、蚊帳の外だった化け鮫がようやく会話に入れた。

「この爺はねえ、下位樹海で子供達の教師と孤児院の院長をやってんのよ」

 フルフルが説明した。

「ガルルガは爺の院に暫く暮らしてから私達の集落に引っ越したのよ。坊やも院にいたのかい?」

 視線が奇猿狐に集まる。

「うん。先生の巣で、他の皆と一緒に暮らしてるよ!」

 奇猿狐が明るく答えた。

その言葉に上位樹海三匹組は顔を見合わせた。

「坊主の親に会う手間が省けたな」

「とりあえず訊いてみる価値はあるようだね」

 化け鮫とフルフルが小声で話す。

黒狼鳥が前に進み出た。

「ケチャワチャとイャンクック老師。このタイミングに言うのもなんだが……」

 奇猿狐と怪鳥が息を飲む。

 

「ケチャワチャ。お前を俺達の集落に迎え入れたい。どうだ? 来ないか?」

 

 

二、上位の樹海、大人の事情 01 終




如何でしたでしょうか。

\小説検索の邪魔だ!/…はい、本当すみません精進します。

フルフルの別名ってナンバリングには無いんですかね? Fを絡ませる気は無いので「白影」は使わず「フルフル」で通しちゃいます、はい。

ガルルガがやたらと先生や他モンスに丁寧なのは仕様です。

次回も見ていただけたら感激です。
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