Monster hunter モンスターのもう一つの物語 作:細針
今になって説明回です…。
※登場モンスター
ケチャワチャ(奇猿狐)
イャンガルルガ(黒狼鳥)
ザボアザギル(化け鮫)
フルフル(フルフル)
グラビモス(鎧竜)
「え? 僕が?」
奇猿狐は驚く。
「そうか……この子もそういう時期だものな……」
反対に怪鳥は深く考え込んだ。
「え? それってこれからここで暮らすってこと? 待って、どういうこと?」
まごつく奇猿狐。
「その通りさ。坊やもそろそろ独り立ちする頃だろう?上位樹海に住むんだったらこの集落に入らないかい?二匹を助けてくれた恩を返したいんだ」
フルフルが説明する。
「集落?どういうこと?」
奇猿狐には伝わらない。
「すまないな…皆さん。この子にはまだ上位樹海の仕組みを教えていないのだよ。本当は昨日教えるつもりだったんだが」
怪鳥が謝る。
「ケチャ、私達が住んでる下位樹海の事は知ってるね?」
「うん、学校みたいになってて、まだ大人じゃないモンスターが集まるんだよね?」
奇猿狐が答える。
「そう、その通りだ。あそこは人間が少ない平和な場所だ。でもいつかは皆、人間が寄り付く上位樹海や遺跡平原、地底洞窟などに引っ越す」
「どうして? なんで危ない所に行くの?」
奇猿狐は聞く。
「それは、下の子供を守る為さ」
「いつまでも下位樹海に住むには、沢山の食べ物がいる。食べ物を採る為に遠くに探しに行ってしまうと、人間に狩られてしまう。存在が人間にバレてしまうと、学校の皆が危なくなってしまうんだ。だから皆迷惑をかけないように引っ越す」
怪鳥は続けた。
「上位樹海は大人が集まるとは言っても人間に絶対勝てる訳じゃない。だから同じ種族で集まったり、違う種族で集落を作って守り合うのさ。同じ種族なら沢山仲間が産まれるし、結束も固い。集落なら、タッグを組むことでやって来た人間を追い払い易くなる」
一般的なハンターには、狩れば狩るほど強いモンスターに出会うギルドクエストや、多種多様なモンスターが襲いかかる探索は通常のクエストに比べて嫌われていた。
「だから一人前になったモンスターは皆引っ越していろんな地域の部族や集落に入るんだ。私は特別に許可を貰って先生をやらせて貰ってるけどね。これで君が昨日来なかった分の授業、終わり」
怪鳥はお辞儀をした。
「……でも、僕はまだ一人前じゃないよ。まだ体も小さいし……」
奇猿狐が呟いた。
「何言ってんだよ、ケチャ坊! お前は俺達をまとめて、俺やグラビを助けただろ? お前はもう、立派な一人前だぜ?」
化け鮫が奇猿狐の肩を叩いた。黒狼鳥も頷く。
「ケチャ、お前はお前が思っている程弱くなんかない。人間の所から脱走したモンスターは俺が知る限りお前が初だ」
フルフルも続ける。
「坊やのその爪は勲章さ。誇りに思っていいんだよ」
怪鳥が諭す。
「いい竜達じゃないか? ここならきっと君が入って後悔しない筈さ。私や下の子供達に会いたくなったらまた下位樹海に来ればいい」
四匹の言葉にしばらく悩んだ末、背筋を正して奇猿狐は言った。
「分かりました。……僕、この集落に入ります! よろしくお願いします!!」
「よく言ったぜケチャ坊! これからよろしくな!」
化け鮫が跳ねる。
「これでお前も上位入りだな。よろしく」
黒狼鳥が嬉しそうに嘴を鳴らす。
「これから頑張るんだよ、坊や」
皺が多く、表情の分かりにくい顔でも伝わる程にフルフルは笑った。
「……また一匹、旅立って行くのか……。寂しくなるね」
怪鳥が遠い目をして笑った。
「さて、私はそろそろ帰るとしよう。ここでずっと君達と話していたいが子供達を待たせてしまっているのでね。見送りは大丈夫だよ」
怪鳥が軽く翼を動かした。
「もう行っちゃうの……いや、またね! 先生! 近い内に会いにいくよ!!」
奇猿狐が手を振った。黒狼鳥達も手を降る。
怪鳥は軽く頷く。
「では皆さん、またいつか!!」
そう言い残して怪鳥は大空へ羽ばたいて行った。
「行ってしまったな……」
黒狼鳥が名残惜しそうに呟いた。
「…ねえ、ガルルガ。坊やを誘ったは良いけど私達の集落は派閥競争が起きちゃってるじゃないか。時期が悪いと思うんだけどねえ……」
フルフルが心配そうに言った。
それを聞いた化け鮫と黒狼鳥の顔が凍りついた。ぎこちない動きでフルフルの顔を見る。
「やっぱ忘れてたのかい……」
フルフルが溜め息をついた。
その様子を見た奇猿狐が訊く。
「派閥? そんなのあるの?」
無邪気に訊く奇猿狐に頭を悩ませる黒狼鳥。
「あぁ……最近できてしまってな。首長であるテスカト夫婦のナナが逝去されてから管理が緩くなったと思った奴らが小賢しい真似をしようとしたらしいんだが……」
「小賢しい真似? 何をしたの?」
奇猿狐が訊いた。
「食料の独占だよ。俺達の集落の貯蔵庫に入ってた肉や虫、キノコが突然無くなったんだ。そのせいで次期首長候補の四組がお互いを探りあっちまってだな……。そのせいで集落の雰囲気がかなり冷え込んじまってる」
一回溜め息をついて続ける。
「その四組はリオレウスとリオレイア、ラージャンとティガレックス、ジンオウガとブラキディオス、ゲネル・セルタスとガララアジャラなんだけどな……。皆それなりに竜望があるから候補以外の奴も影響されて疑うようになっちまったんだよ。ほら、地下牢でグラビとザボアが言い争いしてたんだっけ? あんな感じのが続いてるんだよ」
奇猿狐が思い出す。
「ああ! 確かに二匹とも仲が悪かったみたいだけど……」
化け鮫が話に割りこむ。
「まあ俺はそんなにゲネルを尊敬する訳じゃないんだがな…。次期首長は推してるけどさ。でもグラビの野郎はこの集落に入る前から二頭の世話してたから筋金入りだぜ。あとアルセルタス達は女帝様女帝様ってすげえ言ってるぜ。あれはもう崇拝の域だな」
奇猿狐が少し怯えながら言う。
「へ、へえ……。そんなとこに僕が入って大丈夫なの?」
黒狼鳥が答える。
「大丈夫さ。首長のテオがまだ健在だしテオの右腕のクシャがきちんと抑制してる。内部抗争は起きないだろう…。それに俺達の警備隊に入れば中立の立場として居れる。まあ、そんな訳で雰囲気が悪くなっているのはすまない……」
黒狼鳥が項垂れる。
「だ、大丈夫だよ! け、警備隊に入ればいいんだよね? じゃあ警備隊の隊長に会いに行かなきゃ……」
奇猿狐が慌てて言う。
「その必要は無い。隊長は俺だ」
「ガルルガさんが?」
「ああ。だからお前はとりあえずテオに会いに行った方がいい。今から動けるか?」
奇猿狐は飛び跳ねる。
「もう元気だよ! 木登りはまだ出来ないけど……。」
「そうか。じゃあ行くとしよう。ザボア、お前も行くぞ。グラビはまだ寝てるようだし置いていこう。フルフル、グラビを頼む」
そう言って黒狼鳥は二匹を連れて森の奥に去って行った。
「いいねえ若さって。どう思うグラビ? あんた途中から起きてただろう?」
フルフルが振り返って言った。
「さすがフルフル。息の匂いか?」
鎧竜が答えた。彼は先程から目を覚ましていた。
「そうだな……。若さは素晴らしい。純粋で無垢だ」
「だから、それを大人達の都合で汚してはならない……そう思えてくるな」
「随分と格好いいこと言うじゃないか。あんたあの坊やの姿にかなり影響されたね?」
如何でしたでしょうか。
\説明回?文章力無いだけだろ!/はい、その通りです。地の分ですら書ける自信が無いんで先生の力借りましたごめんなさい。
そろそろ独自解釈が強くなってきます。
あの摩訶不思議なギルドクエストの設定は一族を根絶やしにしてるとこの小説内では思っててください。シャガルやラーはちょっと説明できないです、ごめんなさい。
そして投稿後にちまちまといじってるので読み直すと文がかなり変わってたりします、ごめんなさい。
次回も見ていただければ喜びのあまり寒空の中を跳ね回ります。