Monster hunter モンスターのもう一つの物語 作:細針
さて、一通り挨拶も終わって集会です。
そして、2014、あけましておめでとうございます。
※登場モンスター
ケチャワチャ(奇猿狐)
テオ・テスカトル(炎王龍)
イャンガルルガ(黒狼鳥)
グラビモス(鎧竜)
フルフル(フルフル)
ドスランポス(ドスランポス)
バサルモス亜種(桃岩竜)
リオレウス(火竜)
リオレイア(雌火竜)
ティガレックス(轟竜)
ラージャン(金獅子)
ババコンガ(桃毛獣)
ババコンガ亜種(緑毛獣)
ジンオウガ(雷狼竜)
ブラキディオス(砕竜)
ウルクスス兄(白兎獣)
ウルクスス弟(白兎獣)
クシャルダオラ(鋼龍)
キリン(幻獣)
ゲネル・セルタス(重甲虫)
ガララアジャラ(絞蛇竜)
ネルスキュラ(影蜘蛛)
ゲリョス(毒怪鳥)
[2時間後]
【上位未知の樹海‐南Aエリア】
崖と小さな段差が特徴的な集落内でも一際広いエリア。太陽が子午線と交わる時、エリア内には先程挨拶をしたモンスター達が集まっていた。古龍達が小さい段差に登り、それを囲む様に並んでいる。奇猿狐は集会の終わりに集落入りさせる、とのことで桃岩竜の隣にいた。毒怪鳥は警備として見張りに立つ為に席を離れていた。
砕竜が最後にやって来たのを炎王龍が確認して、言った。
「揃った様だな。では、これから集会を始めよう。では最初に人間達の動向から。イャンガルルガ」
黒狼鳥が咳払いする。
「前回の集会から暫くの間、人間の出入りは例年通りでした。しかし、ここ最近、特に一週間前から爆発的に人間が増えました。恐らく人間の間で大移動があったと思われます。アイルーやガブラスによると今は遺跡平原や下位の樹海に出没することが多い、とのことです」
炎王龍が唸る。
「では、下位の樹海には増援として明日からラージャン、ティガレックス、ガララ――」
そこまで言って炎王龍は止まる。絞蛇竜が金獅子達を睨んでいたからだ。
「――ラージャン、ティガレックス、ババコンガ、ババコンガ亜種が向かってくれ」
「承知」「了解ィ!」「わかりましたぞ」「はいはい」
「そして次の集会まで警備強化としてゲネル・セルタス、ガララアジャラ、ネルスキュラが警備隊と一緒に警備にあたってくれ」
「……ああ」「やれやれ……」「……(カサッ)」「うぅ……」
最後のは桃岩竜の声だ。
「では次に近辺の部族や集落の状況を。これはジンオウガだったか?」
「アタイで合ってるよ、首長」
雷狼竜が前に進み出る。
「まず隣のメラルー部族が引っ越すらしい。場所は聞けなかったけど遠くに移動するみたい」
突然、炎王龍の隣にいた鋼龍が呟く。
「……珍しいな」
雷狼竜が話を止めて鋼龍を見る。
「今から冬が来るのに引っ越すということは危険が伴う筈なのだが……。――すまない、続けてくれ」
雷狼竜が向き直る。
「近隣の話はそれだけなんだけどその時に気掛かりな事を聞いてね。又聞きだけどダレンのジジイが最近道を間違えて人間の町に近付いた時に黒い禍々しい気配を感じたらしいんだ。粉……? みたいな感じ。モンスターのような感覚だったらしいよ」
一帯がざわつく。
「我輩の粉塵やネルスキュラの毒とは違うのか?」
炎王龍が訊く。
「又聞きだから詳しくはわかんないけど『今まで感じた事の無いドス黒さ』って言ってたよ」
神妙な顔をする炎王龍。
「ふむ……。一旦意見を取りたい。皆、自由に発言してくれ」
砕竜が口を開く。
「他の大陸や地域でも聞いた事が無いから新モンスターじゃね?」
桃毛獣が呟く。
「そもそも何故人間に近付いた時に感じたんじゃ?」
火竜が言う。
「人間の大量発生と関係があるのでしょうか?」
黒狼鳥が反応する。
「鱗の一部を人間が持っていて感じた、という事だろうか」
鎧竜が口を挟む。
「体の一部からそこまで感じると仮定するとかなり強い力だな……古龍か?」
白兎獣兄弟が言う。
「今まで感じたことの無いドス黒さってなんだろうねー?」「お兄ちゃん怖いよー……」
絞蛇竜が言う。
「あの老体は随分と変わった言い回しを使うようですね。なんにせよデータ不足だとは思いませんかねえ?」
隣の影蜘蛛を見るが何も言わない。
炎王龍が話し始める。
「誰も知らない妙な特徴のモンスター、か。今の時点では対策のしようがないな。今まで以上に不審な生き物に注意してくれ」
一同が頷く。
「では、次の話題に……。我が集落の貯蔵庫の中身が無くなった事件だがこれについてザボアザギル……の代理にガララアジャラ。ザボアから話を聞いてあったか?」
「勿論。彼によると貯蔵庫の中身を奪った輩は未だにわからず。洞窟内ですし飛行による侵入は不可能。誰にも見つからずに歩いて持ち出す事も困難。地面を掘ったら衝撃で洞窟も無事では無いでしょう。依然としてわからず仕舞いです。いやー、誰でしょうね? 食料を盗むような屑は?」
絞蛇竜が煽る様に話す。
「そう感情的になるなガララ。――しかし、あの食料が無いと冬場は餌を探しながら生活する事になってしまう。このままでは厳しい冬を迎えそうだな」
次期首長候補達が見合せる。疑念の目だった。
「疑うのは止めろ。迷い混んだモンスターや人間が盗んだ。今はそう考えてもらえないか」
炎王龍はそう言うが険悪な雰囲気は戻らない。
「…………。この話題は進展が無かったので終わろう。さて、良い話題がある。この集落の新しい仲間が三頭も入る事になる。リオレイアが双子を産んだ。そしてケチャワチャの少年が新しく入る。来い、ケチャワチャ」
炎王龍が手招きする。奇猿狐が緊張した面持ちで前に立つ。
「かなり珍しい境遇だから皆知っておいた方がいいかも知れないな、グラビモス、経緯を話してくれ」
鎧竜は闘技場地下牢に入れられてから脱走するまでの出来事を話した。
挨拶回りの時点で知っていた者もいたが、大半は初耳だった。
「――以上だ」
鎧竜が話を終えた時、自然と歓声が湧いた。
「では、これから集落入りの儀式を始めるとしよう、皆、移動するぞ」
炎王龍の言葉に集まったモンスターが欠伸や伸びをする。
「えっ、待って? 儀式って何をするの?」
奇猿狐が質問に炎王龍が答える。
「我らの集落では集落入りする時に泥を顔に塗るんだよ。この地の土を付けることでこの樹海を生きる決意を表す、といったナナの思いがある。ついでに亡き集落メンバーに挨拶する仕来たりもあるな。ザボアは仕方ないとして今からゲリョスを呼びに行って一緒に――」
その時、ゲリョスがエリアの奥から必死の形相で走って来た。只ならぬ様子に炎王龍が話を止める。
「エブリワン! 大変だ! 下位樹海からメッセージをレシーブ!」
その言葉に全モンスターが固唾を飲む。
「『下位樹海に見たことの無い黒い竜が飛来! こちらを敵と見なしている、今すぐ助けに来てほしい!』フロム、下位樹海のイャンクック!」
一 上位の樹海、大人の事情 06 終
如何でしょうか。
\禍々しい黒い竜ってどう考えてもアレじゃねえか!/…はい、次章ではあの子がやってきます。
あとはっきりと説明はしてなかったですけどこの物語、MH4の発売日の5日後からストーリーが始まってます。一応月の満ち欠けの描写はしてありますが自分でも解り難いので今ここに書いときます。
あと主人公がモンスターなので原作ストーリーが微妙に変わります。はい、ごめんなさい。
次章も読んでいただけたら感激の余り餅を喉に詰まらせます。死にますね。