開始! 新たな主人公!
唐突に始めてすまないが、俺は大空 世界。これから初めて空鳥中に通うんだ!
ん? 得意なもの?
うーん、強いて言うなら、サッカーが大好きなことかな!
サッカー部に入ってレギュラー取って、"相棒"と一緒にあの有名なフットボールフロンティアの舞台に立つのが夢なんだ!
なんだけど……
「あああ! 遅刻するー!」
入学初日でこれは、マジやべえぇぇ!
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「おおらあああぁぁ!!」
俺は目の前に見える校門を全速力で通過する。
するとそれと同時刻にチャイムが鳴り響く。
はぁ、はぁ、ギリギリ間に合った……。
「お前はもう少し早めに起きるべきだな」
そう声をかけてきたのは、俺の大親友であり"相棒"の羽村 智明だった。
「あはは、どうにも起きれなくてな」
俺たちは教室への歩みを進めた。
「好きなことに時間を費やすのもいいが、少しは自分のことを考えて行動しろよ」
「いや、サッカーは俺の為にやってるんだ。いつか俺の為になるさ!」
「……そうだな。お前からサッカー取ったら何も残らないよな」
「あぁ。やっとここまで来たんだな」
「そうだな。一緒に行こうぜ」
俺たちは向き合いながら拳を合わせた。
「「フットボールフロンティア!!」」
そう、俺たちはその為に、今まで練習を積んできたんだ!!
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放課後を告げるチャイムが鳴り響き、俺はバッグを持って飛び出した。
サッカー部に入るんだ、今のうちに見ておいた方が連携を取りやすくなるよな!
「えっと……ここだよな!」
俺は目の前にある、学校内の一室を見て頷いた。
そのドアの横には、堂々と「サッカー部」という文字が掲げられていた。
あぁ、ワクワクするなぁ!
「なんだ、世界も来てたのか」
聞き覚えのある声が俺のすぐ横で聞こえ、咄嗟にその方向へ視線を移す。それはやはり、智明であった。
「ワクワクするよな! こういうのって!」
「あぁ、俺も内心楽しみにしているんだ」
いつものクール顔で部室の方を見た。
こいつ、クールすぎて表情がキザだからよく分からないんだよなぁ。
「じゃあ行くか!」
俺は先に部室のドアを開いた。
「あの! 一年の大空 世界と言います! サッカー部に入りたいんですが!」
「おい世界! 抜け駆けするな! 同じく、一年の羽村 智明…です……?」
智明は俺を押しのけて怒った口調で言葉を浴びせ、中に向かって挨拶をするが、その勢いもすぐに弱まった。
何故なら、そこにいる人がたった二人しかいなかったからだ。
すると、そこにいた二人が俺たちの元へ近づいて来た。
「新入生かい? 俺は六坊 進。このチームの現キャプテンを務めている。我が部に入ってくれるのなら歓迎だ」
その内の一人が無機質な顔で握手を求めて来たので、一瞬呆気にとられてしまうが、すぐにその手を握り返した。
「あ、はい……宜しくお願いします……」
なんだかこの人……ロボットみたいだな……。
俺は失礼にもすぐにそう思ってしまった。
そしてもう一人も手を差し出す。
「俺は深津 翔だよ。あ、かしこまらなくていいから! 楽しくやりたいし!」
その人は帽子を深く被って顔がよく見えなかった。
そう言って少しの自己紹介を済ませると、深津先輩も手を差し出した。
「いえ、先輩なので、こちらも尊敬させていただきます!」
そう言って俺と智明は深津先輩の手を取った。
「えー、いいのにー」
俺達はそうして親睦を深め合った。
そこで智明は、思っていたことを口にした。
「あの、他の部員の方が見当たりませんが、まだ来ていないんですか?」
すると、六坊先輩は、その無表情でも分かるくらいに暗くなってしまった。
深津先輩も顔は見えないが、同様だった。
「入ってもらって悪いが、空鳥中はもう……」
俺と智明はその空気の重さに、何か重要なことなのだということを理解した。
そしてその予想は、見事的中することとなる。
「廃部してしまうんだ……」