「……え……?」
俺はその言葉を理解するのに一瞬遅れ、理解したと同時にその場から一歩後ずさりした。
「どういうことですか? 確か去年はちゃんとあった筈です!」
智明も納得できず、二人に抗議する。
「うちは部員も抜けてしまって、部活として規定を満たしていないんだ。もう六月には廃部さ」
「そんな……」
智明が悔しそうな顔で歯軋りをした。
そして俺も、それと同じような状況に陥っていた。
サッカー部が……ない? それって……。
「それって、フットボールフロンティアにも……」
俺が結論を出すよりも速く智明が答えを出した。
俺はもう、いても立ってもいられず、部室のドアをこの怒りをぶつけるように勢いよく開けた。
「部員がいないからダメなんですよね? だったら今すぐ連れて来ます! そしてフットボールフロンティアに出ましょう!」
俺は猛スピードで部室を出た。
もうこうなったらやるしかない。あと7人、意地でも見つけてやる!
「……あいつもせっかちだよな。じゃあ、そういうことなんで失礼します。おーい、廊下走ると危ないぞー」
智明も、俺の跡を追いかけて部室を駆け足で出た。
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それからの毎日は熾烈だった。
放課後には智明と一緒に勧誘の日々。だが、誰一人振り向かない。
元々サッカーになど興味ない奴等だ。勧誘というのがここまで大変だと初めて知った。
だがある日……
「ねぇ君達、サッカー部に入りたいんだけどいいかな?」
そう言って来た奴は、猫を模したような髪型に、ブロンドの髪の毛をした明るそうな奴だった。
「……え、もっかい言って?」
俺は今までの苦難によりその言葉が信じきれなかったのだ。
だが嬉しいことに、その言葉は耳に入った通りだった。
「俺もサッカー部に入りたいんだ! 名前は根子 亜弐。丁度もう一人いるし……どうかな?」
そう言って根子は後ろに視線を移した。
そこには、灰色の髪をした運動が下手そうな男子がいた。
目が合うと、何か焦っているようだったが、俺はすぐに二人と肩を組んだ。
「もちろん、大歓迎だ! 君、名前は?」
俺は手を二人の肩から離した。
「え、真野 奏太だけど……て、ちょっと待って!?」
「じゃあ! また部活で会おうぜ!」
俺は二人に別れを告げると、すぐに次の場所へ走った。
「言っちゃった……て、僕サッカー部になんて入るつもりないんだけど!?」
奏太は根子に訴えかけるが、ニヤニヤしてるだけで反応を返さなかった。
すると智明が、ドンマイとでも言うように後ろから肩を叩いた。
「世界ー! 少しは歩くことを覚えろー!」
智明はまた、世界の後を駆け足で追いかけた。