桃源郷を目指して ※ボツ   作:ツヅラP

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後編:All roads lead to ONAKIN

 

 

 前回のヤハライブ! 

 

 なんやかんでつぐみとイヴと泊まることになったの‼︎

 

 ──なんやかんやって? 

 

 俺にもわからないの‼︎ でも、母さんは言ってたんだ『細かいことは気にしない』って。だから大丈夫だよ‼︎ 過去は振り返らない、カッコいいよね‼︎

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

「──それで、どうしたんだ? いきなり泊まれだなんて」

 

 

 俺は久々に入ったつぐみの部屋でつぐみとイヴに聞いた。

 

 

「あはは……。えっとね──」

 

 

 つぐみが語った内容から、如何やら先週の別荘での天体観測が関係しているようだった。

 

 

「──実は私とイヴちゃん、それと蘭ちゃんも誘われていたんだけど用事があって行けなかったんだ」

「私も行きたかったです……」

 

 

 そういえば、蘭とつぐみは以前にこころ、日菜、香澄と天体観測してたんだよな。イヴも同じ学園で友達だし、誘われて当然か。

 

 

「──それで、今日の午前中にお店に来ていた紗夜さんにその時の写真見せてもらったら、皆んなで撮った写真と九十九くんとのツーショットがあって、でね、その、ちょっと羨ましいなって思って……」

「そっか」

「やっぱり迷惑だったよね……。ごめんね……」

「……ツクモさん、私もごめんなさい」

 

 

 二人はそう言って、謝った。

 

 

 ──迷惑、か……。

 

 確かに、俺は溜まった性欲を解き放つことは出来なくなってしまった。ツグママは大丈夫だろうが、ツグパパはいきなり俺が泊まることになって、つぐみの親として、イヴの雇い主として不安だろう。こうして見ると、迷惑と呼べる要素は十分に揃っている。

 

 ──だがッ‼︎

 

 たとえ本当に迷惑だったとしても、それを彼女達に突きつけることが出来るか? 今にも泣き出しそうな彼女達に。直向きで努力家のつぐみと、日夜『ブシドー!』と叫んで研磨を欠かさないイヴに……‼︎ 俺には出来ねぇ‼︎

 

 ──ならッ‼︎

 

 如何するべきか。そんなの決まっている。彼女達が笑顔になるように全力を尽くすことだけだ‼︎ それがたとえオナ禁に繋がるとしても──構わない。

 

 

「つぐみ、イヴ」

 

 

 俺は出来得る限りの真剣な表情で二人の名前を呼んだ。すると二人は悲しそうな、寂しそうな表情で俺を見上げる。美少女の潤んだ瞳で上目遣い、実に雅びだ。だが、この場に於いてその表情は似合わない。別の機会まで取っていてくれ。

 

 

 そして、俺は静かに息を吐き──。

 

『帰らないで』と言わんばかりの彼女達を見据え──。

 

『安心してください、帰りませんよ』と内心で呟き──。

 

 

 

 ────にっと笑った。

 

 

 

 

「ばーか。迷惑? むしろ大歓迎だっつーの。

 長い付き合いになるのにそんなこともわかんねぇのか? ……そんな悪い子には、お仕置きだー‼︎」

 

 

 俺は二人に抱きつき、そのままの勢いでベッドに飛び込んだ。

 

 

「わわっ‼︎」

「きゃっ‼︎」

 

 

 二人は突然のことで固まっている。トドメだッ‼︎

 

 

「あははは! や、やめて、あはははは! 」

「ツ、ツクモさん! くすぐったいです! あはははは!」

 

 

 俺は二人にくすぐり攻撃を仕掛けた。馬鹿な俺にはこれくらいしか二人を笑顔にする方法が思いつかなかったが『テンションに任せて陰鬱な空気を吹っ飛ばす』これが俺の十八番だ。本当は気の利いた言葉でも掛けれればよかったんだけどな……。

 

 

「やめねーぞ! 己の罪を悔い改めろ‼︎」

「あはははは! ご、ごめん、なさい!」

「ツクモさん! 許してください! あはははは! ごめんなさい! あははは!」

「フハハハハ! そうだ‼︎ いいぞぉ‼︎ もっと許しを請えッ‼︎ フハハハハ!」

 

 

 

 〜五分後〜

 

 

 

「おぉ……」

 

 

 俺の目の前には、若干頬を赤らめて『ハァ、ハァ』と息を荒げる少女が二人。

 

 

「九十九くん……酷いよ……何度も謝ったのに……」

「うぅ……。ツクモさん、酷いです……」

 

 

 ……やりすぎちゃった。テヘッ

 

 

 

 ──────

 

 ────

 

 ──

 

 

 

「あ、着替えとかどうしよう」

「お父さんの予備があるから大丈夫だよ」

 

 

 

 ホントにごめんね、ツグパパ。

 

 

「……そう。じゃ、取り敢えず折角だし写真でも撮るか」

「え、いいの?」

「当たり前だろ? てか、俺からお願いしたいくらいだよ。イヴもいいか?」

「はい! 勿論です♪」

「……やった♪」ボソッ

 

 

 そして、俺たちはベッドにつぐみ、俺、イヴの順番で腰掛け、自撮り棒を持っていたイヴが写真を撮った。如何やら彩の影響らしい。写真を撮る際に、真ん中に座っていた俺が二人を抱き寄せるなどのちょっとしたハプニングがあったが、何とか三人で納得できるものが撮れたので結果オーライだ。

 

 

「ツクモさん、ツグミさん‼︎ この写真皆んなに見せてもいいですか⁉︎」

「俺はいいよ」

「うん、私も大丈夫だよ」

「ありがとうございます♪」

「あ、ブログとかインスタとかはダメだぞ? 炎上するから」

 

 

 

 ついでにパスパレとイヴのファンに殺されかねない。

 

 

「ふふ〜ん♪ 大丈夫です、ツクモさん! 私は以前のことで学びましたから!」

 

 

 俺の注意にイヴはにんまりと笑って、その豊かな胸を叩いた。ふにょんと胸が揺れる。うーん、グラシアス。

 

 

 

「九十九くん、これから何しよっか?」

 

 

 イヴの胸について考えていたらつぐみに急に話し掛けられて少しビビったが、この後のことか……

 

 

「まったりしたいか『prpr prpr』……」

「電話? 大丈夫だよ、出ても」

「ありがと。じゃ、ちょっとベランダ行ってくる」

 

 

 そう言って、俺は鳴り響くスマホを片手にベランダに出て相手を確認した。

 

【白鷺 千聖】

 

(千聖か、また仕事の愚痴かなー……。芸能界の裏とか知りたく無いんだけどな……)

 

 そう、千聖が俺に電話を掛けてくる時は決まって仕事の愚痴をぶちまけるのだ。しかもその愚痴の内容は芸能人の裏の顔に関するものばっかりで、千聖がすっきりする頃には俺のその人に対する見方が変わることが多い。

 

 

(──でも、拒めないんだよなぁ)

 

 人はそれを惚れた弱みと呼ぶ。

 

 俺は苦笑いしつつ、スマホの呼び出しに応じた。

 

 

「よっ。また愚痴か?」

『こんばんは、九十九。愚痴もいいのだれけど、今回はやめておくわ』

 

 

(あれ? 違うんだ)

 

 

『前置きは無しで率直に聞くわね。──イヴちゃんが送ってきた写真、一体どういうことかしら?』

「……」

『あら? 聞こえなかったのかしら? もう一度聞くわね。イヴちゃんとつぐみちゃんを抱いて鼻の下を伸ばしてた変態さん、あの写真は一体どういうことかしら?』

 

 

(イ、イヴぅ……‼︎ それも送っちゃったのか……)

 

 だが、そんなことを気にしても現状は変わらないので、俺は如何にか現状を打破しようと考えた結果……

 

 

 

『何とか言ったら如何かしら? 変態さん』

「嫉妬か、可愛いとこあんじゃん」

『あなたは本当に昔から私の神経を逆撫でるのが好きみたいね……‼︎ 』

「ヒッ……。ご、ごめんなさい……」

『もう遅いわ』

 

 

 ──強気に出てみました……ヒグッ……。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 その後、千聖の説教を受けた俺に他のパスパレメンバーからもそれぞれメッセージが届いていた。

 

 

 彩 『つぐみちゃんとイヴちゃんいいなー、私もつっくんと泊まりたいなー』

 

 日菜 『へー、つぐちゃんとイヴちゃんと泊まるんだー、へー』

 

 麻弥 『九十九さん、ジブン来週の土曜日空いてますよ?』

 

 

 わーい、来週はみんなでぱじゃまぱあてぃかなー? 

 

 

 

 

 

 

「九十九くん、どうしたの?」

「いや、何でもないよ」

「……ツクモさん、ツグミさん、私眠たくなってきました……ふぁ」

「ふふ、じゃあ、私たちもそろそろ寝よっか」

「そうだな」

 

 

 そして、つぐみは部屋の電気を消した。イヴとつぐみはベッドで、俺は床に敷いた布団でそれぞれ眠りに就く。

 

 千聖の説教から色々あった。つぐみとイヴの鼻歌が気になって浴室の扉に耳を当てているところをツグママに見られたり、ベランダで三人で星を見て、気になった星座をつぐみが解説したり、ベッドでイヴが瞑想をしたり……。

 

 

 突発的に決まったお泊まりだったが、計画なんて必要なかった様だ。俺と彼奴らがいる。それだけで十分に楽しい。つぐみとイヴもそう感じているだろうか。そうだといいなぁ…………

 

 

「すぅー……すぅー……」

「あ、九十九くん早いなー」

「ふぁ〜ぁ……そうですね。……でも、寝顔は可愛いです……♪」

「うん、そうだね♪」

 

 

 

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