「ふぁ〜ぁ」
俺は欠伸をしながら体を伸ばした。
もう幾千と繰り返したこの行為、最早ルーティンと呼んでも差し支えないだろう。
それから俺は流れる様にベッドから出て、カーテンを勢い良く開けた。
________バッ!
「……うぉ」
若干雲はあるものの、天気は紛れも無い快晴で、燦々と輝く朝日はまるで俺の目覚めを祝福しているかの様だった。
──こんなに気持ちの良い朝はいつ振りだろうか。
思わずそんなことを考えてしまうくらい、本当に目覚めが良い。
良い夢でも見ていたのだろうか?
「こらッ! 何時まで寝てるんだい!?」
と思っていたら扉から怒号が響いてきた。
「はあー……。母さん朝早くから怒鳴らないでくれよ」
こんなにすっきりした朝はそうそう無い。
多分まだ七時前だろう。登校に要する時間は三十分程度だし、まだまだ余裕がある。
母さんはせっかちだな。もしかしたら更年期障害なのかもしれない、まだギリ四十歳ではないと言うのに……。嗚呼、嘆かわしい。
「朝早くぅ……? なに寝ぼけたこと言ってんだい! 今すぐ時計見なッ!」
母さんの言葉にむっとする。寝惚けているのはそっちだろ。
俺はそれを証明するために、床に無造作に落ちていたスマホで時刻を確認すると──
________7:56
(ひょえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)
如何やら母さんが正しかったようだ。せっかちとか更年期障害とか思ってごめんね。愛してるよ、マミー。
「……母さん」
「なんだい」
俺はスーッと息を吸って十分な溜めを作り……解き放った。
「本日○七五六を持ちましてッ! 不肖八原九十九ッ! 学校を休むことに致しましたッ!」
「却下」
「……。ごめんお母様、なんか起きてから頭の調子が悪いんだ。だから少し休ませてくれませんか?」
「あんたのそれは持病だよ、諦めな」
辛辣ぅ!!
________タタタッ
……ん? なんか階段を上がってくる音が──
「お義母さん、つくもん大丈夫ですか?」
……え? この声って。
「あ、日菜ちゃん。あの子頭の調子が悪いらしくって今日学校休むって。折角お迎えに来てくれたのに、無駄になっちゃってごめんね」
ババア‼︎なんてこと言うだよッ! いや、悪いのは俺だけども‼︎
「……そっか、つくもん具合悪いんですね」
________日菜の悲しむ声が聞こえた________
瞬間、俺の脳が加速する──。
高速で着替え──。
エレガントに扉を開けて洗面台に移動して──。
丁寧に、だが迅速に歯と顔を洗って──。
鏡に映る顔に絶望して──。
そしてッ‼︎呆れ顔の母さんと、きらきらしている日菜とこころの前に参上した。
あれ? こころ? ……いや、寧ろ大歓迎ッ‼︎
俺は紳士らしく頭を下げてお辞儀をした。
「お待たせ……マドモアゼル」
かぁ〜〜! 決まっ『ゴッ‼︎』ぐぁ〜〜‼︎あ、頭がぁ〜〜‼︎
「やっぱり休ませようかしら。……ごめんね日菜ちゃん、こころちゃん、変なもの見せて」
「ううん! とってもるん♪ ってきました!」
「ええ! 楽しいショーだったわ!」
け、計画通り(白目)