【羽丘女子学園二年A組にて】
「友希那」「嫌よ」
「友希那さん」「嫌よ」
「友希那ちゃん」「嫌よ」
「友希那〜、アタシがこんなに頼んでも──」「嫌よ」
「……はあ。何度頼まれても答えは同じよ、どうしてもやりたいというのなら貴女たちだけでやってちょうだい」
「ぶーぶー! 友希那ちゃんの意固地〜」
「なんとでも言って」
「蘭ちゃんの方が歌上手い」
「何ですって……!」
「まま落ち着いてください友希那さん。ジブンは二人の歌声どちらも好きですから」
「だが困ったね。友希那が無理だと言うのならサプライズの内容を変えなくてはならない」
「え〜〜! やだよせっかくるんってきてたのに……って、あっ!」
「どうしたんですか?」
「ふっふっふ。実はいいもの持ってきてたんだ〜。麻弥ちゃん、薫くん、こっち来て」
「た、確かにこれなら……」
「ははははっ! 流石は私のジュリエット! これなら間違いないさ!」
「でしょー!」
「でも誰が付けるんですか? ……って、ああ」
「そそ! リサちーん! 落ち込んでないで出番だよー!」
「……ん? ──わあっ!? なにこれ……え、猫耳!?」
「リサさん、お願いします」
「ん、ん〜……。わかった……恥ずかしいけど、クリスマス会のためだし」
「リサちーがんば!」
「リ、リサ……やめなさい……」
「ごめんね友希那、アタシは……諦めないよ。だから、──一緒に劇して欲しいニャ〜」
「うぐっ……!」
「もう一押しってところだね、麻弥」
「はい、でも決め手に欠けています。……日菜さん?」
「だ〜れも猫耳が一つだなんて言ってないよね〜。ちゃ〜んと人数分用意してあるんだ〜」
「ふふふふ……はははははっ!! ついに私の出番か任せてくれたまえ! 演劇の練習で動物の真似をすることはよくあるんだ。世界一の猫、しかと演じきってみせよう」
「ジブンも少々恥ずかしいですが、バスパレで慣れてますし。この程度なら幾らでもしてみせましょう!」
「じゃ決まりだね。あたしたちで友希ニャちゃんを攻略だー! ニャー!!」
「「ニャー!!」」
「ゆ、友希ニャさん……その、ジブンたちと一緒に舞台に上がって欲しいニャ〜」
「ニャ──ン!」
「友希ニャちゃん一緒にやるにゃー! シャーッ!」
「友希ニャ、ね? 頑張ろうにゃ〜」
「うっ……、はあ……。わかった、わかったわよ……やるわ」
「うぅ、友希ニャ〜!!」「友希ニャちゃーん!」「ゴロロロロ」「上手くいってよかったです! あ、ニャ」
「ちょっとリサ抱きつかないで。日菜も薫も噛むのをやめなさい。ちょっと麻弥、見てないで手伝って」
「はいっス」
【とある男子校】
「な、なあ九十九さん……俺たちと、飯、食わねぇか……?」
「ちょっと待て、九十九さんと食べるのは僕たちの方だ」
「は? 生徒会長はだまってろよ、俺は九十九さんに聞いてんだ」
「なにを? 不良こそ黙っているべきだ、そもそも先に誘ったのは僕たちの方さ」
「あ?」「を?」
「喧嘩すんなや」
「すんません! けどそのセリフは九十九さんには言われたくないっス」
「誠に遺憾だが同感だね。九十九さん、君にだけは言われたくないよ」
「うっ……。まあ、んなことより飯なら全員で食えばいいじゃねぇか。目の前で鬱陶しいし、決まりな」
「だ、だけど九十九さん……」「九十九さん……」
「うっさい。さっさと仲直りのキスでも握手でもしろよ。じゃ、学級委員」
「了解っす! それで九十九さん、我々もお供してよろしいでしょうか!」
「ははははっ! グッド! どうせなら他クラスの奴もよんで盛大にいこーぜ!」
「わっかりましたー! ここじゃ狭くなりそうなんで学食か体育館の準備もしてきまーす!」
「おーう頼んだー! それで、そっちは終わった?」
「一応っす……」「まあね……」
「ははは、おっけおっけ! じゃ、いくぞー!!」
「うっす!」「仕方がないね!」
『おおおおおおおおおおおおおお!!』
「こらッ! うるさいぞお前ら!」
「あっ、せんせー! 俺明日サボるんで渡すもん今日中によろしくー! ──あたっ!」
「んなもんが許されるか馬鹿もんがッ!! 冬休みの補習増やすぞゴラァ!!」
「ヒィィ! すんませんしたー!」
『あははははははははは!!』
「笑うんじゃねぇよお前ら!!」