比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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1話

学校生活…それは、子供が大人になっていく上で必要な知識を身につけ、周りの人と上手くやっていく為に人に合わせる力を育てていくための場である。

 

だが、実際は義務教育だからと甘えて、自分を高める努力もせず、人の足を引っ張ることしかない烏合の衆である。この私も、中学生活は醜い嫉妬や妬みなどから、色々酷いことをされていた…だがそれももう終わりだ。義務教育を終え、高校に入学。勉強をし、自分を高身へ目指す為の場所である。そしてこの学校にはあの比企谷君も居るのである……

 

そう考えただけで自然と頬が緩んでしまう

 

入学式では新入生代表挨拶をし、先生方からも期待をされているこの私、雪ノ下雪乃 高校一年生

 

入試も1位で合格し、

先生方からの信頼も厚い筈なのだが……

 

平塚「聞いているのか君たち!少しは場所を弁えてから行動しなさい!」

 

生徒指導の先生に怒られていた

 

八幡「すみません、ほら雪乃も頭下げろ」

 

雪乃「別に私は…悪いことだなんて…」

 

八幡「ゆ き の?」

 

ニッコリとしながら少し怒ったような顔でこちらを見ているのは比企谷八幡 高校二年生

 

1つ上の学年の先輩だ

 

雪乃「す、すみませんでした」

 

比企谷君を困らせたくなかったし…怒らせたくなかったので、頭を思いっきり下げ謝罪した

 

入学して約1週間…中々比企谷君を見つけることが出来ないまま数日がすぎ、やっと比企谷君を見つける事ができ、思い上がってしまい 後ろから抱きついてしまったのだが、

 

その瞬間をたまたまこの平塚先生という生徒指導の先生に見つかってしまったわけだ

 

平塚「はぁ…入学して1週間もしないうちからやらかしてくれるだなんてな…さすが陽乃の妹だな」

 

雪ノ下陽乃…私の姉で今は大学一年生

天真爛漫で頭も運動神経もいい完璧な人だ…外面だけは

 

本当はとても怖くてそして優しい人…自分の利益になる人やお気に入りの人だけは

 

平塚「それで君達はどういう関係なんだ?

比企谷が陽乃と面識があるのは知っていたがまさか妹の方まで手を出しているのか?」

 

八幡「手を出すって……妹みたいなものです、ついでに陽乃さんは困った姉みたいなものなので勘違いしないで下さい」

 

妹か…そう思われているのは知っているのだけれど、1人の女子として見られてないって言われるようで少し辛いわね

 

平塚「比企谷家と雪ノ下家は何か繋がりがあるのか?」

 

八幡「俺の父親と雪ノ下の父親が同級生で学生時代は仲が良かったみたいですよ」

 

平塚「そうか…それで」

 

 

でも、私達の父親が再会したのは偶然だ

 

 

 

本当にたまたま1人で遊んでいた比企谷君(当時10歳)を姉さんがいつもの調子で話しかけたがあっさり躱され、興味を持った姉さんが比企谷君に構っていると、たまたま妹の事で意気投合してしまい、そこから仲良くなったと聞いているわ…

 

そして比企谷君が雪ノ下家に遊びに来るようになり、その時にたまたま比企谷君のお父さんが迎えにきたのとお父さんが仕事から帰ってくる時間が重なってしまい、運命の再会という訳…

 

聞いてて頭を抱えそうだわ…あの頃からシスコンを拗らせていただなんて…

 

平塚「まぁ、君達が仲が良いのは問題ないのだが場所は弁えてくれ、それに血の繋がった兄妹じゃないから周りの目だってあるだろ」

 

私も比企谷君と周りの目なんて気にする性格では無い。あるのは自分とその他大勢…そして1部の大切な人だけ

それでいいと思っている

 

八幡「分かりました。以後気をつけます…」

 

平塚「……さっきから思っていたのだが雪ノ下の前では素直なんだな いつもはあんなに捻くれた事ばかり言っているのに」

 

八幡「…べ、別にそんな事ないですよ…俺はいつも真っ直ぐで」

 

平塚「ほぉ…」

 

平塚「なら、先週に君が書いた作文をここで読んでもいいか?」

 

先生はニヤッと悪い笑みを浮かべていた

 

八幡「すみませんでした!!それだけは勘弁してください!!」

 

頭を垂直に下げ、みっともない筈なのに清々しく思えるほどの謝罪…

一体何か書いたのかしら?

 

平塚「はぁ…普段からそういう風に生きれば友達もできるんじゃないのか?」

 

八幡「先生…俺だって友達を選ぶ権利くらいあると思うんですよ、別に作れないわけではなく、作らないだけです」

 

平塚「はぁ……君はどうにも反省してないようだな」ポキポキ

 

指をポキポキ鳴らし拳を握り比企谷君の頬を目掛けて拳を繰り出した

その拳は比企谷君の頬をかすめる程度だが

十分すぎるほどの威力があった

 

八幡「す、すみません…」

 

まぁ、その後比企谷君が先生に結婚の話題を振り見事腹に強烈な一撃を貰ったのは言うまでもないだろう

 

 

 

 

 

八幡「おい、怒られたそばからどうしてお前はくっついて来れるんだよ」

 

私たちは生徒指導室を後にし

下校をしていた

 

雪乃「学校の敷地ではないのだから何をしても問題は無いはずよ、それにあの教師自分が結婚出来ないからって、比企谷君に当たってるだけだし」

 

その比企谷君も少し結婚の事でからかい過ぎなのだけれど

 

八幡「ったくいつからお前はブラコンになったんだ…家ではいいが外では周りの目が痛すぎるぞこれ」

 

傍から見れば目の腐った男に美少女が擦り寄っているようにしか見えないだろう

 

雪乃「兄と妹が仲が良い事の何がいけないのかしら?」

 

八幡「いや、いけなくはないな…うん、むしろいいと思う」

 

その日は結局腕を組んだまま駅まで歩いて帰っていった


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