比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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11話

葉山君の依頼を終え、その後川崎さんの弟さんの依頼も比企谷君がスカラシップの事を川崎さんに教えて、無事に解決した

 

由比ヶ浜さんは……相変わらずだけれど 場の雰囲気を和ませてくれたりと、案外役に立っている?と思う

 

奉仕部の活動は順調に進んでいき

彼との仲も着実と良くなっている気がする

 

八幡「雪乃、放課後スーパー行くんだが一緒に行くか?」

 

部活中に珍しく彼から話しかけてきた

それは、ただスーパーに行くけど

一緒に来るか?という内容なのだが

私としては一緒に居られるだけで嬉しいので

大歓迎だ

 

雪乃「えぇ、今日は何を買うのかしら?」

 

八幡「カマクラの飯がもうすぐ無くなるからそれを買うんだよ」

 

たまにカマクラのご飯を買い忘れたり、少なくなったりすると 学校帰りにスーパーによって買って帰ることがある

 

元々、比企谷君が1人で行っていたものなのだけれど、私がカマクラとついでに遊ぶという名目でついて行ったりしている

 

結衣「いいなー 私も行きたいけど方向が逆だから」

 

由比ヶ浜さんともたまにお出かけしたりするのだけれど、如何せん住んでるところが遠いので、学校かえりなどは合わせにくい

 

部活を終えスーパーに行くと

見覚えのある姿があった

 

比企谷君は少し用を足しに行くから 先に行っておいてくれと言われたので 私ひとりで中に入ったのだけれど、どうやらスーパーの中に姉さんが居るようだった

 

雪乃「姉さん」

 

後ろから近付き、声をかけると

いつもの調子で姉は振り返ってきた

 

陽乃「あれー?雪乃ちゃんじゃん?今日は1人?」

 

振り返った姐の胸元には見慣れない

ネックレスが揺れていた

 

雪乃「いえ、比企谷君と来ているのだけれど……」

 

つい、ネックレスの方を凝視してしまった

 

普段姉さんはネックレスやイヤリングなどの装飾品はしない人間だ。その姉さんがネックレスを付けているという事実に私は頭を悩ました

 

陽乃「あ、これねーー」

 

そうしていると比企谷君がトイレから戻ってき、こちらにやってきた

 

八幡「待たせたな、雪乃……どうも陽乃さん」

 

彼はこちらを見たあと姉さんと目があい

そちらに向き直った

 

陽乃「ひゃっはろ〜比企谷君!こんな平日から2人で買い物だなんて 妬けるな〜」

 

わざとらしくウリウリとしながら

こちらをからかってきた

 

八幡「別にそんなんじゃないですよ………そのネックレス、ちゃんと付けてくれてるんですね」

 

姉さんの方を見る比企谷君の顔色が少し変わった。

どこか、照れくさそうで、嬉しそうな表情をしていた。比企谷君のその表情はこの私でもあまり見た事がない表情だった

 

陽乃「うん…君からの誕生日プレゼントだからね 大切に使わせてもらうよ」

 

姉さんは姉さんでどこか切なそうな顔をしながらネックレスをいじくっていた

 

その後2人は少し雑談をし、別れた

 

そんな、2人の姿を見ていたら

私の胸はチクチクと痛み見始めた

 

ただ比企谷君が姉さんに誕生日プレゼントをあげただけなのに…比企谷君から貰ったものを姉さんが身につけているだけなのに…たったそれだけの事なのに…私は酷く傷心してしまった

 

 

 

買い物を終え、比企谷君の家に行き

カマクラと遊んでいた…

けれど、私は心ここに在らずという感じだった

 

頭の中にあるのは、照れくさそうな、嬉しそうな顔をしている比企谷君の姿と 嬉しそうで…どこか切なそうな姉の姿だけであった

 

八幡「雪乃、どうしたんだ?さっきからボーッとして」

 

雪乃「べつに…なんでもないわ」

 

八幡「そうか、ならいいんだが もし困ったことあれば 言ってくれ、できる限り協力するから」

 

彼はどこか心配そうな目でこちらを見ていた

その目はまるで妹を心配する兄のような目で

 

今の私にはそういうふうにしか見ることが出来なかった


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