少し前まで私は…比企谷君の隣に居られればそれでいいと思っていた。どんな犠牲を払おうとも彼の恋人になりたいと思っていた。いや、今でも思っている…だけれど最近違う気持ちも抱くようになった
姉さんの事だ…もし私と比企谷君が恋人になったら姉さんはどうなるのだろうか…
そう思った時…私はふと1つの事を過程建てた
もし、姉さんが去年の秋に同じ事を思ったのなら…もし姉さんが私の気持ちに気がついているのなら
そう考えるといろいろ辻褄があった
陽乃「……大好き…かそんな事言われたの久しぶりだなー」
陽乃「やっぱ、雪乃ちゃんには適わないや、私に持ってないものを沢山持ってる…だからかな、私の代わりに幸せになって欲しいと思えたのわ」
姉さんの代わりに私が幸せに…
雪乃「姉さんらしくないわね」
陽乃「私らしいって何なんだろう…雪ノ下の為に生きてきた私に…私らしさなんて…」
姉さんは私の代わりに来賓の席や、宴会、などたくさんの行事に参加していた。両親が忙しくて、出れないものは全部姉さんに回ってきていた
そしていつしか、姉さんは雪ノ下の道具になってしまっていたのかもしれない
雪乃「いつも、私や比企谷君の事を守ってくれて、優しくて、完璧で、私に負けず劣らずの負けず嫌いでとても意地の悪いのが姉さんじゃない」
陽乃「最後悪口入ってなかった?」
雪乃「とりあえず、姉さんは家の事も、私の事も心配しなくていいから、自分に素直になってもいいんじゃないかしら?それでも比企谷君は私が貰うけれど」
陽乃「……あーぁ まさか雪乃ちゃんにこんな事言われる日が来るなんてな〜でも雪乃ちゃんのお陰で目が覚めたよ…まぁ比企谷君の事は恨みっこなしだからね」
陽乃「まぁ、雪乃ちゃんが私に勝てると思わないけど〜」
雪乃「あら、今から勝負を始めたとしても 私の方が有利だと思うのだけれど。同じ学校、同じ部活…姉さんとは違ってかれと一緒に居れる時間は圧倒的にこちらの方が上よ」
分かっている…姉さんがそういう事を言っているわけじゃ無いことくらい
陽乃「スターチス…と言えば分かるわよね?誕生日プレゼントで貰ったの」
スターチス?確か……永久不滅だとか変わらぬ心とかそういう意味だったかしら?
雪乃「えぇ、でも私が彼の心を射止めればいいだけの話しよ」
陽乃「そうね、でも私がすぐに手を出してしまったら 射止める暇も無いんじゃないかな?」
確かにそうかもしれない…でも比企谷君はかなりの奥手…そうそうに決着がつくはずがない
雪乃「好きにすればいいわ…受けてたっ………」バタリ
陽乃「雪乃ちゃん!?」
雪乃「あら、ここは……?」
八幡「おぅ、起きたか」
目を開けると目の前に比企谷君が居た
あれ、さっきまで温泉につかってた筈なのに…
そっか…私倒れたのね
話が盛り上がって気が付かなかったけれど…体力のない私が長い時間温泉に入れるわけないし…
八幡「話が盛り上がるのはいいが、あんま無理はすんなよ、心配したじゃねぇか」
雪乃「ごめんなさい、気をつけるわ」
私は微笑んで彼に言葉を返し
また目を瞑った