比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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18話

雪乃ちゃんを部屋に運び、私は外で一息ついていた

雪乃ちゃんに言われた言葉を思い出しながら私は、たまに微笑み…そして少し喜んでいた

 

雪乃ちゃんが成長した事、私の事を好きだと言ってくれた事…そして

 

私が比企谷君の事を好きでいる事を認めてくれた事

 

今まで私ひとりで悩み続けていた事がたったの数分の事で全て消え去った。そんな心の余裕も出来たからと

言ってもキリがないほどあるのだ

 

 

 

陽乃「ふふっ♪︎」

 

私は軽快なタップを踏み、そしてガードレールがある所で背をもたれ掛かった

これからどうやって比企谷君を落とすか考えながら私は機嫌よく景色を眺めていた

 

自然に囲まれ、木々の間からから見える綺麗な景色に鳥のさえずりなど、私の心を癒してくれる…

 

いつも気を張っているから、こうしてくつろぐのは本当に癒される…

 

 

 

八幡「こんな所に居たんですね」

雪乃ちゃんの看病を終えたのか、比企谷君が外に出てきた

 

陽乃「雪乃ちゃんは?」

 

八幡「ぐっすり眠ってますよ」

 

いいなー私も比企谷君に看病して貰いたいなー

今度風邪ひいたら頼んじゃお

 

陽乃「そっかそっかー 無事でよかったよ」

私はあっけからんとした表情のまま比企谷君と話をしていた

特に中身なんてない会話を続け

暫くして一息ついた頃…

 

 

 

陽乃「比企谷君」

私は1度大きく息を吸い、口を開いた

 

八幡「なんですか?」

 

彼はキョトンとした表情でこちらを見ていた

 

陽乃「…好きだよ」

 

私は自分の気持ちを真っ直ぐ彼に伝えた

その時彼はどんな表情をしていただろうか

 

 

 

 

 

目を覚ましたのはいいけど、誰も居ないわね

姉さんと比企谷君は散歩でも行ったのかしら?

 

気分が良くなった私はムクリと起き上がり

部屋を出ていった

自販機で飲みものを買っていると姉さんと比企谷君が外から帰ってきた。のだが、少し違和感を感じた

姉さんはいつも通りなのだけれど比企谷君は少しやりにくそうで少し気まづそうな雰囲気を出していた

 

雪乃「どこに行ってたの?」

陽乃「ちょっとお散歩してただけだよ〜景色もいいし、風も気持ちいいしね」

 

雪乃「そうね」

 

姉さんはそのまま部屋に戻っていき、比企谷君は途中で方向を変え、ロビーのソファに座っていた

 

どこか思い詰めたような…訝しげな表情をしていた

 

 

 

雪乃「姉さん、比企谷君に何があったの?」

 

私は部屋に戻り、1番に姉さんの所へ向かった

比企谷君のあの異様なほどの思いつめ方

姉さんがなにかをしたかに決まってる

 

陽乃「比企谷君に告白しただけだよ

比企谷君の事が好きだーって」

きっと姉さんはこうなる事を最初から予見していた筈だ

なのによりによってこのタイミングで…

 

姉さんの意図が読めない

 

陽乃「理由なんてないよ 私がすっきりしたかっただけ」

 

そう言いながら姉さんは薄く笑みを浮かべた

 

陽乃「雪乃ちゃん、容赦しないからね」

 

きっとこれは、姉さんからの宣戦布告なのだろう

本気で比企谷君を落とすということに対しての

 

きっと

比企谷君にした事も、私が姉さんに問い詰めようとするのも、全てよみきっていたのだろう

そして私はまるで手のひらでころばすかのように、全てを読み切った姉さんの遊びに付き合わされてしまった

 

 

本当に私は姉さんに勝てるのだろうか…

 

久しぶりに私は姉さんに警戒心を抱くことになった


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