比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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19話

私の今の状況は圧倒的と言えるほど不利だ……

姉さんに先手を打たれ、比企谷君は今現在姉さんのことで頭がいっぱいだろう。そんな状態で何か行動を起こしても、無意味に終わる可能性が高い…

 

 

実質的に私は何も出来なくなってしまった

今だけを見ると詰身という言葉が相応しいのかも知れない

だけれどココは現実世界、何が起こるか予測不可能

 

だから私はそのイレギュラーに掛ける

比企谷君が旅行中に答えを出すか分からないけれど、絶対に姉さんの思いとおりにはさせない

 

 

そう決意をかため私はひとりでに拳を握り力を込めた

 

 

しばらくすると

 

八幡「戻ったぞー」

 

さっきとは打って変わり、いつも通りの状態の比企谷君が戻ってきた。

 

いや、いつも通りというのは語弊があるわね。

いつも通りに似せたというのが正しいかしら

 

陽乃「遅かったね〜 ささ、ご飯食べよっか」

 

机の前に座り私達はご飯を食べだした

席順は私と比企谷君が隣同士で姉さんが向かい側となっている。普段の姉さんなら比企谷君の隣に来ようとするのに今日は敢えて向かい側に座っていた

 

食べ終わると姉さんはベランダに出ていき、比企谷君は椅子に持たれかかるように座っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は……陽乃さんの事が好きだ…ずっとそう思っていた

いや、今も多分好きなんだと思う

だけれど、陽乃さんの事を考えると頭の隅で雪乃の事を考えてしまう自分が居る

 

俺は…雪乃の事が好きなのか?と思う自分が居る…

自分の中に、雪乃の事が好きな自分と陽乃の事が好きな自分が共存してしまっている

 

これは俗に言う二股というやつなのかもしれない

同時に2人以上の女性を好きになってしまった俺が言うのだから 多分間違いはないだろう

 

いつからだろうか…雪乃の事を愛おしく感じるようになったのは

いつからだろうか…陽乃さんの事を本気で好きになったのは

 

いや、今更そんなのは関係ないか

いつからなんて関係ない…

 

大切なのはどちらの方が好きなのかだ…

日本では重婚は認められていないし、俺も望んではいない

 

八幡「はぁ…どうしたらいいんだよ……」

 

俺はついため息混じりに声を出してしまった

だが、雪乃は布団に潜って眠り、陽乃さんは…まぁどうだろうか…起きてるのかもしれない

つ〜かなんで俺が真ん中なんだよ…どっち向いても美女が居るとか眠れないだろ

陽乃「んっ、まだ起きてるの?」

 

隣の布団がモゾモゾっと動き 陽乃さんがこちらを向いてきた

布団からひょっこりでてる顔に一瞬ドキッとしてしまったが、すぐに心を落ち着かせることが出来た

 

八幡「陽乃さん…少しいいですか?」

 

陽乃「ん?何かな?」

 

俺は陽乃さんの布団に入り込み彼女を抱きしめた

 

陽乃「えっ!ひ、比企谷君!?」

 

あぁ…落ち着く…昔はよく抱きしめられて慰めてもらってたな

あの頃は2人のことも姉や妹のようにしか見てなかったからな

 

昔から本当に色々……

八幡「今まで、色々ありがとうございました」

 

俺は小さな声で呟き

眠りについた

 

 

 

陽乃「こっちこそ、色々振り回してごめんね」

 

次の日雪乃に夜に何があったか根掘り葉掘り聞かれたのは別のお話し


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