比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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2話

平塚先生に捕まった日以来特にこれと言ったことも無く時は過ぎGWになってしまった

 

本当はGW中に比企谷君とお出掛けでもしようと思い、誘おうとは思ったのだが…素直になれなくて結局誘うことが出来なかった。

 

雪乃「あの日…どうやって比企谷君に甘えれたのかしら…」

 

あの日というのは比企谷君に抱きついてしまい怒られた日だ。あの日は数ヶ月振りに会うことが出来、舞い上がってしまった…あの時の私は変なテンションで、腕を組んだりと色々したが、あれからというもの恥ずかしくてろくなコミュニケーションも取れなくなってしまった。

 

このままゴロゴロしてても埒が明かないわね…

 

そう思い、私は携帯を手に取り

小町さんに連絡をした

 

「はいはーい、小町ですよ〜」

 

数コールすると、相手が電話に出たのか

コール音がやみ、小町さんの声が聞こえてきた

 

雪乃「小町さん?今日カマクラに会いに行ってもいいかしら?久しぶりにモフりたいのだけれど」

 

大抵比企谷君の家にお邪魔させてもらう時はカマクラを言い訳にして遊びに行っている

我ながら情けない…素直に比企谷君に会いたいからと言えず逃げてしまっている

 

小町「はいはーい、お兄ちゃんをご所望ですね」

 

小町さんには私の本当の気持ちがバレている

だからこうやって時々からかってくるのだけれど…全く困ったものよね

 

少しオシャレをし都築に車を出して貰い比企谷君の家に向かった

 

 

 

雪乃「お邪魔します」

 

比企谷君の家に着きチャイムを鳴らすと小町さんが出てきた

 

小町「ようこそ雪乃さん!さぁさぁカマクラもお兄ちゃんもお兄ちゃんの部屋で寝ているから!」

 

家に入るとそのまま階段を上がらされ比企谷君の部屋の目の前まで来てしまった

 

雪乃「比企谷君…寝ているのよね…」

 

なんやかんやで彼が寝ている時に来るのは初めてだ

どんな寝顔をしているのか…

 

雪乃「お、お邪魔しまーす」

 

恐る恐るドアを開け中に入ると

 

カマクラ「なーご」

 

比企谷君のベッドの隅っこにカマクラが座っていた

 

雪乃「久しぶりねカマクラ」

 

比企谷君は布団にくるまり

スースーと寝息を立てていた

 

私はベッドの端に座りカマクラを撫でていた

 

雪乃「相変わらず殺風景な部屋ね…」

 

教科書や服はちゃんと整理整頓され、床にはゴミひとつなく、特にこれといって何も無い部屋だ

強いて言うなら本棚に大量の本が置いてあるくらいかしら

 

カマクラ「ふんす」

比企谷君の部屋を見渡しながらずっとカマクラを撫でていると嫌だったのか その場をたち比企谷君のお腹の上に乗ってしまった

 

八幡「うっ……」

 

一瞬声を出したが

すぐ寝息をたて出して

 

 

雪乃「慣れてるのかしら?…普通なら起きると思うのだけれど」

 

雪乃「比企谷君、起きなさい…」ペシペシ

 

カマクラが逃げてしまって暇になったので比企谷君を起こすことにしたのだけれど…寝顔って少し新鮮ね…目を瞑ってるのもあっていつもとは違う一面が見れて

 

八幡「んー まだ眠い…」

 

ゴロンと寝返りを打ち私の方へ体を向けた

カマクラがお腹の上に気づいて無いのだろうか…

 

 

カマクラ「んにゃ!?」

 

その時ゴロンとカマクラがベッドの上に落ち

またベッドの隅に戻っていった

 

八幡「んぁ、小町か?」

 

目をゴシゴシと拭き寝ぼけた表情でこちらを見ていた

 

まだ視覚はハッキリしておらず私のことを認知できていないようだ

 

雪乃「おはよう、比企谷君」

 

八幡「……は?」

 

目をぱちくり開け驚いた表情をしていた

 

八幡「な、な、な、な」

 

八幡「なんでお前がここに居るんだ!?」

 

目を覚ました比企谷君が口をぱくぱくさせながら言葉を発した

 

雪乃「別に私がどこで何をしようが比企谷君には関係ないと思うのだけれど」

 

八幡「いや、そうだけど…ここ俺の部屋だから 何勝手に入ってきてるんだ」

 

雪乃「ちゃんと小町さんに通してもらったし 私はカマクラに会いに来ただけよ たまたまカマクラがあなたの部屋に居たから私もここに居るの」

 

なんで素直に比企谷君に会いたかったって言えないんだろ…

 

八幡「分かった、分かったからカマクラ連れて早く出てけ」

 

そんな邪険にしなくてもいいと思うのだけれど…

 

雪乃「分かったわ、下で待ってるから」

 

八幡「え、何?二度寝したらダメなの?」

 

雪乃「ダメに決まってるでしょ… 今日は暑いから外に出るつもりは無いのだけれど カマクラとずっと遊んでても暇でしょ?」

八幡「分かったよ、相手してやるから とりあえず部屋から出ろ着替えられねぇから」

 

別に比企谷君の着替えなら見てもいいのだけれど…なんて言えるわけないわね

 

雪乃「分かったわ…」

 

そういいカマクラを抱っこしリビングに向かった

 

 

 

 

しばらくすると普段着に着替えた比企谷君がリビングにやって来た

 

八幡「ふぁ…眠い」

 

雪乃「一体何時に寝たの?あまり夜遅くまで起きるのは健康に良くないわよ」

 

八幡「録り溜めしてたアニメ消化してたんだよ…こんな時しか纏めて見れないからな」

 

アニメね…あまり見た事は無いのだけれど面白いのかしら?

 

八幡「雪乃、昼飯は未だだよな?」

 

雪乃「えぇ、まだ食べてないのだけれど」

 

八幡「んじゃ、纏めて何か作るか…小町の分も含めて3人分作るからお前も手伝え」

 

そう言い彼はキッチンの方へ向かっていった

 

そういえば彼…一応頭もいいし料理や家事もできたわね…流石専業主夫希望ね

 

雪乃「この前平塚先生が言ってたことなのだけれど、私がいる時の比企谷君は素直ってどういう事なのかしら?」

 

八幡「……別に意味なんてねぇよ」

 

八幡「(お前に真っ直ぐに育って欲しいからとか言えるわけねぇだろ…親でもねぇのに)」

 

雪乃「そう…」

 

少しの間沈黙が訪れたが それは2人の料理がスタートしてすぐに去っていった

 

八幡「たまごサンド作るから レタス切って後からしマヨネーズ作ってくれ 」

 

そう言い彼は鍋に水を貼り ゆで卵を作る準備をしていた

 

 

 

2人で一緒にご飯を作りながらたまに会話をしていると。あっという間に出来てしまった。時間はそれなりに経ってはいるのだけれど、比企谷君と話すのは楽しいから体感的にはあっという間だった。

 

 

 

それ程に私は彼の事が…好きなの

お願い気付いて…比企谷君…


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