全くこの歳になって添い寝だなんて…
まぁ比企谷君が寝相悪かったのは知らなかったし、姉さんからではなく比企谷君から抱きつきに行ったみたいだからまだいいのだけれど…いや、良くないわ…意識がない状態とはいえ比企谷君は私ではなく姉さんを選んだという事…もしそれが本能的に動いたという事と考えると…やはり比企谷君は姉さんの事が好きという事になる。
……いえ、これこそ考えすぎね
はぁ…比企谷君が絡むと頭の残念な子みたいな感じになってしまうのはなんでなのかしら…
それほどに比企谷君のことが好きと言うことなのだろうけれど…まさか私がこれ程に人を好きになることがあるなんて…
昔は姉さん以外の周りの近い年齢の人達を見下していた…自分を高める努力もしようとせず、周りの足を引っ張りながら無駄な時間を過ごす有象無象の衆と思っていた…
特に男子なんて本当に馬鹿ばっかだと思っていたのだが…そんな時に姉さんが比企谷君を家に連れてきた
人とは違う考え方を持ち、自分というものをしっかりもっている歳の近い人に初めてであった
最初の頃は男子なんて…と思って敬遠していたが、いつの間にか彼だけは特別だと思うようになった
そして、彼にもとうとう思春期がやってきたが…結果は散々だった…
それでも彼は 私達にだけはいつもと変わらぬ姿を見せてくれた……いえ、少しだけ捻くれが増していたかもしれない
だけど根は変わらない 優しくて頼りがいのある大好きなお兄ちゃんだった
雪乃「こんな昔の事を思い出して何がしたいのかしら……」
自分に自問するが答えは返ってこない
八幡「何ブツブツ独り言言ってんだよ」
雪乃「ひっ!?」
後ろから急に話しかけられたから、驚いて変な声が出てしまった
八幡「なんだよ…そんなに驚いて」
雪乃「べ、別になんでもないわ…それより姉さんとお土産見に行ったんじゃ無かったのかしら?」
そう、あの後(添い寝の件)姉さんと比企谷君はお土産の下見に出ていった
私も誘われたのだけれど あまり歩き回りたくないから断ったのだ
八幡「あぁ、だから行ってきたぞ それでいい店あったからお前を呼びに来たんだよ。一店舗なら特に問題ないだろ?」
スマホで呼べばいいのに…わざわざ歩いて迎えに来るなんて……やっぱり比企谷君はあざといわ
八幡「ほら行くぞ」
グイッと腕を引っ張られ
無理やり連れていかれるような形で歩いていった
雪乃「やっぱり…ずるいわ」ボソッ
八幡「……俺が1番分かってるっての」ボソッ
そのまま手を繋いだまま私達は姉さんの元に歩いて向かった