比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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30話

久々に…いやもう何年ぶりか分からないけれど、その日は久しぶりに私は寝坊をした。

夏休みももう終わりに近づきそろそろ生活のリズムを戻さないといけない時期に差し掛かったこの頃、比企谷君から珍しくデートのお誘いを受けた。待ち合わせは朝11時の駅前で2人きりでとの事だった。

 

そのお誘いを受け年甲斐もなくはしゃぎそして当日……寝坊をしてしまった。

いつも朝の7時には目を覚ましゆっくりと朝食を取り余裕を持って生活をしているのに今日に限って寝坊をしてしまった。

急いで携帯を手に取り時間を確認すると、現在時刻は正午ピッタリ、そして30分前に比企谷君から一通の着信履歴だけが映し出されていた。

 

雪乃「こんな筈じゃ無かったのに…」

 

昨日からわざわざ来ていく服やバックなどを考え折角お洒落しようと思っていたのに……そんな事よりまず早く連絡して謝らないと…きっと彼の事だから今も駅で待ってそうだし

 

電話帳から比企谷君を選び電話を掛ける。そうすると、すぐに通話は繋がり息遣いの荒い比企谷君が出てきた。

 

八幡「今どこにいる!何かあったのか!?」

 

あぁ彼はきっと私が事故かじけんにでもあったと思って、必死に探し回っていたのね…

 

雪乃「ごめんなさい…いま、起きたの」

 

八幡「はぁ……」

 

電話越しに深いため息が聞こえてくる…きっと呆れられたのね…こんな私じゃ姉さんにも敵わないし比企谷君から見捨てられてもおかしくないもの。

 

八幡「お前が無事でよかった…マジで心配したんだからな」

 

怒声または呆れた声が聞こえてくると思っていた。でも彼から出てきた言葉はすごく優しいものだった。声音もすごく柔らかくなり、いつまでも聞いていたいと思えるようなものだった。

 

雪乃「えっ」

 

八幡「今お前の家の近く居るから今から向かうわ、走り回って汗かいて暑いし」

 

雪乃「……怒らないの?」

 

私は何より彼がどうして叱責してくれないかが疑問だった。時間の管理もできずに人に迷惑をかけ、挙句の果てに寝ていたなんて…もし私が反対の立場なら罵倒が飛びそうなものなのに。

 

八幡「怒らねぇよ誰にだって失敗ぐらいあるだろ、それに俺なんかしょっちゅう寝坊して小町に怒られてるしな」

 

彼のこういう所…私は本当に好き。誰に対しても優しくそして温かい。少し捻くれた所もあるけれど、それでも真っ直ぐと芯の通った人間。そういう所に私も…姉さんも惹かれたのよね。

 

雪乃「そう、ありがとう比企谷君」

 

八幡「今更礼なんて言うなよ、どう返したらいいか分からん」

 

今ここに居ないけど彼がいたら頬をポリポリと掻きながら照れているような気がした

 

雪乃「私、これから準備するから切るわね」

 

八幡「おう、俺も後10分くらいで着くからな。それじゃ」

 

そう言って電話はプツリと切れた。私は布団から体を起こし身支度を始めた

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