「はぁ……」
雪乃が部屋を飛び出して少し時間が経った
流石の陽乃さんも、いきなりの事で驚いたような表情をしてた。いつもとあまり変わらないような絡み……いや、会うのが久しぶりで少しテンションが上がっていたのかもしれない…だけれど気にするほどではなかった
陽乃「最近雪乃ちゃんと何かあったの?」
ボーッと紅茶を注いでいると、陽乃さんがこちらにやって来て、質問をしてきた
何かあったか?無いこともないが 特にこれと言って理由になるものは無かった
八幡「平塚先生に絡まれた以外は特に…」
陽乃「そっか……」
陽乃さん方を見ると少し心配そうな顔をしていた
この人も大概シスコンで、妹の事を溺愛してるからな
紅茶を注ぎ陽乃さんの目の前に置き
ソファに腰かけた
八幡「実は昼前に雪乃が俺の部屋で寝ていたんですけど その時に魘されてたいたんですよね…大きな声で「ダメっ!」と叫び目を覚ましましたが」
あの拒絶の言葉がどういう意味なのか分からないし、聞こうとはしなかった。夢の内容を聞くなんて無粋な事をしようと思わなかったから
陽乃「へぇー雪乃ちゃんが魘されてたんだ……実は私もね、最近変な夢見るんだ…雪乃ちゃんととある男の子の話なんだけど」
そう始め彼女はとある物語を話し始めた
いつもと変わらない風景、つまらない日常
私を楽しませてくれるものなんて殆ど存在しない。そんな退屈な世界…
そんな私にも好きな事はある
可愛い妹や弟みたいな子と話したり出かけたり
ワイワイするのは楽しいと思う
だから、そんな2人が私抜きで二人きりでいる姿を見ると 胸がズキッとする…
雪乃「比企谷君、今度はあっちに行きましょ!」
八幡「おい、雪乃引っ張るなよ」
彼は困った顔をしながらも楽しそうな顔をしながら歩き、2人は手を繋ぎながらお出掛けしていた
私の知らない2人の表情…私の知らない優しい声
そんな2人の顔を見ていると…私はどうしてその中に自分が居ないのかと考えてしまう
その後2人はブラブラと歩きながらウィンドウショッピングを楽しんでいた
そして……
八幡「はぁー…疲れた」
とある公園のベンチに座り、コーヒーを口に含んだ
雪乃「ふふっ、こんな美少女とデートをしているのに、疲れただなんて 全く贅沢者ね」
楽しそうな表情をしながら彼の隣に座り
比企谷君の反応を見て面白がっていた
彼は彼で苦笑を浮かべながらも
楽しそうに笑っていた
そんな中私は…
私の知らない表情に嫉妬し…私がその円の中に居ない事を嘆き…そして悲しんだ
私はあの二人に…嫉妬心を抱いていた。
知らない2人の表情を見る度に私の嫉妬心は増加していく一方だった。
それ程に私は2人のことが好きだった
今まで私には 価値のあるものなんて無かったのに
2人だけは、違ったのだ
そんな大好きな二人の幸福を心から祝福本当してあげられずに…私は醜く嫉妬心を蔓延らせていた。
私は…そんな私自身の事が嫌いだ…
陽乃「こんな話なんだけどね〜」
と話が終わるといつも通りの陽乃さんに戻っていた。さっきの寂しそうな表情は何処へ行ったのやら
いや…まだ残ってるか、
少し眉がピクっと動いたり
瞬きが多くなったりしている
多分今のは陽乃さんの本性…本物の気持ちなのかもしれない
八幡「陽乃さん、俺は雪乃からも陽乃さんからも逃げたり、どちらかを区別しようなんてしませんよ
2人とも俺にとっては、大切な家族同然ですから」
そう言うと彼女はぽつりぽつりと涙を流していた
陽乃さんは高校を卒業し、大学生になった
そのせいで、俺とも雪乃とも時間が合わなくなり
仕舞いには全く会うことが出来なくなってしまった
それに加え 雪乃は高校に入学し、俺と過ごす時間も増えた…陽乃さんだけ除け者になり、俺たち2人で行動する時間が増えてしまったのは事実だった
陽乃「君が誰かを好きになったりするまででいいから…それまで私達のことをよろしくね」
彼女は涙を止め、笑顔で微笑んだ
その表情はとても綺麗で
不覚にもときめいてしまった