比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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5話

長そうでそこまで長くないGWも終わってしまい今日から学校だ……

 

結局比企谷君と二人きりになる事も出来なかった

あの後2人に謝り、普通に振る舞うことは出来たのだけれど、それだけで終わってしまった

 

あの後私と姉さんは比企谷君の家に1泊し、そして次の日の昼頃に帰っていった。それから比企谷君と連絡も取ることもなく今に至るわけだ

 

八幡「あ…おはよ」

 

学校に辿り着くと駐輪場の方から歩いてきた比企谷君とばったり会った

 

雪乃「おはよう、比企谷君」

 

互いに少し意識してしまっているのか少し動きがぎこちなくなっていた。

 

二人並んで下駄箱の方に歩いて行ったが、終始無言で、ただただ1人と1人がたまたま同じ道を歩くような絵面になってしまった。だけど私は気まづさなんてものは無かった。寧ろどこか落ち着くような…そんな気がしていた

 

八幡「んじゃ、また放課後にな」

 

雪乃「えぇ」

 

 

 

比企谷君と別れ、普段とおりに学校生活をすごし、終礼の時間になった

 

ピンポンパンポーン

 

「えー…1年J組の雪ノ下さん、2年F組の比企谷君、終礼が終わったら職員室に来てください」

 

またあの先生なのね…

姉さんは面白い人と言っていたのだけれど

平塚先生の事なんて結婚出来なくて私たちに愚痴をこぼす面倒な人位しか知らないのだけれど…

 

ため息をつきながら私は終礼を過ごした

 

放課後になり職員室に行くと、先に来ていた比企谷君と一緒に別棟まで連れていかれた

 

雪乃「あの…平塚先生ここは?」

 

平塚「まぁ、待てとりあえず中に入るぞ」

 

先生に言葉を遮られ、中に入った

そして後ろに纏めて置かれている椅子を適当にとり、適当な場所に座った

 

八幡「奉仕部……この部室まだ残ってたんですね」

 

奉仕部?聞いた事ないわね…部活動の一覧にも載っていなかったし…一体どういう部活なのかしら…

比企谷君は知っているようなのだけれど

 

平塚「比企谷、知っていたのか」

 

八幡「はい、陽乃さんが作るだけ作って、生徒会に入ったせいで休部状態になってしまった部活だと聞いてます」

 

平塚「うぐっ……はるの、陽乃か……なぁ比企谷、本当に陽乃と付き合ってないんだよな?」

 

陽乃という単語を聞いた先生は比企谷君に涙目で近づいていった

 

八幡「何度も言ってますけど、陽乃さんとはそういう関係では無いです…というか何でそんなに疑うんですか?」

 

平塚先生が目をうるうるとさせながら

携帯の画面を見せてきた

 

平塚「だ、だって…陽乃からこんな写真が送られてくるから…」

 

その写真には、姉さんが比企谷君に抱きついている姿があった。比企谷君は比企谷君で満更でも無さそうな顔をし、頬を赤く染めていた。

 

八幡「ぁ…えと…それはですね//」

 

雪乃「先生、ちょっと見せてください」

 

少し違和感を覚え先生か携帯を借り

写真を見た

 

雪乃「……やっぱり、この写真…多分数年前のものですよ…姉さんも比企谷君も少し雰囲気が柔らかいですし」

 

内心最近のもので無くて安心してしまった自分が居ることに私は気がついてしまった

 

平塚「そうなのか?」

 

八幡「これ、総武高の入学祝いをした時の写真です」

 

2年前…多分あの頃の比企谷君は姉さんの事を異性として好きになっていた時期だと思う……今思えばあの頃が1番姉さんと比企谷君の仲が良かった時期だ

 

でも比企谷君が高校に入学して半年位経った頃から姉さんは何故か彼から少しずつ離れて行った。当人は「理系の国立大学目指してるから〜一応ね」と誤魔化していたが、本心では無さそうだった。

 

そして元々姉さんが居たはずのポジションは気がついた時には私のモノになっていたのだが、彼は私を妹としか見なくなってしまっていた

姉さんに何を言われたのか…それとも彼が何を思ったのかは分からないけれど、比企谷君はある程度私達姉妹に線引きをするようになってしまった

 

最初は姉さんが離れて行った理由は模試や勉強に忙しいと思っていたのだけれど、多分姉さんは私の気持ちに気が付いて離れて行ったと思う……まるで比企谷君は雪乃ちゃんのものだからと言うように

 

予想は幾らでもできるけど、真実は謎のままだ

姉さんは姉さんで 聞いても誤魔化すし

比企谷君に聞くのは酷な気がして

聞けていない…

 

姉さんと比企谷君の空白の半年間…

この2人はなにを思い、何を結論付けたのか

私には分からないままだった

 

 

八幡「雪乃、どうしたんだ?写真みながら難しい顔して」

 

雪乃「少し昔の事を懐かしんでいただけよ」

 

姉さん……姉さんの本当の気持ちは何処にあるの?

 

平塚「ゴホン…話がそれてしまったな ここに連れてきた理由はだなーー」

 

八幡「奉仕部に入れか…雪乃お前はどうする」

 

雪乃「比企谷君も居ることだし、私は構わないわ」

 

姉さんが残したもの

それを再建するのもいいかもしれない

それで何が見えるのかは分からないけど

掌で踊らされてあげるわ

 

八幡「んじゃ、明日から活動するか」

 

平塚「あの……」

 

雪乃「活動するのはいいのだけれど、結局何をする部活なのかしら?」

 

平塚「だから……」

 

八幡「確か…困ってる人を助けるとかだったな 飢えた人に魚を与えるのではなく、魚の捕り方を教えるみたいな感じだ」

 

姉さんらしいわね

あくまで自力で何とかさせる

他人任せは許さない

そういう厳しい所は姉さんらしい

 

雪乃「そう…分かったわ」

 

平塚「……」

 

八幡「んじゃ今日は解散するか」

 

雪乃「そうね、携帯お返しします先生」

 

ずっと握ってしまっていた携帯を先生に返し、部屋を出ていこうとした

 

平塚「あぁ…気を付けて帰れよ」

 

雪乃「はい」

 

そうして私達は平塚先生をその場に放置し帰宅したのであった

 

 

 

 

 

平塚「しずかお家かえりゅーー!!!!!」

 

その日泣きながら車に乗っていく 人を見たとか見なかったとか


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