比企谷君が私のお兄ちゃん?   作:ゼロ少佐

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6話

好きな人、気になる人にクッキーを送りたい。それは女子ならば1度は経験しそうな悩みであると私は思う

こんな私でも比企谷君になにかプレゼントをしたいという気持ちに駆られた事はあるし、本人が喜んでくれるとこちらも凄く嬉しいから

 

……だけれどこれはプレゼントどうこう言っている以前の問題なのだけれど……

 

 

 

 

奉仕部の活動を始めて何日か経った頃に平塚先生の紹介という事で初の依頼者が奉仕部にやってきた。

 

比企谷君は面倒だと言っていたけれど、クッキーを渡したい人が居て、作るのを手伝って欲しいという依頼だったので、手伝ってあげたいと少し思ってしまった……多分それが駄目たったのだろう。

 

優しさは時として自分に降りかかるとは言うけれど、これはさすがにこれは予想出来なかった

 

八幡「はぁ…どうしたらこんな木炭を生成出来るんだよ…」

 

比企谷君がため息まじりに 依頼者の由比ヶ浜結衣さんに声をかけた

 

結衣「うぅ…こんなはずじゃ無かったのに……」

 

 

頭を抱えながら、そこで呻いてる人は由比ヶ浜結衣さん、比企谷君と同じクラスの人で、今回の依頼者である

 

雪乃「その、私が1度手本を見せるからそれ通りに作ってください」

 

1度受けると言ってしまった以上私にも責任があるので、由比ヶ浜さんにも分かるように、ゆっくりと丁寧にクッキーを作っていった筈なのだが…

 

結衣「また真っ黒だー!!」

 

私が焼いた分は綺麗に仕上がったのに

由比ヶ浜さんが焼いたクッキーは真っ黒で

まるで炭のようになっていた

 

さすがの私もこめかみを抑え困り果てていると比企谷君が私の所に歩いてきた

 

八幡「雪乃、俺と二人がかりで一つ一つの作業を確認しながらやるぞ」

 

雪乃「そうね、その方が早いわ……」

 

まず由比ヶ浜さんに自主的に作らせるのがダメだったのね…

 

結衣「比企谷君と雪ノ下さんって…その、付き合ってるの?」

 

最近こういう質問多いわね…同級生からは 2年の人とどういう関係なのか?って聞かれたし、この前の平塚先生と言い…

 

八幡「ちげぇよ昔に少し縁があってな、まぁ妹みたいなもんだ…」

 

そんなにすぐに否定しなくてもいいと思うのだけれど

 

結衣「へぇーそうなんだ〜だから比企谷君と仲良いんだね クラスでは誰とも喋らないのに」

 

八幡「べ、別に好きで一人で居るだけだし…人に気を使ったりしなくて済むしな」

 

そんな気はしていたけど…やっぱりそうなのね

でも、本当は人と一緒にいることが好きで好きで仕方ない癖に……そうじゃないと私や姉さんの為にここまで時間を割いてくれる理由がないわ

 

結衣「でも雪ノ下さんは別って事でしょ?後元会長さんと」

 

八幡「陽乃さんな つーかなんで知ってるんだよ?」

 

結衣「1年の頃冴えない子と会長が特別仲がいいって有名だったからね〜 でも秋くらいからそうでも無かったよね、まぁ受験シーズンだから仕方ないと思うけどさ…あの頃喧嘩したんじゃないの?って比企谷君の事で話もちきりだったんだよ」

 

八幡「そうなの?つーか俺って有名人?」

 

結衣「うん、会長が卒業した後は新一年の子とイチャイチャしてるって男子たちが妬んでたし」

 

八幡「マジかよ…俺刺されるんじゃねぇの?」

 

あれ、平塚先生以外にも見られていたのね…

どこに目があるのか分からないのは怖いわね

 

雪乃「ゴホン……とりあえずクッキーを作りましょ あまりモタモタしていると下校時刻になるわよ」

 

結衣「次こそ成功させるぞー!」

 

そうして3人で作業を始め、その時だけ上手くクッキーが焼けたのは別の話

 

 

 

 


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