時は1536年?……魑魅魍魎蔓延る京にて大魔王細川晴元が法華宗を六角氏と比叡山延暦寺を動かし抹殺しているのと同時期に私は初陣として細川晴国討伐に参加しております……。
どうも皆さま、私は三好元長の四男の四郎坊と申すものです。
現在大魔王細川様の人質として過ごしておりますが、細川様のお小姓として働いております。
はい、察しの良い方は気づかれておるでしょうが転生者です。
あと細川様に開発済みです。……はい。
まだ6歳(数え年でも7歳)なのに掘られたよ(泣)
そんなことはどうでも良いのです。
三好ですよ三好。
衆道がわかるくらい歴史をお知りの皆さまはピンとくるでしょうが三好は幕府や公家以外の権威で初めて政権を獲得した一族です。
長男全能の化け物、次男猛将の文化人、三男淡路水軍司令官にして仁慈の将、本来の四男鬼十河、本来の五男よくわからんと五男以外はチートである。
いやぁーね、長男である三好長慶様が疑心暗鬼による精神病になるまでは本当に誰も勝てない化け物で性格が優しい以外は本当に完璧な人なのよ。
今だって晴元様の命令で摂津中島の一揆を滅ぼしてますし。
え、晴元様て誰だよ。早く語れって?
……信長の数倍残酷非道で松永久秀よりも暗躍や謀殺が得意で京近辺にある宗教勢力を滅ぼすか本拠地燃やしてついでに京を燃やす人ですよ。
流石大魔王様ですわ。早く死んだ方が皆の為ですわ……。
ちなみに私の父親も大魔王様に謀殺されております。
(マジやばくね!?)
「おい四郎、適当な奴の首を持ってこい」
この人の適当な首とは味方も含むという意味です。
本当大魔王様……多重人格者としか思えないんですけど……。
さてと首持ってこねーと自分の首が飛ぶからな。
「うーす、皆(戦場に住んでいた農民)、換金するから戦利品みせろー」
この時代の農民は戦闘が決着し、勝者が追撃を開始すると追撃部隊が帰ってくる前に戦場に転がる遺体を漁る。
一応人質の自分でも部下が数人いる。
とはいっても実家からの護衛役3名で大魔王様に気づかれないように半農の振りをして生活しているが……
今回みたいに大魔王様と離れる機会を彼らが気がつくか私が気がつかせ合流する。
そんな護衛達付き添いのもと農民達から鎧や兜、武器を私の鎧の下や兜の裏に隠した銀貨や砂金、腰に巻いている3貫で買い取っていく。
「お、坊っちゃんまた買い取ってくれるだか、他の職人より中抜きなくて高値つけてくれっからまたよろしくだぁ」
「はいはい、死なない程度に剥ぎ取れよ~。一応追撃部隊だからな私は」
「いやぁしっかし戦だらけで田畑荒れちまってしかたねーだ、坊っちゃんどうにかならんだか?」
「上告した瞬間に死ぬから無理だな」
今回は大魔王様の命令が首取ってこいと命令が出たから自然に抜け出せたが、何回かシラ~っと無断抜け出しして換金作業してるんだよね。
たぶんバレてるけどいい感じの武器を上納してるから見逃してもらってる感じあるんだよな……いや、大魔王の事だからいつか私も謀殺されそうだけど。
「資金尽きたからこれで帰るわー、またよろしくなー」
「坊っちゃんもまた、ありがとうな」
さて、戦利品と適当な首持って帰らなきゃなぁ……
部下をそのまま戦利品を四郎坊鑑定と木版に書き、堺の大商人に換金してくるように指示をし、自分は大魔王様の元
にすぐさま戻った。
「遅かったですね」
「は!! 晴元様申し訳ありませんでした」
「いいよ、いいよ。今日は気分が良いから」
気分が良くて適当な味方の雑兵3名殺すんですか……
「今は多少のミスは許すよー。僕の性欲の捌け口だし、次代を見据えてだけど内政できる部下が君ぐらいしか居なくなる予定だからね。もっとも君以外にも揃うようだったら……わかるよね」
ネットリした感じに喋る大魔王晴元様からほぼ直球で成長したら殺す宣言を頂きました。
本気で嫌だ。
なんでこんな多重人格サイコパスに殺されなければならないかな。
能力は飛び抜けてるけど……。
数年おとなしくてそのうち逃げ出さないと本気で殺されるからな……