天下人の内政官   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

15 / 18
戦、戦、秋、戦

「あぁ、基本給金あげるぞ、1人当300貫に衣食住保証、負傷兵の登用もだ!! 遊郭の拡大と女の買い戻し制度も正確にしろ!」

 

 どうも皆さん優駿です

 

 ただ今私の本拠地である伊予を中心に人をとにかく集めております

 

 というより戦乱で荒れている人口密集地である関西と修羅の国九州からかき集めている状態です

 

 人間牧場から送られてくる子供達の洗脳教育も始まってます(一番歳いってて5歳だからあと10年は効果がないですが……)がとにかく工事も工場も遊郭も店も兵も全てにおいて人が足りない

 

 もうどうしようも無いので雑賀衆と根来衆を引き抜こうとしましたが宗派の違い、そもそもまだ傭兵としてあんまり動いていないただの僧兵集団なので引き抜きがうまく行かない……

 

 金の力で少し引き抜けたけどそれだったら飢え死にしそうな子供や女、怪我人の方が大量に集められるわ!! 

 

 兄達からも忠告文が届いたが伊予の国が周りから人攫いの国だとか餓鬼の国だとか噂が流れ始めたらしいがだったら噂を流している比叡山延暦寺とか言う馬鹿たれどもを黙らせてくれ!! 

 

 本願寺に献金してるのが気に入らないらしいが本願寺から紹介される飢えた人達が私の生命線なの!! 商人の仲間達も慈善事業して~見たいな顔しないで! 私武将! 国治めてる大名! 金稼げば良かった前とは違うの!! 

 

「多部!! あとどれくらいで土佐攻められるか? 自分の予想だと半年有れば2500名編成できるだろ」

 

「無茶言わないでください! 最低1年半かけて5000は居ないと厳しいですよ! 馬位しか用意できませんよ!! 武器や武具も工場拡大中で生産量ありませんから日々の小競り合いの損耗と訓練での損耗分で3ヶ月はこのまんまですから!」

 

「白石最強! 最強なら何とかしろ!」

 

「拙者も多部と同意見です! 薬物兵の使用実験ももう少しかかりますし、運用方法的に絶対に死ぬので替え玉が少ないので実験だけで精一杯です」

 

「覚えてろよ土佐の連合ども全員肉奴隷行きにしてやるからなぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長宗我部家は三好優駿殿に降伏いたす」

 

 あら~、長宗我部国親さん気合いを入れたら降伏ですか……

 

「なぜこの時なのですかな? 国親殿」

 

 わかっていますが言わせることに意味がある

 

「……まもなく連合は三好に屈伏致しまするゆえに」

 

「正確には保身及び裏工作かでしょう。寝首をかく時は転がっておりますしな」

 

 三好勢が将軍方の対三好連合に敗北して京を取られた時、勝ったとしても家督を相続する際に殆どの家で発生する家督争奪戦及び内紛、まんま私を毒殺して混乱に乗じてなんて数えきれないほど浮かび上がります

 

 ただ、こちらとしては長宗我部家が欲しい

 

 未来で四国平定した家臣団は是非とも吸収したい……特に元親含めた4兄弟が欲しい

 

「……国親殿は私を見てどう思われますか?」

 

「どう……とは?」

 

「失敬、私は今3人の覇者を見てきたもので人なりを調べるのが好きでしてね……細川晴元様は覇者たる器が足りないが、それを狂気で補っておられた」

 

「細川殿が……」

 

「大内義隆様は男色家であられたが、それを家臣団にも価値観を押し付けてしまったのがいけない」

 

「それで義隆様は家臣に裏切られ息子以外のほぼすべてを失われた」

 

「そして兄である三好長慶様は今が絶頂期ですが」

 

「三好殿!? 絶頂期ということは堕ちるのですか三好殿達が!?」

 

「あぁ、私以外15年以内に死にまして崩壊するでしょうな……ま、私は天下なんて興味ないのでそれでも下るのならどうぞ」

 

「……下りまする」

 

 流石国親殿、決断が早い

 

 ま、天下なんて信長に落ち着けて私は四国で国力を蓄えて逃げ切りますから……

 

 その前に怖いのが四国統一後なんだよなぁ緩衝地作らないと島津、大友、毛利、尼子、織田に将来包囲されますからね

 

 毛利と尼子はもうすぐ和睦でしょうし、尼子が三好の第二戦線作るために四国上陸は十分にあり得ます

 

 土佐一条家救出を命題にしてでしょうかね

 

 そして……私の様な異物が複数居ますね確実に

 

 北条に1人は確実、織田にも複数居るようですしいやはやはや、難しい

 

「国親殿、あなたの決断が正しかったと私が証明してあげましょう……1つ面白い戦を見せましょう」

 

「面白い……ですか?」

 

「えぇ、とても面白いですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1552年(22歳)

 

 毛利と尼子で和議が成立し、尼子が7国を有する中国地方の覇権を確立させ、朝倉と協力して京に一大攻勢を決行する

 

 兵数両軍合わせて5万が京目指して出陣し、尼子と三好は丹波国の現在で言うと柏原駅を挟む形で陣をしき、霧が濃い早朝にぶつかった

 

 尼子方2万9千 大将尼子国久(新宮党党首)

 

 三好方3万2千 大将三好実休 (三好家次男、尼子方面司令)

 

 猛将で知られる実休でも尼子の最精鋭部隊である新宮党相手では部が悪く、何より相手が尼子国久であることが最悪であった

 

 この尼子国久は後の新宮党粛清で粛清される人物だが、抵抗凄まじく粛清後は尼子家の軍事面での悪化と家そのものに大きな亀裂が入る事になるほど軍事面で突出していた武将で、中国地方の武力面だけで見た時、吉川晴元、最盛期の陶晴賢と同等と呼べる人物であり、毛利元就の才を惜しみ、尼子最盛期を築いた父である尼子経久の毛利元就暗殺を止めた人物でもある(ただ、この行為が尼子没落の切っ掛けになるのだからわからないものだ)

 

 霧で視界不良の状態で緩急をつけた攻勢、伏兵を使った

 三好方の攻勢を破綻させる等、史実の評価を上書きするかのごとく活躍し、決戦は尼子勝利でおわり、丹波方面は亀山盆地の砦を最終防衛線として第4次攻防戦が行われることとなる

 

 実際亀山盆地を抜けられると京までの道が多数広がるため防衛に不向きで、突発されると京での市街地戦になる可能性が高かった

 

 ただ朝倉方面は防衛に成功しており、そこから兵力を抽出し、3万5千まで兵数は回復していた

 

 ただ今回の三好敗北により将軍足利義輝は六角を説得させ、六角定頼率いる統率が取れた1万5千の軍が京に向かって進軍を開始した

 

 防衛には松永兄弟が指揮し、足止めには成功する

 

 が、経済力では畿内を押さえているにも関わらず六角は5:4の比率と規模だけであれば三好が圧倒しているのに六角と競り合いを繰り広げていた

 

 ……が、陣中で六角定頼は急死、嫡子である六角義賢が陣中で指揮を引き継ぐが、その動揺は兵に伝播してしまい、松永兄弟の逆襲により裏崩れが発生して六角軍は壊滅

 

 

 

「さて、私もそろそろ動かないと不味いですから行きますよ」

 

 三好優駿槍騎兵1000騎と騎馬鉄砲隊、クロスボウ弓騎兵各500騎が出陣

 

 やや遅れて荷馬部隊が800名の合計2800名が土佐に向かって進軍を開始した

 

 特筆すべきは騎兵だけというとこで、戦国時代最強騎馬隊のイメージが強い武田軍も足軽と歩調を合わせて突撃していた

 

 つまり遅いのと迫力不足

 

 武田騎馬隊が恐ろしかったのは迫力不足を信玄の軍才と周りにいる足軽の練度が高いのと情報戦術で何とかした

 

 だってポニーでしかないんだもん

 

 日本の在来種馬体125cm有れば良い方だよ……牧場で増やしまくったけど自分乗ったら1回で潰れたし……

 

 解決策として大陸から汗血馬……とは言い過ぎだけど高い値段で複数の中間種と呼ばれる馬を購入したのだが……なんか2頭アハルテケ種の馬居ないか? 汚れて黒ずんでたけど汚れ落としたら黄金に輝いているように見えるんだけど……

 

「とにかく強い軍馬を揃えないと……購入した牡馬でポニーどもと配合して強くしないと……」

 

 これも最低10年かかるため今回の出撃には関係ないが、ポニーゲフン、まぁ馬に乗る騎兵は小柄な人で固め、駄馬隊に本来なら主力の巨人(175㎝以上の人達)で固めたので1回で潰れないだろうけど……

 

 ……俺? 馬車だよ

 

 乗れないんだもん仕方ないね

 

 6頭で引かせていざ出陣っと

 

 御者? 私ですが何か? 馬車には私以外居ませんよ? 

 

(そこデブとか言わないでください)

 

 

 

 

 

 ドドドドと騎馬隊が音をたてて土佐に殺到する最前線に出ないと今回の作戦は成功しないので私が先頭で馬車に乗って敵に突っ込みます……歩兵が居ないのでやっぱり速いですね~

 

 ……見えた、敵陣が

 

「突貫」

 

 

 

 

 

 昔は騎馬だけの突撃はあった

 

 しかし少数での突撃であったため雑兵が槍を並べることで守れるようになり、それを更に突破するために馬の周りにも雑兵で囲むようになり、それが今も続く……

 

「なんだあれは!!」

 

 誰かが叫んだ

 

 凄まじい勢いで突っ込んでくる馬群……騎馬隊を

 

ドドドドドドドド

 

 地ならしの音と雄叫びが混ざり、恐怖が生まれる

 

「槍を並べ!!」

 

 武将が言った

 

 馬は臆病な動物だ

 

 鋭利な物を見ると止まってしまう

 

「な!?」

 

 槍を構えていた兵達が倒れた

 

 身体中に木の杭が突き刺さっており、死んでいたり、苦しんでいた

 

 優駿は騎馬隊の陣を魚鱗の陣とし、最前列にクロスボウ弓騎兵、続いて槍騎兵、騎馬鉄砲隊は両端を担当し、クロスボウ弓騎兵で敵の槍を崩し、その後の槍騎兵で突発する戦術を優駿は試した

 

 結果は成功だが、クロスボウ弓騎兵や騎馬鉄砲隊と槍騎兵の割合を8:2にした方が良いな、ハマれば強いが安定して指揮できる気がしない

 

 ま、騎兵だけの強みはこの後ですよ……追撃戦こそ本番

 

 乱取り、首実検、首取り全てを作戦中禁止を徹底

 

 一部命令無視した奴が居たが、見つけ次第処刑し、見せしめとした

 

 機動力の違いで直ぐに追い付き、囲んで逃げる足軽以外は基本殺していき、伊予統一戦から戦ってきた8家の国人衆及び戦国大名を戦に居なかった女と子以外戦死、土佐も長宗我部家以外は指揮取れる者はほぼ壊滅

 

 主な死因は圧死、次点で川に落ちての溺死であった




尼子国久なんだけど作者的には軍事面だけだとたぶん武田信玄クラスはある

まぁ軍事だけなら戦国最強の上杉謙信には劣るけど

あとこいつ時勢が読めないのが致命的なんだよなぁ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。