天下人の内政官   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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伊予三好家

 ~伊予 三好本城~

 

 伊予三好家(土佐も持っているが)では一族や重臣、派遣されていた松永兄弟が集まっていた

 

 三好優駿が率いていた対六角方面軍が崩壊してしまったため三好家が畿内掌握が怪しくなってしまったからである

 

 包囲網はジリジリと狭まっていますが本気になった三好長慶様の尽力により小康状態となっておりますが……

 

 筆頭家老である私……鈴川が一応司会をしております

 

 まず旦那様……優駿様が戦で行方知れずのため家長不在となってしまいました

 

 優駿様から預かっていた置き手紙……遺言書や計画書を読み上げていきます

 

 ……血がすさまじく複雑なのですが、優駿様の家族で決まっていたらしく嫡子が三好金杯(みよし きんぱい)、次男が三好銀杯(みよし ぎんぱい)に改名されました。

 

 自身の身に何かあれば金杯を家長とし、銀杯は支えよ、長女桜花姫(三好桜花 おうか)は長宗我部家の嫡子である長宗我部元親に嫁ぎ、元親を親族に入れるべし、元親の子と金杯の子供を婚姻させこの子を軸とした家長引継ぎとすと最初に書かれていた

 

 長宗我部家から来た者達は凄く驚いていたし、松永兄弟は三好の血をと口にしそうになったが、金杯様、銀杯様、桜花姫の3人が松永兄弟に土下座した

 

「三好の血の歴史は理解しております。しかし、我ら父である優駿様以外は武家の血が全く入っておりませぬ」

 

「農民、商人、売女母達は蔑まれる階級の者達ばかりでございますが、父の考えは我々兄弟も、更に下の弟達も次等ございます」

 

「私も女でありますが武、指揮、商を学び時に前にと言われております……どうか今は危機的な三好を守るため団結を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 松永久秀は考える

 

 三好家四男の三好優駿という男を

 

 幕府を動かしていた三好家の元主君細川晴元の下で事務方で功績を上げ、京を戦乱の世とは思えないほど復興させた手腕は名手であると疑いようがない

 

 大内に飛ばされた後も貪欲に知識を吸収していたと聞く

 

 毛利の嫡子である毛利隆元殿との友好的であり、商いの心がけ、商人とはを教えていたらしい

 

 事実今伊予三好家が討論できているのも三好優駿と毛利隆元殿か毛利元就殿の間に何かしらの密約が有るように見える

 

 四国計画は鈴川殿より拝見させてもらったが見事な出来だ

 

 完成すればかの中国の都と比べられる程の都市ができるであろう

 

 しかし、三好家全体として見たらどうか? 

 

 長慶様の指示には従うが、独自に動こうとする節が多く、現に四国計画は長慶様も閲覧されてない

 

 複雑な徴税方法、寺小屋なる学び舎、自由市場なる座の影響外の商売施設(屋台の集合施設 縁日を拡大したかんじかな?)等先進性は凄まじく、それでいて古い特権者に利益をなるべく与えようとする

 

 うむ、敵が少ない訳だ

 

 ……何より優駿……様、優駿様は上に立とうとしないのが良い

 

 長慶様以外にこの日ノ本を押さえられる方は居られない

 

 優駿様はわかっているのか、それともわからずとも感覚で三好家の危険性を感じてらっしゃる

 

 若い、全てが若い

 

 経験が何事にも足りてない

 

 現に天皇、京を押さえているのにも関わらず各地の敵に負けている

 

 ……首がなく、部分部分がふやけてわからないが、大柄な体格の者に優駿様の鎧や愛刀が見つかったと忍から報告を受けている

 

 近くに回された女の死体も有ったらしい

 

 もうこの世に居ないと考えた方が賢明だがこの家では誰もそう思ってないようだ

 

 今家督を継いだ金杯も父が戻り次第家督を返すと言っておられる

 

 ……弟の長頼は三好家全体で信頼されておる

 

 直ぐにでも畿内に連れ戻され、儂だけが監視役として残るだろう

 

 さてどうする? 

 

 

 

 

 

 

 会議前に金杯、銀杯兄様と桜花姉様に呼ばれた1つ下の弟達である春杯、夏杯、秋杯、冬杯の4名は金杯兄様の部屋で衝撃的な事を言われていた

 

「(次女の)秋華が父を探すと置き手紙を書いて脱走していやがった」

 

「「「「はぃ!?」」」」

 

「あの馬鹿、親父は大丈夫だって言ったのに数枚の反物と貯金箱(5貫)、兵の備品庫の足軽鎧一式が消えてたから足軽に偽装して逃げたらしい」

 

「金杯兄様どうなさるのですか!」

 

「普通なら連れ戻すが尼子と利権対立している瀬戸内海の海賊達が兵を集めていると情報が来ている」

 

「毛利、大友は大内親子を預かっている関係で中立だが経済的な締めつけが見られる」

 

「親父の弟弟子の方が居るんでしたよね……毛利には」

 

「水運でバチバチにやりあってるからな毛利とは」

 

「大友も一応博多の利権関係でまたもめる可能性も有りますよね」

 

「親父! 早く帰ってこい!!」

 

 これが戦国時代

 

 8歳と7歳達の会話である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃぁぁぁどうだ六角ぅ! 尾張に出たぞぉぉぉ!」

 

 8度の落ち武者狩り、2度の斎藤家の兵の襲撃に耐えきり織田家管轄区域に逃げ込むことに成功した

 

 左腕の消毒が間に合ったのか奇跡的に破傷風にならなくてすみましたが、消毒のために塩を傷口に塗り込み、1回沸騰させ、更に塩を少量入れて包帯の代用とした布の消毒を繰り返したお陰だと思います。

 

 無茶苦茶痛かったのですが、死ぬよりはマシです

 

 ……砂糖が安く手にはいればなぁ……アルコール消毒用の蒸留酒生きて帰ったら作らないと

 

 しかし梅さん逞しくなったな

 

 11歳だから息子や娘達から3つしか変わらないのに

 

 ……ま、しかしまさか織田家の支配領域に入って直ぐに捕まるとは思わなかった

 

 まぁ私みたいな大男が市街地にヌッと現れたら怖いと思うけど、絡まれたチンピラを殴ったらそいつが信長の親衛隊構成員だったらしくなんか十数名の武士に囲まれた

 

 森とか人目につかない場所なら護衛も居るので戦うが、流石に街中で暴れる訳にもいかず私は素直にお縄につきました。

 

 

 

 

 

「大変です城主様!! 町で怪しい大男が暴れたから捕らえましたがその人物が三好家の者らしいのです!」

 

「は!?」

 

 城主前田利春は仰天した

 

 詳しく尋問に立ち会った部下に聞くと僧の格好をしていたため初めは分からなかったが、刀や証文、騒ぎの後に事情を誰かから聞き、津田から駆けつけて来た商人の旦那の面会後の本人証言で確定したため慌てて報告をしたらしい

 

「妙を三好名を優駿の三好元郎優駿様です、正五位下の官位もあり、付き添いしていた人物の中に尼の格好をした女子が三条家の養女も居られました」

 

「お会いした後、殿に直ぐ報告する! 無礼の無いように! よいな」

 

「は!」

 

 大変な事になったぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

「誠か利春!」

 

「は! 確認いたしたところ六角との敗戦後、少数で敵陣を突破、六角の追撃を振り切り美濃を抜け、津田の船場を使い堺経由で四国に戻ろうとしていた事がわかっております」

 

「……」

 

 重臣の方々は幕府と敵対している三好の者なのだから将軍の居られる六角に報告すべしと言うもの

 

 朝廷に近いため、何か有っては不味いため直ぐに解放して恩を売るべき等に別れた

 

 信長は静かにそれを聞き

 

「少し考える」

 

 と言って部屋から出ていってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

「石田、どう考える」

 

 転移者であった石田慎吾は知恵者として信長の筆頭書記という地位にいた

 

 妹達の活躍が目に留まり、そんな妹達の上は前田利家の側室に、下は乳兄弟の池田恒興の側室なり、本人の意思とは別に出世街道を進み、信長に真っ向から意見できる人物として周囲から見られていた

 

 そしてここ数年転移者と呼ばれる者が多数信長の配下か側室に加わっている

 

 俺の家の両親含めた家族5名、藤原光という元農大生の少女(両親と協力して来たときに持っていたという薩摩芋と馬鈴薯、小松菜、玉葱、砂糖黍の生産と自然に生えるしかなった椎茸、自然薯の栽培を数百年すっ飛ばしての確立)、元高級ホテル副料理長西村賢(信長の料理長)、元図書館司書の沙藤鞠(信長の子を産んだため側室入り)の計8名が信長に付き添う転移者達で、凄く同族に敏感だった

 

「殿、俺が会いに行って確かめてきます。個人的には将来を見越した友好が良いかと」

 

「……三好と幕府どちらに付くか決める判断にしたい。今家中は割れとるがな、不用意に上洛も他国に進行もできんがにゃー……石田、おみゃさんが見極め話せる相手なら出来りゃ会いたい」

 

「分かりました。最善を尽くします」

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