皆さまこんちは四郎坊こと三好(元郎)優駿です。
えー、政治基盤の話ですねはい。
店を開いたのは言いましたので次は動ぶtu……
「何をブツブツ言っているのですか? 旦那様、管領様より書でございます」
大魔王晴元様は私以外は管領様(まぁ実際には管領並の権力を持った人でしかないのですが)と呼ばれてます。
政治基盤の話はまた今度ですね。
それよりも私の奴隷1号こと同じ年で元商人の父親を持ち、私の秘書をしている鈴川千代吉(元服後は鈴川千秋)君から渡された晴元様の書の方が優先です。
なになに……
「……うわぁマジかぁ……」
「何が書いてあったのですか?」
「解任だってよ。物資の売買係解任された」
大魔王様は軍資金と兵糧以外はあんまり気にしないから私の手腕で上記の2つを注意しながら多少の役得を得ていたし、これが商人達への信頼を与えていたんだけどなぁ……解任されたなら仕方ない。
後任は……あぁ、こいつか。
こいつが私が不正してると大魔王晴元様に垂れ込んだな。
もっとも証拠を残すような凡骨じゃないから晴元様も即処刑までいかなかったと思うけど……
(実際晴元様はただ単純に物資の売買よりも内政及び外交手腕を評価して寺社奉行に就任させ、周辺の寺社がらみの一揆を対応させたいという理由だったのだが……)
「旦那様、2ヵ月で結局元の役職も兼任する事になりましたね」
「あの馬鹿達じゃ無理だろ。鈴川達みたいな元商人出の奴等なら出きるだろうが……」
「普通の武家には居ませんからね私達みたいなのは」
馬鹿ではなく馬鹿達なのは2ヵ月で3人物資の売買係の代表が大魔王様に斬られたからです。
1人目は私よりも買値が高く、それを次に物資の売買係に就任する奴が大魔王様にチクって1人目が中抜きをしている疑惑をかけられ、大魔王様の信頼を取り戻そうと焦って商人との交渉中にまけろまけろとしつこく言って、遂には商人に斬りつけたため、逆に自身の首が文字通り飛んだ
2人目は1ヵ月はもったがこいつ計算が苦手だったので部下にほぼ丸投げしてその部下が物資売買用の大金を持って逃げ出し、その責任を大魔王様に攻められ、さらし首にされた。
あ、ちなみに逃げたした2人目の部下は逃げ切りました。
ので警備責任者の首もさらし首にされ、この役職も自分が兼任するはめになりましたがね。
3人目が一番凡骨で一時期一揆鎮圧のための兵達への兵糧が必要量に届かないということをやりやがった。
こいつは斬られる事も許されず一族火炙りの刑でしたね。
助けることも考えましたが大魔王様が満面の笑みをしながら火炙りを言いつけていたので、優しさを捨て私は油の用意を進めました。
焼死体の家族の処理を命令され、私は本願寺に供養を依頼しました。
本願寺……私の父親の直接的な仇であり、大魔王晴元様に振り回され続けた武装宗教勢力の総本山
現在は幕府との関係強化と一向一揆を制御できなかった反動で、極端な平和主義に全力疾走している(この平和主義により三好が政権を確立できた一因でもある)
最初、私と護衛として仲の良い奴隷5人と一緒にが本願寺を伺った時、大魔王晴元様の書状と三好の家紋が入った脇差をゴッツイ僧兵の門番が見ると慌てて門を開け、外交担当だった坊さんとのやり取りが本願寺との最初のコンタクトでした。
その後供養が終わった後も大坂本願寺に奴隷を連れて勉強させてもらった。
本願寺は戦国時代でほぼ唯一弱者救済をしっかりしていた宗教で、近くの比叡山延暦寺は暴利で金貸し、他宗教の村を僧兵で襲撃、自宗教の村にも献金をせかすとやりたい放題で後に信長に焼き討ちされた時は貴族と他宗教、近くの村では喜ばれた事からどれだけ暴れていたかわかるだろう。
逆に本願寺は弱者救済をしっかりしていたため、信長を十数年苦しめるほどの勢力を保てたのだと私は考えている。
上がしっかりしていれば門徒は自然についてくるから……
「旦那様?」
「悪い悪い、また本願寺に行こうかと考えていた」
「本当ですか!! そしたら他の皆も呼んできますね!!」
「あぁ、ちょっと待て、今行くとは一言も……行ってしまったか」
……それよりも記憶が確かならばそろそろ対晴元様の反乱が数年間連続発生するんだよな。
晴元様の様子も最近おかしくなり始めたし……
「若干精神錯乱おこしているっぽいんだよなぁ」
逃げの準備をした方が良いな。
行くとしたら……西だな。
東は天文の乱と武田、今川、北条がぶつかっていて危ないからな。
ん? ……武田?
そういえば最近武田の人が上京していたような……