魔族と人間が共存する世界に何をなせるか?(仮タイトル)   作:ローファイト

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とりあえずご意見いただければ助かります。
タイトルも仮、いろんなものが仮作品です。
設定自体は2年前のもの、作成したのは1年前


①北から来た男

魔族と人間が共存する世界。

魔法や魔術が存在する世界。

人間と魔族が共存し発展してきた世界。

 

世界には魔族が治める国が存在し、その中でも真祖と呼ばれる強力な魔族、吸血鬼の王が収める3つの大きな国が存在する。

第一真祖【忘却の戦王(ロストウォーロード)】が治める東欧に位置する戦王領域。

第二真祖【滅びの瞳(フォーゲイザー)】が治める中東に位置する滅びの王朝。

第三真祖【混沌の皇女(ケイオスブライド)】が治める中央アメリカに位置する混沌領域。

 

そして、日本における小笠原より南方の人工島の、魔族と人間が住まう魔族特区絃神島に、存在しないとされる第四真祖が現れる。

 

この世界のバランスは徐々に壊れて行き、滅びの道へと進みつつあった。

それを止める事が出来るのは、存在しないはずの吸血鬼の王、第四真祖だと。

 

 

 

 

 

そんな絃神島にとある男が現れる……

 

 

 

 

 

「今日からこのクラスの副担任になるのが彼だ。要するにだ。私の使いっ走りだ」

 

クラスの担任教師からそんな紹介され、壇上に立ったこの若者は、デレデレとだらしない笑顔をさらし、教師にあるまじき自己紹介をする。

 

「ボク、横島忠夫21歳!!彼女は常時募集中!!女の子の個人レッスンは、いつでもウエルカム!!放課後は喫茶店でお茶しながらでもどう!?」

 

「ほうっ、貴様。使いっ走りの分際で、着任早々に私の目の前で公然と生徒をナンパするとはいい度胸だ」

漆黒のゴシックロリータ調の服を着こなし、小学生中学年ぐらいに見える美幼女。いや、このクラスの担任、南宮那月自称26歳は、その容姿とは異なりクールなまなざしで、そのアホな自己紹介をする新任教師を睨み付け、苛立ちをあらわに手にもつ扇をピシピシと鳴らしていた。

 

「あは、あはははっ!ほんの冗談、冗談っすよ!なつきちゃん先生!」

 

「ほう貴様、まだわかってないようだな。今日会ったばかりの上司に向かって、名前呼びの上に子ども扱いかいか……貴様には後程、どのようなペナルティーを与えてやろうか?」

南宮那月は横島というこの新任らしからぬ態度をとる部下の額に、鳴らしていた扇をピタッとあてがい上目遣いで凄んでいた。当然だが南宮那月は相当ご立腹の様だ。

 

生徒は担任と新任の副担任のそのやり取りに、苦笑するしかなかった。

窓際に座る眠たげな眼をした男子生徒、暁古城は欠伸をしつつも、そのやり取りを楽し気に見聞していた。

 

私立彩海学園高等部1年B組。5月初旬、とある日の朝のホームルーム風景だった。

 

 

 

その後の休み時間。

 

「古城、なんか変な先生が来たわね。しかも見た目は私達とそう変わらないわよ」

金髪に髪を染め見た目派手な美少女、藍羽浅葱は、机にダルそうにうつ伏せてる幼馴染の暁古城に声を掛ける。

 

「確かにな。しかしだ。なつきちゃんをああも怒らせるなんて、アレだ」

古城は体を起こしながら浅葱に同意する。

 

「そうだな。ぷっ、あの新任教師、放課後に説教のフルコースだな」

同じく古城と浅葱の幼馴染である、茶髪にいつもヘッドホンを肩にかけてる矢瀬基樹は、思い出し笑いをしながら、その話に入ってくる。

 

「いきなりナンパだからな。しかも、なつきちゃんを子ども扱いだぞ」

古城も、ニヤつきながら矢瀬基樹に同意した。

 

「あんたもね。…それにしても、こんな時期に急な赴任って、しかも副担任なんて、変ね」

浅葱がそう言うのももっともな話だ。すでに新学期が始まって1か月が経っていたのだ。

 

「まあそうだな。しかし、副担任ってのは妥当じゃないか?あの新任教師に、いきなり担任をやらせるのはどう見ても無理だろ。それの配慮じゃないか?」

 

「という事はだな。要するに、なつきちゃんがあのナンパ新任教師の教育係ってことか。それに数学の稲島先生が休職して、化学の田中先生がしばらく代役してただろ。それのかわりってことだろ?」

 

「まあ、この絃神島でこの学校に教師として赴任してくるぐらいだから、訳ありなんだろうけどな」

基樹はそう言って、アホな言動を繰り返していた新任教師がさっきまで立っていた壇上を見据える。

 

 

絃神島。魔族と人間が共存する特殊な環境のこの島は、東京から南方330㎞に位置する人工島。日本から魔族特区に指定されたのが、南海の孤島のこの島である。

この世界では、魔法や魔術が普通に存在し、魔族と人間が共存していた。

数こそ人間の方が多いが、身体能力は圧倒的に魔族が勝る。そして、世界には大きく魔族が支配する国家が3つ存在する。世界最強の吸血鬼が支配する国だ。魔族と人間はお互いの存在を認めてはいるが、両者にとって別種の生き物でしかない。ただそれでも、この世界は共存する道を進んでいた。

 

そして、暁古城は4か月前、とある事件にて、人間から吸血鬼へと変貌してしまった。

存在するはずがない第四真祖(四番目の吸血鬼の王)として……

 

 

 

 

授業を終えた古城は一人、帰宅のために校門に差し掛かると。

「先輩、では行きましょうか」

 

「姫柊。やっぱ、毎日ついて来るつもりか?」

 

「当然です。私の仕事は暁先輩を、第四真祖を監視することなのですから」

 

「はぁ、勘弁してくれ。ただでさえ、お前といることで変な噂が流れるんだ」

そう、姫柊という少女は中学三年生で、しかもかなりの美少女ときた。それが突如として、暁古城と登下校を共にするようになったのだ。それをやっかむ者や、面白がって噂を立てる者は後をたたない。

 

彼女は暁古城が第四真祖に変貌したという事実を知る、数少ない人物の一人だった。

 

第四真祖に変貌してしまった暁古城ではあったが、魔族の王になるつもりはさらさらない。

ただ、平和な日常を過ごしたいだけだった。

吸血鬼に変貌したことを隠し、そして、このまま日常が過ぎていけばいいと、考えていた。

 

だが、時代が彼をそうはさせてくれなかった。

獅子王機関、魔導災害や魔族の監視などを行う政府機関。

獅子王機関に暁古城は第四真祖だという事を知られる。

第四真祖を危険視する獅子王機関は、第四真祖の監視を行うため、暁古城の元に適任者を送る。

古城はそうして獅子王機関から派遣された一つ下の美少女、姫柊雪菜に四六時中監視されることになったのだ。

姫柊雪菜は古城が住むマンションの隣に居を構え、彩海学園中等部、古城の妹暁凪沙のクラスに転入し、ほぼ、四六時中古城の監視を行っていた。

この姫柊雪菜、ただの女子中学生ではない。身寄りのない雪菜は、獅子王機関の下部組織、高神の杜で、幼少の頃から攻魔師として育てられた剣巫(ケンナギ)であった。

退魔術から近接格闘術まで習得し、高い戦闘力を誇っていた。

 

そして、二人は一週間前、ある大きな事件に巻き込まれ、古城は第四真祖の膨大な力をうまくコントロールすることができなかったが、雪菜の協力の元、力の一部を解き放ち、雪菜と共に事件に終止符を打つ。そして絃神島創成の闇を見ることになった。

 

それは、事件の一旦でしかない。この世界の絶妙に保っていたバランスは傾きかけていたのだ。

 

 

この世界には重大な秘密がある。

世界の住人は知らない。この世界の成り立ちを。そして過去を……

魔族は元の世界で言う。妖怪妖魔に属する存在だった事も。

 

 

 

その頃、学園の旧校舎では。

「ほほう、まだまだいけそうだな。意外と手際がいいな」

 

「何でこんな目に!!シゴキだ!!職権乱用だ!!」

横島は南宮那月に、この学園にある古い書庫の片づけをさせられていた。しばらく使っておらず、本は乱雑に山積みになっており、それを本棚に入れる作業だ。

 

「貴様が生徒にナンパまがいな自己紹介などするからだ。その罰だ」

 

「ただの、挨拶じゃないっすか―――なつきちゃん!」

 

バシ!バシ!

 

「上司を子ども扱いするなと何度言ったら分かる!!」

那月は手に持った扇を折りたたんで横島の頭を叩く。

 

「しくしく、今日は引っ越しなんすよ。今日の朝、飛行機でこの島に来たばっかしなのにーー、なつきちゃん先生~」

 

横島は涙をちょちょ切らせながら、手を止めず書庫を片付けていく。この手の作業は手慣れたもので、テキパキと作業が進み、まるでゴミ屋敷のような様相だったこの書庫は、短時間で嘗ての様相に戻っていく。

 

「貴様は!また!…まあいい。性格はアレだが、丁稚や使い走りには使えそうだな」

那月は片付いて行く書庫を見て、満足そうに頷き、そんな事を言っていた。

 

「しくしく、こんなんばっかしーーーー!!」

 

 

横島忠夫、彼はこの世界の住人ではない。

しかし、彼はかつての友人に請われ、この世界に来たのだ。

彼は、かつて英雄ともよばれ。そして世界創生以来、最大の禁忌をおかした天界の罪人。

運命に逆らいし咎人であった。




という感じです。

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