魔族と人間が共存する世界に何をなせるか?(仮タイトル)   作:ローファイト

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⑤獣王の使者編1

暁古城は、とある豪華客船の客として呼ばれていた。

何故か姫柊雪菜も一緒にだ。

 

 

「ようこそ我が客船オシアナス・グレーブへ。第四真祖、いや暁古城、歓迎するよ」

2人を呼んだのはこの豪華客船の主、ディミトリエ・ヴァトラー。戦王領域に自国領を持つ、第一真祖の血族の有力な臣下だ。

同族を食い力を得た戦闘狂であり、その力は真祖に一番近いと目されている。

 

「俺に何の用事だ?」

 

「そう、警戒しないでくれ。獅子王機関の剣巫の君も…君たちをどうこうするつもりは無いよ。ただアブローラ(前の第四真祖の女性)の血を受け継いだ君に会いたかったのさ」

不敵な笑みを湛えながら、豪華客船の船内を案内するバトラー。

バトラーの今回の目的は本当に、ただ単に現第四真祖である古城に会いたかっただけだった。

バトラーは確かに古城に会いたかったという事もあったが、真の目的は別にあり、わざわざ東欧の戦王領域にある自国領アルデアル公国から船で絃神島に来訪したのだった。

 

古城と雪菜はそこで、もう一人の人物と出会う。

煌坂紗矢華。

女子高のブレザー姿の長身ポニーテールの美少女は、雪菜と同様キーボードケースのような物を背負っていた。

彼女も獅子王機関の舞威媛(呪詛や暗殺専門の功魔師)だった。

雪菜の元ルームメイトであり、その戦闘力は雪菜よりも上だという。

ここに居た理由は、獅子王機関の命令でバトラーの監視役を担っていたのだ。

その彼女だが、男嫌いな上にシスコンの気があるようで、雪菜が監視役をしている古城に対し、出会ったばかりではあるが敵意むき出しだった。

 

 

 

この様子を横島は上空から眺めていた。

「さっそく、トラブルに巻き込まれてるんじゃないか?暁古城……ディミトリエ・バトラーか…ピートの孫らしいがまったく言う事を聞かないらしいな。しかもトラブルメーカーときたもんだ。日本にこいつが来ること知ってて、俺にこいつの情報をしらせたのか、……イケメンだな!……ピートって確か奥さんが20人ぐらい居るって言ってた!?うーーらーーやーーまーーーしーーーいっ!!うらやまし過ぎる!!嫉妬で呪ってやろうか!」

横島は血の涙を流していた。

 

「……それにしても、あのポニーテールの子!!着やせするタイプだ!隠しているが88のEだ!!着替えとかしないかな!?……ふぅ、獅子王機関ってのはあんな女の子をこんな危険な奴の所に派遣するのか?くそったれだな……まあこの様子だと今日は大丈夫だろ。凪沙ちゃんにアリスを預けてるし、とっとと帰るか」

横島はそう言って、夜空を一飛びで帰宅する。

 

 

 

 

 

翌日の学校では……

 

「あの~、なんで、す巻きになって吊るされてるんすか俺は?」

横島は何故か、那月の学園でのプライベートルームの天井から、芋虫のように吊るされていた。

1時限目の数学授業を終えた横島は、アスタルテに無理やり連れていかれ、訳が分からないうちにす巻きにされ、こんな状態になっていたのだ。

 

「ふん、貴様には死をもって償ってもらう」

那月は鋭い目つきで、扇で横島を指す。

 

「じょ、冗談きついなーー、なつきちゃん」

 

「貴様!わ……わ……わ」

那月は何故か徐々に顔を赤くしていく。

 

「わ?」

 

「わ、私のパンツを返せ!!」

真っ赤になった顔で、那月はこんな事を横島に言った。

 

「ええーーーー!?ちょっと待って、なつきちゃん!!流石に妹と年恰好が同じなつきちゃんのパンツとか取らないし!冤罪だ!!」

確かにこの横島という男はロリコンではない。中学生以下には興味がわかないのだ。

横島にとって全く身の覚えが無い事だった。

 

「何!?だったら貴様!!大人の女性のパンツは取るのか!!」

 

「………い、いえ……これでもきょ、教師なんで取らないことも、あることもないです」

横島はしどろもどろになる。この男、過去に女性のパンツを獲った経験があるのだ。しかもバイト先の上司の。

 

「貴様ーーー!!私は26歳で立派な大人だ!!パンツを盗んだのは貴様しかいない!!私の部屋に昨日入ったのは貴様だけだ!!」

 

「だから、俺はロリコンじゃないっすよ。なつきちゃん。クマさんパンツとかウサギさんパンツとか見ても何もかんじないっすよ~!!」

横島は自分がロリコンじゃない事を例えで訴えたつもりだったのだが……

 

「き、きききききき貴様ーーーーーー!!なぜそれを知ってるーーーー!!やはり貴様だったか!!」

 

「へ?なつきちゃん。26歳なのにクマさんとかウサギさんパンツ履いてるの?」

どうやら、南宮那月26歳はクマさんやウサギさんパンツを愛用していたようだ。

 

「わわわ悪いか!!私が貴様に手を上げない内に早く返せ!!」

 

「悪くはないけど……うちの妹と同じっすよそれ」

 

「貴様ーーーー!!死をもって償え!!」

那月は顔を真っ赤にして、那月の周囲の何もない空間に術式陣を展開させ、鎖分銅をす巻きになった横島に対し、飛ばしたのだ。

 

「ひ、ひえーーーー!!お助けーーーー!!」

 

 

そこにメイド姿のアスタルテが奥の部屋から出てきて、そんな状況にも興味がないような無表情で、那月に報告する。

「マスター・古くなったクマさん・ウサギさん・ゾウさんパンツの修繕を完了いたしました」

 

その手には、フリルの付いたおしり部分に、動物の可愛らしい絵柄がプリントされた白いパンツ3枚を持っていた。

 

 

「そうか、アスタルテご苦労……厳重にしまっておいてくれ」

那月は真っ赤だった顔が普段のツンとした表情に戻り、アスタルテに労う。

空間から飛び出した鎖分銅は横島の手前で消え去る。

 

「アクセプト」

アスタルテはそう言って、この部屋の洗面所へと静かに向かう。

どうやらパンツは盗まれたわけではなく、アスタルテが修繕していたようだ。

 

「……なつきちゃん…この落とし前どうつけてもらおうか~~ああん!?」

横島は何時の間にか自分をす巻きに拘束していた縄を解いて、那月に対して手の平を返したように高圧的な態度を取る。

この男、場が有利となるとすぐにこんな態度を取る。

 

「ふん、悪かったな」

那月に悪びれた風はない。

 

「人を散々ロリコン扱いして!パンツ泥棒の濡れ衣を!!……いいんだ。そんな態度を取って……クラスの連中に言いふらしてやる!!なつきちゃんのパンツはクマさんパンツとウサギさんパンツとゾウさんパンツだって!!ふはははははっ!!」

横島は下衆な笑みを浮かべ、こんな事を言い出した。

 

「き、貴様!!卑怯だぞ!!」

 

そこに電話が鳴り、アスタルテが那月にスマホを渡す。

「…………わかった」

那月は電話を取り、相手に何かの了承をする。

 

「私は出かけないといけなくなった。貴様と遊んでいる暇はない。………パンツの件、生徒に言いふらしたら、後でどうなるかわかってるだろうな?」

 

「ちょ、なつきちゃん!!逃げるつもりか!!」

 

「アスタルテ、留守は任せた」

那月はそう言って奥の部屋に消えるとともに、気配も消えた。

 

(瞬間移動?いや空間転移か?)

横島はその気配を読み取り、那月が既にここかから消えた事を察知していた。

 

 

横島は那月の部屋を出た後、札を取り出し、鳥の姿をした式神に変化させ、外の空に放つ。

横島は那月の居場所を突き止めるため式神を放ったのだ。

(なんか、厄介ごとの予感がするな)

 

 

横島は4時限目の授業を終えた後、那月の居場所を式神が察知したため、昼休みに学校を抜け出し、様子を伺いに向かった。

 

そこでは、銃を使った戦闘が繰り広げられたいた。

獣人の姿をした魔族と、防弾服を着用している一団が港で対峙していたのだ。

所々聞こえてくる会話から、魔族側がテロリストらしい事と、防弾服を着用した一団はこの島の防衛を担ってる兵隊や、対魔族特殊部隊だということを横島は把握。

その対魔族特殊部隊の指揮を、那月が後方で取っていたのだ。

 

横島は凡そ高度1万キロメートル上空からその様子を見ていた。

(なんだこりゃ?この島では日常的にこんな事が起こってるのか?防弾服の一団もなつきちゃんも手慣れたようだし……はぁ、厄介だな)

 

 

 

 

 

 

 

学園では昼休みの終わり頃、暁古城は何故か煌坂紗矢華と屋上で対峙していた。

「雪菜だけじゃなく、他の女とも……第四真祖暁古城!!女の敵!!」

 

「なんであんたが学園にいるんだ?何を言ってるか意味がわからん?」

 

「雪菜が監視役だからと良いことに!!汚らわしいその手で雪菜を毒牙に!!しかも、他の女にまで!!許さないわ暁古城!!私の可愛い雪菜のために今ここで死んで!!」

紗矢華は背負ってるキーボードケースから剣型の武器を手にする。

六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)“煌華鱗(こうかりん)”という可変型武器、近接では剣、遠距離では弓形状に変形する強力な武器だ。

シスコンを高レベルで患っている紗矢華は雪菜が心配で、早朝から雪菜と古城の様子を監視していたのだ。

そこで出した結論がこれだった。

完全に紗矢華の思い込みだった。

 

「いや、何言ってるんだ?」

 

「問答無用!!」

紗矢華は古城に、煌華鱗を手に切りかかる。

 

「うわっ、あぶね。おい!!今、本気で殺そうとしただろ!!」

古城はギリギリのところでその攻撃をかわす。

 

「当り前じゃない!!殺そうとしたんだから!!雪菜の為に大人しく死になさい第四真祖!!」

 

「まじか?頭おかしいんじゃないか!?ぐわっ!!まて、レグルスアウレム!!」

紗矢華の鋭い剣撃に、古城の防衛本能に反応し、獅子の眷獣レグルスアウルムが飛び出し、激しい電撃を放ちながら紗矢華に襲い掛かる。

レグルスアウルムは主人である古城の危機を察知し、現れたのだが、古城の言う事を全く聞かず、暴走状態となっていた。

 

「本性を現したわね!!第四真祖!!」

紗矢華は煌華鱗でレグルスアウルムなんとか押さえつけるが、レグルスアウルムはより一層、力を解放し、電撃をまき散らしていた。

その衝撃は勿論学校にも被害が拡大し、窓ガラス等が割れる。

 

丁度、古城を探していた幼馴染の藍羽浅葱が屋上に訪れるが、電撃の衝撃余波に当てられて吹き飛び、気絶。

 

異変を察知した、雪菜が霊槍雪霞狼を携え屋上に飛び込み、魔力無効化術式を展開しレグルスアウルムに打ち込み、暴走を抑えたのだ。

 

 

「二人とも何をやっていたんですか?一つ間違えば、学校の人たちも怪我をしてましたよ」

雪菜は、古城と紗矢華に屋上の床に正座をさせ、説教を始める。

 

気絶した浅葱は、同じく駆けつけたアスタルテによって保健室に運ばれた。

外傷はなく、気を失っただけの様だ。

 

「こいつが悪いのよ!!雪菜にくっ付いたり、他の女に手をだしたり!!」

「はぁ?いつ俺がそんな事をやった?お前の妄想だ!」

古城と紗矢華は言い争う。

 

「2人とも反省してください!」

雪菜は二人にぴしゃりとそう言って、半壊した屋上を出て行く。

雪菜は気絶した浅葱の元へ、保健室へと向かった。

 

 

「あんたが悪いのよ。雪菜に怒られたじゃない」

「そもそも、お前が襲ってくるのが悪い」

「だって、雪菜が男の傍なんて……」

「シスコンかよ」

「こっちに近づかないでよ!変態!」

「はぁ?何もしてないだろ?」

「今、1cm近づいた!」

「はぁ、なんなんだ?勘弁してくれ……ところで俺達は何時まで正座してればいいんだ?」

「雪菜が良いって言うまでじゃない?」

「………はぁ」

古城は盛大にため息を吐く

紗矢華との相性は最悪の様だ。

 

 

横島は学校の方で、古城の眷獣が暴走したことを察知し、急遽戻ったのだが、既に雪菜が収めていた。

 

「次から次へと……暁古城は全く眷獣を扱えていないってことか。ピートの言う通り、これじゃいざと言う時にやばいかもな。まだ雪菜ちゃんがいるから良いものの。どうするべきか……」

 

横島は、上空から正座をする古城と紗矢華を一瞥した後、抗争を広げてる港の方へ再び向かった。

 




やはり、人物相関図とか設定集みたいなのを載せた方が良さそうですよね。

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