やはり俺の青春ラブコメには期待できない   作:黒い柱

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こんにちは、黒い柱です。第三話ですとだけ言って初めてもよいのですが、それだけだとつまらないので、この前書きにコーナーを設けたいと思います。名付けてss 反省会です。登場キャラその話の反省点を言い合うだけですが、どうかよろしくお願いします。


比企谷八幡は更正しない

 自信ありげに比企谷が答える。

「文芸部か」

 

「へぇ……。その心は?」

 

「特殊な環境、特別な機器を必要とせず、人数がいなくても廃部にならない。つまり、部費なんて必要としない部活だ。加えて、あんたは本を読んでいた。答えは最初から示されていたのさ」

 

 俺はここで口を挟む。

 

「なぁ、比企谷。ドヤ顔で推理したようだが、それは違うと思うぞ」

 

「じゃあ、お前の答えは?」

 

 俺は雪ノ下に向き直る。

 

「俺が考えるに、奉仕活動部、略して奉仕部じゃないのか? この部は」

 

 そう言うと、雪ノ下は少し驚いたような顔をした。

 

「驚いた……。なんで分かったの?」

 

「基本は比企谷の推理と同じだが、俺と比企谷が平塚先生にこの部に連れてこられたのは、罰として奉仕活動をするためだ。だとしたら、文芸部なのに奉仕活動をするというのはどこか違和感を感じてな。まあ、お前が絶対に当たらないだろうと思うような表情だったから、普通の学校にないような部活だとも思ったが」

 

 雪ノ下は軽く拍手して答える。

 

「その通り。持つ者が持たざる者に慈悲の心をもってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶ。途上国にはODAをホームレスには炊き出しを。モテない男子には女子との会話を。困っている人には救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動よ」

 

 雪ノ下は立ち上がる。

 

「ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ」

 

 あまり歓迎されてないように感じたのは俺だけだろうか。

 

「平塚先生曰く、優れた人間は憐れな者を救う義務がある、のだそうよ。頼まれた以上、約束は果たすわ。あなたたちの問題を矯正してあげる。感謝なさい」

 

「こんのアマ……」

 

 口が悪いぞ。比企谷。

 

「……俺はな、自分で言うのもなんだが、そこそこ優秀なんだぞ? 実力テスト文系コース国語学年三位! 顔だっていい方だ! 友達と彼女がいないことを除けば基本高スペックなんだ!」

 

「その辺にしとけ、比企谷。お前の態度は雑魚キャラのそれだ」

 

「お前はどうなんだよ?」

 

「俺か? 俺は雪ノ下には及ばないが、全教科五番内には入っている。まあ、俺も友達と彼女はいないけどな」

 

 雪ノ下は冷たい微笑みで俺たちを眺める。

 

「私が考えるに、あなたたちが独りぼっちなのってその腐った感性ややる気のなさが原因みたいね。まずは居場所のないあなたたちに居場所を作ってあげましょう。知ってる? 居場所があるだけで星となって燃え尽きるような悲惨な最後から逃れられるのよ?」

 

 腐った感性は比企谷、やる気のなさは俺に当てはまるのだろう。

 

「『よだかの星』かよ。マニアック過ぎるだろ」

 

 よだかの星? 何それ? 案外、国語三位は伊達にないかもしれない。

 

「意外だわ。宮沢賢治なんて普通以下の男子高校生が読むとは思わなかった」

 

「今、さらりと劣等扱いしたな?」

 

「ごめんなさい。言い過ぎたわ。普通未満というのが正しいわね」

 

 俺も小さく笑って答える。

 

「悪化してんじゃん。まあ、俺も読んでなかったけどな」

 

「三位風情でいい気になっている時点で程度が低いわ。だいたい一科目の試験ごときで頭脳の明晰さを立証しようという考えがもう低能ね」

 

 言うなあ。そう思いながら雪ノ下を見る。

 

「でも、『よだかの星』はあなたたちにお似合いよね。よだかの容姿とか」

 

「いや、俺読んでないから、そんな風にブスだと言われても分からねぇよ」

 

 比企谷は不満げに異議を申し立てる。

 

「それは俺の顔面が不自由だと言っているのか……」

 

「そんなこと言えないわ。真実は時に人を傷つけるから……」

 

「ほぼ言ってるじゃねぇか……」

 

 本当にひどい言い様だ。しかも、俺にまでダメージがくる。

 

「その辺にしとけ。比企谷だけならまだいいが、俺にまでダメージがくる」

 

「そうよね。でも、成績や顔のような表層的な部分に自信を持っているところが気に入らないわ。あと、その腐った目も」

 

「もう目のことはいいだろ!」

 

「そうね、今さら言ってもどうしようもないものね」

 

「そろそろ俺の両親に謝れよ」 

 

 雪ノ下は反省したかのような表情になる。

 

「確かに、ひどいことを言ってしまったわ。つらいのはきっとご両親でしょうに」

 

「もういい、俺が悪かった。いや、俺の顔が悪かった」

 

 比企谷はほとんど目を潤ませている。男子泣かすとかヤバいなこの人。

 

「さて、これで人との会話シミュレーションは完了ね。私のような女の子と会話できたら、たいていの人間と会話できるはずよ」

 

「いや、このシミュレーション、最初からハード過ぎるだろ」

 

 雪ノ下は満足したように微笑む。

 

「これからはこの素敵な思い出を胸に一人でも生きていけるわね」

 

「解決法が斜め上過ぎるだろ……」

 

「でも、それじゃあ先生の依頼を解決できていないわね……。もっと根本的なところからどうにかしないと。例えばあなたが学校をやめるとか」

 

「それは解決じゃない。臭いものに蓋理論だ」

 

「あら、臭いものだっていう自覚はあるのね」

 

「ああ、鼻つまみ者だけにな、ってやかましいわ!」

 

「比企谷、全然うまくないぞ、それ……」

 

 一応言っておく。雪ノ下はすごい表情で比企谷を睨み付けている。

 

 その静寂を破るように、ドアが開かれた。

 

「雪ノ下。邪魔するぞ」

 

「ノックを……」

 

「悪い悪い。まあ、気にせずに続けてくれ。様子を見に寄っただけだからな」

 

 そして、俺たち三人を見る。

 

「仲が良さそうで結構なことだ」

 

 俺には仲が良さそうには思えない。

 

「比企谷は根性の更正と腐った目の矯正に、南野はやる気とコミュニケーション能力の向上に努めたまえ。それではな」

 

「ちょっと待ってくださいよ!」

 

 比企谷が平塚先生を引き留める。が、その腕は捻られている。本当、容赦ないな、この人。

 

「なんですか更正って。俺が非行少年みたいじゃないですか。だいたいここ、なんなんすか」

 

「雪ノ下は君たちには説明してなかったか。この部の端的な目的は自己変革を促し、悩みを解決することだ。私は改革が必要な生徒をここに導くことにしている。精神と時の部屋だと思ってもらえばいい」

 

 なにやら小声で食い下がった比企谷は平塚先生に睨まれている。その様子に雪ノ下はため息をついた。

 

「雪ノ下、どうやら比企谷の更正には苦戦しているようだな」

 

「本人が問題点を自覚してないせいです」

 

 雪ノ下は冷静に答える。

 

「あの……さっきから更正だの変革だの改革だの好き勝手に盛り上がってくれてますが、別に求めてないんですけど……」

 

「何言っているの? あなたは変わらないと社会的にまずいレベルよ? 傍から見ればあなたの人間性は他人に比べて著しく劣っているのだと思うのだけど。そんな自分を変えたいと思わないの? 向上心が皆無なのかしら」

 

 雪ノ下の毒舌の鋭さがさらに増したような気がする。これ以上、言われるのはこちらまで心が痛くなる。

 

「比企谷、向上心も人間性もお前がこの先どうにかすればいい。とりあえず、この場は従っておかないか? 一応、お前の言い分も聞いてやるけど」

 

 そう言うと、比企谷は怒ったように言った。

 

「変わるっていうのは現状から逃げるために変わるんだろうが。逃げてるのはどっちだよ。本当に逃げていないならそこで踏ん張るんだよ。どうして今や過去の自分を肯定してやれないんだよ」

 

「……それじゃあ悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない」

 

 雪ノ下の目がめちゃくちゃ怖い。そんな険悪な空気を和らげたのは平塚先生の声だった。

 

「三人とも落ち着きたまえ」

 

 俺は三人の中では一番落ち着いているつもりだったが。

 

「面白いことになってきたな。私はこんな展開が大好きなんだ。ジャンプっぽくていいじゃないか。こういうときは勝負で雌雄を決するのが少年マンガの習わしだ」

 

 俺はため息をつくが、先生は構うことなく、続ける。

 

「これから君たちの下に悩める子羊を導く。彼らを君たちなりに救ってみたまえ。そしてお互いの正しさを証明するがいい。どちらが人に奉仕できるか!? ガンダムファイト・レディ・ゴー!!」

 

「嫌です」

 

 雪ノ下がすぐさま答える。というか、例えが古いな。

 

「先生、年甲斐もなくはしゃぐのはやめてください。ひどくみっともないです」

 

 その雪ノ下の冷静な言葉に先生は一瞬恥ずかしそうになったが、取り繕うように咳払いした。

 

「とっ、とにかく! 自らの正義を証明するのは己の行動のみ! 勝負しろといったら勝負しろ。君たちに拒否権はない」

 

「横暴過ぎる……」

 

 比企谷の言葉は先生には聞こえなかったようだ。

 

「死力を尽くして戦うために、君たちにもメリットを用意しょう。勝った方が負けた方になんでも命令できる、というのはどうだ?」

 

「なんでもっ!?」

 

 恐らく変な期待をした比企谷が大きな声を出す。

 

「この男が相手だと貞操の危機を感じるのでお断りします」

 

「雪ノ下、こいつはそうかもしれないが、みんながそうとは限らないぞ」

 

 俺は声をかける。

 

「さしもの雪ノ下雪乃といえど恐れるものがあるのか……。そんなに勝つ自信がないのかね?」

 

 意地悪そうな表情で平塚先生が言うと、雪ノ下はむっとした表情になる。

 

「……いいでしょう。受けて立ちます。ついでにその男のことも処理して差し上げましょう」

 

 負けず嫌いなんだな、この人。

 

「決まりだな」

 

 ニヤリと平塚先生は笑う。

 

「あの……、俺の意思は?」

 

「君のにやけた表情を見れば聞くまでもあるまい」

 

 少し比企谷もうなだれる。ちなみに俺にも拒否権はないらしい。

 

「勝負の裁定は私が下す。基準は私の偏見と独断だ。あまり意識せず、頑張りたまえ」

 

 そう言い残して先生は去っていった。残されているのは、不機嫌そうな比企谷と雪ノ下、そして俺の三人だけである。この中で会話などあるはずもない。俺は鬱憤を吐き出すかのように、口の中の味のなくなってしまったガムを手に持った小さい紙に吐き出した。

 

 




黒い柱:こんにちは、作者の黒い柱です。まずはこのコーナーのゲストを呼びたいと思います。どうぞ~
南野薫:この話の主人公、南野薫です。よろしくお願いします。
比企谷八幡:原作の主人公の比企谷八幡です。って何だよ、これ
柱:聞いてなかった? しばらくこのコーナーで反省会を実施するっていうの
八幡:聞いてねぇな。つーか、さっさ帰らせろ。小町待ってんだぞ
柱:まあまあ。で、薫くん、なんか言いたいことがありそうだね
薫:ああ。まず、俺の出番が少なすぎる。途中から来た平塚先生より少ない
八幡:たしかに今回は少なかったな
柱:あーこのことに関してはこれから調整しておきますから、待っていてください
八幡:あとお前、pixivの方更新止まってるけど。さっさ書けや
柱:あー、ここハーメルンなんでpixivで投稿してる方のことに関してはなしで。それじゃさようなら~
八幡:強引に切り上げやがった、この人………
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