異世界に勇者召喚されたと思ったら、異世界の侵略から地球を守る戦隊ヒーローになった件について。   作:グレン×グレン

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ちなみに、この作品にもう一つの題名を付けるなら。



ありふれはハードすぎて好みじゃなかったから、自分好みに仕立て直してみた(クロスオーバー仕立て


となります。


プロローグ  異世界召喚される羽目になる朝の一幕

 墜落天渡(ついらくてん わたる)は、清栄学園二年A組の生徒である。

 

 まだ始業式が終わってから一週間もたっていないが、それでも彼はクラスで有名なタイプとなっていた。

 

「よ、墜落天。相変わらず硬ぇな」

 

「気にしなくてよいぞ、龍造寺。私はどうしてもこういう性分なのでな」

 

 クラスメイトである龍造寺猛(りゅうぞうじ たける)に返答すれば、その理由の一巻がわかるだろう。

 

 基本的に、若干古さを感じさせる口調で会話するのが彼だ。どことなく硬いその口調が、きわめて特徴的でもある。

 

 墜落天という名字も特徴的だ。どう考えても珍しい名字になるだろう。

 

 また、髪の色も灰色であり、日本人離れした外見もまた、特徴的だ。

 

 とはいえ、それでいじめにあうかとなればそうでもない。

 

 というより、彼は武勇伝の持ち主でもあるからだ。

 

 具体的には、絡んできた学内の不良を全員倒したのである。

 

 それも最小限のダメージで済むように、脳震盪を起こす程度で済ませるという大立ち回り。

 

 ケンカを売ればそれで終わる。そう確信させるだけの強さを、渡は示していた。

 

 それもそのはずである。

 

 墜落天渡は人間ではない。

 

 彼は、隔世遺伝で血に目覚めた堕天使である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 挨拶を交わしてから、渡はとりあえず朝の缶コーヒーを買いに自販機に向かっていた。

 

 そして、そこに先にいて牛乳を買っていた少年を見つける。

 

「おはよう、リチャード・西堂(せいどう)

 

「おはよう、墜落天渡」

 

 静かに答えるは、金髪をなびかせたハーフの少年。

 

 名前をリチャード・西堂。同じく二年A組の生徒である。

 

 成績は学年で五指に入り、運動神経も渡と同格を示す猛者だ。

 

 だがしかし、墜落天渡は堕天使である。

 

 聖書の教えに由来する、悪魔や天使と相対する三大勢力の一角である種族、それが堕天使だ。

 

 基本的に戦争に運座しているものが多く、半ば趣味的なものとして神器研究などに携わっているものがほとんどの組織だが、そんな彼らも戦力としてはそこそこ大きい。

 

 へたな妖怪や異形の集まりなら一蹴できるだけの力があり、しかしそれはほかの三大勢力も同等なので、にらみ合いが続いているのが現状だ。

 

 上層部はいっそのこと和平を結びたいとも思っているようだが、それは置いておく。

 

 そして、それはそれとして現状の敵対勢力に対する牽制と監視は必要でもあるのだ。

 

 そこに、渡と同等の身体能力を発揮するリチャードの本質が見える。

 

「……悪魔祓い(エクソシスト)と堕天使が同じ学び舎で学ぶとはな。世も末だ」

 

「なら監視しないでほしいね。ここは俺の母親の故郷だから選んだだけだし」

 

 皮肉に対して反論するリチャードに、渡は肩をすくめる。

 

 ……リチャード・西堂は、悪魔祓いの教育機関で学、14歳で悪魔祓いに就任したことのある天才である。

 

 すでに上級悪魔すら滅したことがある彼が、いきなり普通の学園の学び舎に通ったという事実に、堕天使たちは警戒を示した。

 

 現実問題、彼が学び舎として選んだ清栄学園が堕天使側の縄張りに近いことも重要だった。これは警戒心を浮かべても無理はない。

 

 そこで派遣されたのが、同じくこの近くを故郷としている渡だったのだ。

 

 それが、外見が目立ちすぎるという致命的失敗でいきなり悪目立ちしたのは失態だった。

 

 あの後報復されたときに、たまたま近くにいたリチャードが巻き込まれたときは思わず土下座をした者だ。

 

「言っておくが、私としても殺し合いは本意ではない。卒業まで異形がらみのごたごたを起さないでほしいものだ」

 

「こちらのセリフさ。もう少し悪目立ちしない人物を送れといっておくよ」

 

 静かに視線を躱しながら、2人はそのまま教室へと向かいー

 

「ねえねえ一ノ瀬君! ちょっとリボン変えてみたんだけど、どうかな?」

 

「え、えっと……。女の子のおしゃれは、ちょっとよくわからないかな……?」

 

 ―その光景に、渡はため息をついて額に手を当てた。

 

 リチャードも同情の視線を渡に向ける。

 

「行って来たらどうだ? 監視役の墜落天」

 

「ああ、行ってくる」

 

 リチャードにそう答えながら、渡は肩をすくめながらその光景に向かってずかずかと歩み寄る。

 

「……ゴメン、目を離したら一瞬で言っちゃったわ」

 

「首輪をつけてくれ、淀川」

 

 同じく頭痛をこらえる表情だった、クラスメイトの淀川八代(よどがわ やしろ)にそういいながら、渡は気弱そうな少年に言葉を投げかける少女の後頭部をつかみ―

 

「いい加減にしろ、宝幸(ほうこう)

 

「いだだだだ!? 痛いよ墜落天君!?」

 

 遠慮なく、アイアンクローを叩き込んだ。

 

「すまんな一ノ瀬。目を離したらこれだ」

 

「ああ、墜落天さん、いつもありがとうね……」

 

 渡の謝罪に反応する少年は、目の下の隈がくっきりと出ていた。

 

 その顔を見て、渡は眉をしかめる。

 

「また徹夜でゲームか。何度言っても治らんな、お前も」

 

「え、いや、これは最新作だったからだよ!? さすがに最近は一時には寝てるからね!?」

 

「充分遅いわ戯け」

 

 さらりと切り捨てながら、渡はため息をつく。

 

 目の前の少年である一ノ瀬朧は、優秀なのが原因で嫌がらせを受けやすい手合いである。

 

 とは言え、テストの成績は優秀ではあるがそこまでずば抜けているわけではない。

 

 6クラスはあるこの学年で、上位二ケタ台というそこそこ高いレベルだ。いじめを受けるほどのことではないのだが、それは朧の授業態度に問題がある。

 

 はっきり言って非生産型のオタクである朧は、勉強ができるのをいいことに毎日明け方まで勉強をして、授業中は寝ているようなものなのだ。

 

 それでは誰もがイラっと来るだろう。しかも、そこにさらに大打撃となるものがやってくる。

 

「大丈夫だよ一ノ瀬君! 一ノ瀬君はテストの成績は良いもん!!」

 

「少し黙るといいぞ、宝幸真白(ほうこう ましろ)

 

 隙あらば会話に参加しようとしてくる少女に、アイアンクローの出力を上げることにした渡。

 

 それでも強引に会話に入ろうとする美少女は、宝幸真白(ほうこう ましろ)

 

 学内でも五指に入る成績を発揮し、可憐な外見から学内での人気が抜群に高いマドンナ。

 

 しかしこの少女、どこで惚れたのか朧に好意をぜんりょくで叩きつけてくる。

 

 それも周りが見えてない……というか、気にしていない。故に全力でぶつかるだけぶつかって、それ以外のことを深く考えてないのだ。

 

 単刀直入に考えてみればわかることだろう。

 

 もしあなたが、授業を真面目に受けてないいい加減な態度なの胃成績だけは良い奴に、更に学園のアイドルが引っ付いているとなればどうなるか。

 

 ……必然的にイラつくだろう。

 

 それが原因でいじめを受けていた朧を見捨てられず、割って入ったのがこの付き合いの根幹である。

 

 とりあえず渡は徹底的に一ノ瀬の生活態度というか、学生の本文をどこかに投げ捨てた態度の強制を試みているのだ。そうでなければヘイトが下がらない。

 

 そして真白には「周りをよく見ろ」といい、「意味が分からないうちは一ノ瀬に近づくな」とも言っていたのだが、しかし全く懲りていないようだ。

 

「ほら、満足したでしょ、席に戻りなさい」

 

「あ、八代ちゃん、引っ張らないでー」

 

 強引に引っ張る八代と、真白の視線から朧をかばう渡の視線が合わさった。

 

 ―ご苦労様

 

 ―お互いにな

 

 苦労人同士、通じ合うものができてしまった。

 

「ケッ! 一ノ瀬君はキモオタのくせにいいご身分だな、オイ」

 

「いってやんな。ブヒブヒいってないんだからキモオタじゃねえだろ」

 

「その辺にしとけ、守護神の墜落天がうるせえだろうが」

 

 学内の不良組である水野と火山がヤジを飛ばし、リーダー格の瀬間にたしなめられるが、しかし彼らの視線は悪意を込めて朧に向けられている。

 

 それを視線で黙らせながら、渡はため息をつく。

 

「……一ノ瀬。学業に乗り気になれないのなら、いっそのこと中退して大検でもとったらどうだ? おまえの学力ならできるだろう?」

 

「いや、両親から「流石に高校は出ないとコネでも就職させれない」って言われてて―」

 

「なら学生の部をわきまえることだ。余計なトラブルを生まない努力は人生では必要だぞ」

 

 小言臭くなっているのが残念だが、しかしこれも人のことを想っているからである。

 

 多少は失態があるとはいえ、理不尽に巻き込まれる人を見るのは良い気がしない。

 

 理不尽に巻き込まれたことがあるからこそ、他者が理不尽に巻き込まれることを黙ってみていられない。

 

 できないことがあるのはわかっている。悪魔でできる範囲内で最善手を取ることを努力する。だから、説得を中心として行動するだけだ。

 

 そんなできることの少ない自分の弱さに辟易しながらも、渡は一度助けると決めた者を、その助けなければならないところから引き上げるまでは見捨てる気だけはなかった。

 

 リチャードの監視任務を続けながらではあるが、とりあえず朧がいじめられなくなるまで頑張ろう。

 

 そう決意した時、教室の扉が開いた。

 

「はーい。そろそろチャイムなるから、授業の準備してよー」

 

 双間延びした声で語るのは、保健体育を担当する女教師、八重垣宝珠(やえがきほうじゅ)

 

 なぜか悪魔祓いの体裁きを行う宝珠に戦々恐々としながらも、渡は素直に席につく。

 

 そして授業が始まろうとしたそのとき―

 

「あ、八重垣先生。忘れものですよ」

 

「あ、すいません中荷闇先生。これはうっかりしてました」

 

 歴史担当の中荷闇僅に教科書を届けられる。

 

 実に締まらない教師であり、こればっかりはどうしようもないとあきらめかけた、その時だった。

 

「ん……なんだって!?」

 

 急にリチャードが下を見ると、慌てて飛び上がる。

 

 そしてその瞬間、教室中を包むように魔法陣が展開された。

 

「な、まさか悪魔が―」

 

「いや、これ、悪魔でも堕天使でもアースガルズでもない―」

 

「「ん?」」

 

 突然会話が成立した渡と宝珠がきょとんと顔を見合わせるが、これがよくなかった。

 

 その瞬間、誰もが対処する暇がなく、魔方陣から展開される光に、飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現代のメアリー・セレストと称される謎の行方不明事件はこうして始まった。

 

 そしてこの事件は、のちにより大きな事件のきっかえだったのではないかという話が広まり、そして世界の裏に存在する数々の勢力によって欺瞞工作がなされ、多くの人々の興味の外側に投げ出されることになる。

 

 そう、この事件の三か月後、七月に起きる大惨事、清栄町壊滅事件という、地方都市一つが丸ごと滅びるという謎の大災害。

 

 ……のちに異世界侵略という、前代未聞の事件の前哨戦のそのまた前兆は、こうして起こったのであった。

 

 そして、この戦いが世界の命運をかける戦いの始まりの狼煙であることを知る者はいない。

 

 リチャードを仕方なく古巣に送り出すことにした、司祭枢機卿ヴァスコ・ストラーダも。

 

 それに対応して渡を送り込んだ、堕天使統括組織、神の子を見張るもの(グリゴリ)総督アザゼルも。

 

 のちに冥界の英雄とされる、若き転生悪魔になる少年、兵藤一誠も、この事件にそれぞれ対応や驚きを示すことこそあれ、その事件の真の危険性にたどり着きはしなかった。

 

 もし誰か一人でもこの事件の真相に気づいていたのなら、のちに「禍の団事変」と称される一連の戦いは、大きく変わっていたであろう。

 




さて、このプロローグでどれだけの人々が来てくれることやら。

できればうれしい感想がほしいけど、多少の批判は受け入れる覚悟があるので()()は許容します。


あまりハードなの来ると心が洋服崩壊するんで、その辺加減をお願いします!!
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