異世界に勇者召喚されたと思ったら、異世界の侵略から地球を守る戦隊ヒーローになった件について。   作:グレン×グレン

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色々と感想が増えたりツッコミが来たりしていますが、それはともかく。

ありふれのタグをつけるべきとのお言葉をいただきましたが、これについてはどうしたもんかって感じですね。

実際話のテーマ的なベースとしてありふれの序盤を参考にしている節はありますが、自分、ありふれはパラ見している程度です。「素材も調理法もいいとは思うんだけど、味付けなどが合わない」といった感じでしょうか? 勇者はもうちょっと料理の仕方があったと思うんだ、マジで。

なのでありふれみたいなストーリーをするわけではありません。ストーリー展開をするにあたって序盤やA組のキャラ造形の一部をインスパイアさせていただきましたが、第二部に入ってD×D本編と絡むころには大幅に変わるので、むしろタグにそんなものを入れてありふれファンを誘導した場合、炎上したり低評価連発されたり感想欄が荒れたりという展開が予想できてしまいます。

あくまでありふれは参考資料の一環。キャラ造形も成長の方向もだいぶ変わるでしょう。あとクラスメイト全員を出したりはしません。自分の技量でオリキャラ四十名はぽっと出だとしても書き切れないと自覚しております。


それよりも、この作品のもう一つのオリジナル異能、前話で出てきた異能に、その元ネタをタグに入れる方が重要だと思っております。本作で書きたいことの一つに「ネットサーフィンで見たあのバトル物の能力みたいなのを別の作品のキャラがやったらどんなのが出るか」といったものもあるので。ほんと、一度やってみたかった……!



9話

 

 トリアーチュル遺跡は非常に広大だ。

 

 故に必要な物資も莫大であり、それらが絡んだ結果、トリアーチュル遺跡の前には宿場町などというレベルではない規模も街が作られている。

 

 周囲は壁で覆われ、民を守る為に兵士達も待機している。高位の祝才持ちも何人もいるレベルだ。

 

 そして、入り口では既に連絡が入ったのか、監視の為に検問が敷かれていた。

 

 まず間違いなく、覚書なども用意されているだろう。自分達が疾走して何処に行くかなど、そうあるわけではないのだ。最有力候補ぐらいすぐに分かる。

 

 だが、その警戒を渡達はあっさりと突破した。

 

 ちょっと渡の手元に魔法陣……ならぬ魔方陣が展開されたと思ったら、そのまま弥左や宝珠も包んで光り、そのまま歩く。

 

 そして、兵士達はしっかりとこちらを見たが、何も気にする事なく「お手数をおかけしました」とだけいって次に移る。

 

 そしてそのまま遺跡迄先導しながら、弥左はこの肩透かし感に戸惑っていた。

 

「あっさりだったね。これも、私達の世界の魔法なの?」

 

「ああ。単純な認識改ざんだな」

 

 と、渡はさらりと答える。

 

「異能や異形は人間世界にうかつに広めないってのが暗黙の了解だからねー。一般人が余計な事を知った時の為に、記憶操作とかは結構発達してるのよ」

 

「中には洗脳に使う外道もいるのが難点だが、まあ、こういう初歩的な技術な技術でそこまで感心しなくていいぞ? 教えれば咲花もできるようになろうて」

 

 マジかと思った。

 

 剣と魔法の世界に来て、実はテンションが上がってたりはしていた。自分もそういうファンタジー的な能力が手に入るのではないかと思ったし、ホントに入った時はうれしかった。

 

 だがしかし、元の世界の方が遥かにファンタジー側面でも発達していた。しかも、この世界でできる事をもっとできるどころか、できない事もしっかりとできてしまうという圧倒的ハイスペック具合だ。

 

 正直、ちょっとビビる。

 

「で、どうするんですか、先生」

 

「時は金なりよ、咲花さん。必要な飲食物は墜落天君が結構持ってるから、私達はすぐにでも一ノ瀬君が落ちたところまで向かいましょう」

 

「同感です。生きているなら一刻も早く合流するべきですし、最悪死んでいたとしても、死体をできる限り持ち帰ってやりたい」

 

 三人は頷き、弥左の先導でトリアーチュル遺跡に入る。

 

 そして、その光景に渡と宝珠はわずかに息をのんだ。

 

「……これ、めちゃくちゃ高度な魔法文明で作られてないかしら?」

 

「壁そのものが発光しているとは。それをこの規模で作るなど、神の子を見張る者(グリゴリ)でも困難だぞ」

 

「あ、うん。よく分からないけど一ノ瀬君を探すんだよね?」

 

 弥左の指摘に、2人は我に返ってすぐに奈落に視線を向ける。

 

 ……霧に包まれ底が見えない、真っ暗な奈落。

 

 この階層の高さや聞いている階層の数から逆算して、下手をすれば1kmを超えているだろう。

 

 半分より下の階層で落ちたとしても、数百メートルは落下している。とても生存は絶望的だ。

 

「咲花。二つほど、覚悟を決めておいてほしい」

 

「か、覚悟って?」

 

 静かに一瞬目を伏せた渡の言葉に、弥左は息をのむ。

 

 そして、底を覗き込みながら宝珠がため息を吐く。

 

「そもそも死体が原形残ってない可能性が一つ。落下の衝撃でミンチになってるかもしれないし、その上で魔獣にがっつかれてる可能性もあるし……」

 

 その言葉に、弥左は震えながら頷いた。

 

 そもそも、それでもせめて墓に入れてやりたいと願ったからこそここまで来たのだ。今更怖気づく気はない。

 

 「で、先生。もう一つは……へ?」

 

 聞くより先に、弥左は宝珠に抱きしめられた。

 

 そして、宝珠は渡に抱き着く。

 

「じゃ、お願いね」

 

「了解です、八重垣先生」

 

 ああ、そういう事か。

 

 弥左は一瞬で理解した。

 

 そもそも、この遺跡は霧の所為で最深部迄普通の手段でいく事ができないのだ。

 

 ならどうするか。そんな事は決まっている。

 

 ……絶対に直通しているこの奈落から直接降りる。これが一番有効なのだ。

 

「早めに降りるぞ。舌を噛むなよ、咲花」

 

「う、うん。……でもこれ、やっぱり慣れない……」

 

「ま、暴れないでくれればそれでいいわよー」

 

 そんな事を言いながら、三人は奈落を落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 墜落そのものはすぐに終わった。

 

 霧が見えてきたタイミングで渡は翼を開いて落下速度を調整。エレベーター程度の速度で降下したので、傷一つない。

 

 そして、奈落の底は霧がろくになかった。

 

「……霧は底から生まれてるんじゃなくて、底に到達させない為に発生させたって事かしら? っていう事は、人為的?」

 

 などと自分の考えを口に出す宝珠だが、これは一種の逃げでしかない。

 

 そう、最深部には碌に魔獣がいなかった。

 

 ハンティングリザードが三匹もいたのはビビったが、しかし渡と宝珠があっさりとそれを殲滅してのけたのに、更に驚愕した。

 

 翼そのものを武器にしながら、更に光を槍として具現化し、投げ貫いた渡。

 

 光の剣と銃を巧みに使い、終始ハンティングリザードを翻弄した宝珠。

 

 どちらも規格外としかいうほかない。少なくとも、あの悲劇の時にいたメンバーでは、誰一人として勝つ事などできないだろう。

 

「……対物狙撃銃でもあれば人間でも倒せるな。いや、敏捷性があるから制圧射撃を行う者が何名かいるかもしれぬ」

 

「最深部で是なら、この世界の戦争ってもしかして先生と墜落天君が参加したら無双タイムかしら?」

 

 あっさり倒せた事に拍子抜けした二人の言葉が印象深い。

 

 どうも、このハンティングリザードは異形の業界で言うとかなり弱い部類らしい。

 

 祝才を持った騎士やクラスメイト達でも、一対一ではてこずるだけの戦闘能力があるはずなのだが、この二人はかなり桁が違うようだった。

 

 だが、そんな事は今問題ではないのだ。

 

「………一ノ瀬、君……」

 

 二人に守られるようにしてへたり込む弥左。

 

 その弥左の手には、布で出来たお粗末なパラシュートが握られていた。

 

「パラシュートとか作ってた事に驚きだけど、使われた形跡があるって事は、まさか一ノ瀬君は登って脱出を試みた……?」

 

 宝珠はそう推測するが、そうなると状況は更にマズイ。

 

 生き残っているならいい、だがしかし、遺跡の中で死んでいるとするならば、最早捜索は困難を極まるだろう。

 

 それこそ、死体を見つける事ができるのかが本当に怪し状況になってしまっている。

 

「……先生、咲花。少々問題が発生しました」

 

 そして、スマートフォンに似た機器を操作しいていた朧が、複雑な表情を浮かべて振り返る。

 

 その瞬間、階段からハンティングリザードが出てきたが、光の槍と弾丸が叩き込まれて沈黙する。

 

「どうしたの? 道もここから長丁場になりそうなんだけど……」

 

「それが、一ノ瀬のいる方向を調べてみたのですが―」

 

 宝珠にそう言いながら、渡は画面を見せる。

 

 その画面を覗き込んだ二人は、唖然となった。

 

―位置、下方300mを移動中。

 

「……バグった?」

 

「と、思うのが普通ですな。私も同意見です」

 

 最悪だと言いたくなるレベルだった。

 

 この広大な迷宮。とりあえず落下したので、そこに堕ちた可能性が高いと判断して真っ先に降りたが、その更に下にいるという謎の表示。

 

 何気に技術の粋が使われているので、直すの困難だろう。スマートフォンを使う事ができる人間はそれこそ億を超えるだろうが、壊れたスマートフォンを修理できる人間は、百分の一以下なのだ。

 

 いったん帰って全てを説明してから、本格的な捜索部隊の編制を頼んでみるべきか。

 

 二人がそんな事を考え始めた時―

 

「………あの、先生、墜落天くん」

 

 その時、弥左が何かに気づいた。

 

 その視線の方を見れば、そこにはくぼみのような形で祭壇のような物がある。

 

 そして、そこには何かが落ちていた。

 

 近づいてみれば、それは騎士団から提供されていたショートソード。

 

 確か、朧が護身用に支給されていた類のはずだ。

 

「一ノ瀬はこの祭壇に向かっていたのか。……それにこの魔法陣は……転移用か?」

 

 驚いたという他ない。転移の魔方陣などが、この世界の文明で再現できるとも思えない。

 

 だが、古代文明が現代より発達しているなどよく聞く話でもある。事実、地球周辺の世界にも大型人型兵器ゴグマゴグなどというものを古代の文明が開発していたという話は聞いている。

 

 そういうものかと考え、そして渡はすぐに次の想定をした。

 

「……転移してしまった、と考えるのが筋か」

 

「同感。っていうか、ちょっとここ見た方がいいわよ」

 

 宝珠が祭壇の石碑に刻まれた文字を指で刺す。

 

「な、何が書かれてるんですか!?」

 

 一人文字の勉強が遅れている弥左が訪ねる中、宝珠はそれを丁寧に読み上げ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上層の底にまで到達した勇志よ。死ぬ覚悟がないならば、引き返すがよい。

 

 この陣に乗ったが最後、お前は深層を攻略するまで地上に戻ること能わず。

 

 深層には食性の植物と湧き水がところどころに点在しているから餓死の危険はない。だがしかし、上層の魔獣を強化した、より強大な魔獣達が汝の行く手を阻む。

 

 構造や仕組みそのものも凶悪だ。少なくとも、上層のようなお前たちに優しい設計にはしていない。

 

 それでもなお挑戦するというのなら、これだけは覚えておくのだ。

 

 心の形を具現化せよ。

 

 正の心を光に変えて。負の心を闇へと変えて。

 

 詠え己の魂を。

 

 強き意思をもってして、生きて戦う覚悟を決めよ。ここから先、確固たる意志で脅威に立ち向かおうとする者たち以外が、生き残ること能わず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、仰々しい言葉で書かれてるわね」

 

 と、全部読み切った宝珠はそうため息をついた。

 

「これ、危険性について書かれてるけど報酬とかそう言ったのが全然書かれてないわね」

 

 これ聞いて突入する奴いるのかぁ? とでも言いたげな表情を浮かべている宝珠の気持ちも分かる。

 

 しかも後半に至っては一種の精神論だ。それも、負の感情すら肯定している辺り、ただの根性論とはまた違ったものなのだろう。

 

 どう反応するべきか、真剣に悩む。

 

 だが、それでも分かる事はあった。

 

「……おそらく、一ノ瀬はこれを読まずに魔法陣に入ってしまったのだろうな」

 

「魔獣に襲われかけて、パニックを起こしたってところかしら?」

 

 宝珠も同意見で、魔法陣に視線を向ける。

 

 機器が地下に朧の存在を伝えていて、おりしも目の前に地下に向かう転移装置がある。

 

 これはもう確定だろう。朧はトリアーチュル遺跡深層部に向かってしまっている。

 

 何がどうしてこうなったのかは分からないが、しかしこれはもうする事は一つだ。

 

「……ここで臆病風に吹かれた者がいるなら、挙手を許可しますが?」

 

 渡が冗談めかして言うが、しかし誰も手を上げない。

 

 むしろ、誰もが不敵な笑みを浮かべていた。

 

「守られてるだけの私だけど、だからこそ、臆病風に吹かれたらいけないよね」

 

 弥左は決意をさらけ出し、苦笑を浮かべながらもしっかりと拳を握り締める。

 

「今更そんな事言いっこなし。さっさと行きましょうよ、墜落天くん」

 

 宝珠に至っては銃と剣の確認を終了して、むしろさっさと向かおうと魔法陣に近づいている始末だった。

 

「ふむ、ではいこうとするか」

 

 渡も即座にそう判断し、そして、足を踏み入れた。

 

 

 

 




まあ、今編はありふれをマジで参考にしているので、タグ入れろって意見も分からなくはない。

だがしかし、トリアーチュル遺跡を攻略してからは完璧に変わるので、やっぱりちょっと躊躇しますね……。ぶっちゃけ一部終わって二部に入ったら完全D×Dのストーリーを追随するんで。
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