異世界に勇者召喚されたと思ったら、異世界の侵略から地球を守る戦隊ヒーローになった件について。   作:グレン×グレン

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はい、そんなわけで此処からエクスカリバー編です。

エクスカリバー編はついに本気モードと高性能技術を取り込んだことで朧が急激に進化を遂げます。

さて、その咬ませ犬になるであろうコカビエルは……?



第二部 心具乱舞編
1話 戻ったばかりで大事件


「アザゼル!! ようやく地球に到着したぞ!!」

 

『お、戻ったか。……って、なんでそんなところに出てんだ?』

 

「グハハハハ! マシントラブルという奴だ!!」

 

『……ステルスはしっかり張ってるみたいだから、まあいいか。あ、悪いんだがついでに頼まれちゃくれねえか?』

 

「どうした!? まさか、エルルが再び侵攻でも開始したか? 悪の組織として見逃せんな!!」

 

『いや、コカビエルの奴が暴走した。あの野郎、ついでに三大勢力の戦争を再開させて大混戦にしようと目論んでやがる』

 

「なるほど! ならちょうどいい!! あいつらのテストをしようではないか!!」

 

『……ああ、確かにコカビエル相手なら都合がいいな。いざとなりゃお前が出張ればいいだけだしよ』

 

「ぐはははは! いい感じに仕上がっておるぞ! あの調子なら何とかなるだろうさ!!」

 

『おう、じゃ、ちょっと言って懲らしめてこい。ヴァーリにも指示は出してるんだが、あいつ様子見とかしそうでよぉ』

 

「任せるがよい!! グリィイイイイイゴリィイイイイイ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、出張るの俺達がメインなんだろうがオッサン!!」

 

「諦めろ朧。神の子を見張る者(グリゴリ)はこういう時、ノリで動くのだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駒王学園二年生、兵藤一誠は、悪魔である。

 

 厳密にいえば、本来は人間である。だが、とある事情で一度死に、悪魔として転生を果たしたのだ。

 

 その原因となるのが、彼が持つ神器(セイクリッド・ギア)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)である。

 

 神すら超える力を持つ、準最強格の龍。二天龍が一角、赤龍帝ドライグ。

 

 かつて対をなす白龍皇アルビオンとの喧嘩で三大勢力の争いを引っ掻き回し、その結果として神器の核にされた存在。その存在が宿る、13種存在する、単独で神すら殺しうるとされる神滅具(ロンギヌス)の一つとなった。

 

 其の力は絶大なのだが、悪魔ですらなかった一誠では使いこなす可能性がほぼなく、結果として危険視された堕天使勢力が刺客を放ち、そして暗殺されたのである。

 

 しかし、不幸中の幸いか、その地の裏を管轄している、悪魔の貴族の跡取り、リアス・グレモリーに見つけられ、そのポテンシャルを見込まれて転生悪魔になることで命を繋いだのだ。

 

 聖書の教えに由来する三大勢力。今は冷戦状態だが、かつては激しい戦争を繰り広げていた。

 

 その過程で主である四大魔王及び、戦力の大半を悪魔は失った。更に戦争継続を無謀にも主張した四大魔王の血族と内戦を起こすなどで、非常に疲弊しきっていた。

 

 その対策として、悪魔は他種族を悪魔に転生させる、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を開発。上級悪魔にチェスの駒になぞらえた一セットを預け、それにより戦力及び個体数の回復を試みたのだ。

 

 其の為の餌なのかは分からないが、転生悪魔になった者は成果を上げれば上級悪魔は愚か、最上級悪魔に昇格することも可能。事実、それによって昇格した人間やドラゴンの転生悪魔も存在する。

 

 そして、悪魔という社会は、それに見合う能力を示せば、一夫多妻も一妻多夫も可能なのだ。

 

 それに対して、兵藤一誠は燃え上がった。

 

 この男、モテたいという一念で女子比率の多い駒王学園という名門校に、偏差値の差を乗り越えて合格するほどの猛者である。

 

 半面スケベ根性が強すぎて覗きの常習犯なので全くモテないのだが、しかし悪魔は比較的色欲にも寛容だ。実力さえあれば持てる余地は十分にある。

 

 そしていくつかトラブルに巻き込まれながらも、彼はがむしゃらに悪魔稼業を詰んできていた。

 

 その過程で、悪魔すら癒せる能力を持ち実際に癒したがゆえに教会を追放されたシスター、アーシア・アルジェントや、主であるリアス・グレモリーを惚れさせているのだが、知らぬは当人ばかりなり。

 

 そしてそんなある日、件の教会から使者が訪れる。

 

 うち一人が幼馴染であった紫藤イリナだったりするが、しかしそれは割愛しよう。

 

 彼女達はがやってきた理由は、とある堕天使にある。

 

 堕天使統括組織、神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部、コカビエル。

 

 彼によって、かつての戦いで七本に分かれ、そして一本が紛失したエクスカリバーの内、()()が強奪された。その上、なぜかコカビエルはこの駒王町へと逃げ込んだのだ。

 

 何のために、わざわざ敵対する悪魔が管轄ししているこの地方都市に来たのかはわからない。だが、潜伏していることは確実。そのために、エクスカリバーの使い手の一人である紫藤イリナは、相棒であり同じくエクスカリバーの使い手であるゼノヴィアと共にリアスに接触を図った。

 

 その接触の目的は、不可侵の取り決め。

 

 教会の方針としては、悪魔も堕天使も共に教義上の敵であるがゆえに信用しない。そも、欲に堕ちているという意味ではどちらも同じであり、むしろ二勢力が共同して仕掛けてくること自体考えられる。なので、手出し無用が重要。

 

 その「お前達が堕天使と共闘してもおかしくない連中」扱いにリアスは怒りを見せるも、兄であり現ルシファーを襲名したサーゼクスに誓ってそんなことは行わないと言い切った。

 

 ゼノヴィアもイリナもそれを理解して、なれ合いはしないとばかりに帰ろうとしたのだが、ここで問題が発生する。

 

 先ほど簡単に紹介した、アーシア・アルジェントである。

 

 アーシア・アルジェントは癒しの力を持つ神器を持つ。これに関しては珍しくはある。これは、決して絶滅危惧種などというレベルではない。神器としても複数種類存在し、他の異能でも種類も絶対数も少ないが存在する。

 

 だが、これらは基本的に神々の祝福を受けた者だけが対象となる。悪魔や堕天使まで癒せるとなると、それは72柱の悪魔の一つであるフェニックス直径など、絶滅危惧種レベルの希少価値である。

 

 それができるのが、アーシア・アルジェントなのだ。

 

 彼女に宿りし神器、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)は、文字通りどんな種族すら生命体の負傷なら直せる。加えて回復の力そのものも規格外。そんなイレギュラー極まりない神器である。

 

 その力をもって、彼女は悪魔を癒してしまった。

 

 悪魔を癒せる力を持つ。そのうえ本当に癒してしまった。

 

 この二つにより、彼女は追放されたのだ。

 

 悪魔を癒せるというより、癒せたというのが問題視する者は多い。

 

 現実問題、善悪を定義するのが大半の宗教である。そして、一神教はこと排他的になりやすい。聖書の教えがその所為で多くの殺戮を生んできた事など、歴史を真剣に調べればすぐに分かる事だ。

 

 ゆえに、ゼノヴィアは悪魔にまでなったアーシアを捌くべきだと考え、一誠と衝突する事になる。

 

 そして、最悪な事にもう一つの偶然が面倒な事を引き起こした。

 

 リアス・グレモリーの眷属悪魔は、一誠が知る限りでアーシアと一誠自身を除き四名。

 

 うち一人は顔合わせどころか紹介もされていない。そして二人は、女王(クイーン)の駒の姫島朱乃(ひめじま あけの)と、戦車(ルーク)の駒の塔城小猫(とうじょう こねこ)がいる。

 

 そして、最後の一人が問題だった。

 

 騎士(ナイト)の駒を担当する、一誠と双璧をなす男子眷属悪魔である木場祐斗(きば ゆうと)。彼の来歴が問題だった。

 

 つい先日、明らかな不調が発覚したので教えられた事実。彼は教会勢力の出身で、とある極秘実験の被験者だった。

 

 その名を聖剣計画。件のエクスカリバーを代表格とする聖剣の使い手を人工的に量産する計画だった。

 

 聖剣は、悪魔を代表とする浮上とされる存在に非常に有効な装備である。だがしかし、同時に使い手となる才能が非常に珍しいのが難点である。

 

 それを人工的に生み出す事が出来れば、その価値は莫大だ。

 

 だが、その結果は悪魔が知る限りでは失敗。そして、その過程も問題だった。

 

 祐斗の知る限りにおいて、その実験はかなり非人道的だったらしい。更に最悪なことに、その研究者達は祐斗達を失敗作と判断して処分すら行ったそうだ。

 

 その彼の目の前に、エクスカリバーの使い手がいる。誰であっても思うところの一つぐらいはあるだろう。まして祐斗はエクスカリバーそのものを憎悪するレベルである。そこに「無理難題を言ってきた相手が、更に同僚を殺そうとした」という状況。

 

 結果として、死なない程度の模擬戦として爆発し、結果的に巻き込まれた一誠とノリノリの悠斗が敗北して、その時は終わった。

 

 しかしそれで更に煮えくり返ったのか、祐斗が暴走状態に突入。一誠は同胞を失う事も、その結果として主であるリアスが悲しむ事も認められず、半ば独断行動でイリナ達に共闘を呼び掛ける。

 

 リアスと双璧をなすこの地の上級悪魔、ソーナ・シトリーの眷属である、匙元士郎を事情を説明せずに誘い、更に勘付いた小猫も巻き込み、兵藤一誠は交渉開始。

 

 路銀をイリナが詐欺で全額失った事もあり、加えて一誠は赤龍帝を宿している=ドラゴンであるというこじつけでゼノヴィアが納得したので、何とか「エクスカリバー一本を、核を残して破壊するぐらいなら」という許可をもらう事に成功する。

 

 そして、そのあと呼び出された祐斗の過去を聞いた匙が同情して積極的になり、共同戦線が結ばれた。

 

 ……ソーナとのできちゃった結婚を夢としているという匙の馬鹿すぎる野望を聞かされたのは、一誠そのものは共感したので置いておく。

 

 そして、エクスカリバーの争奪戦となる戦いで、一誠はかつて殺し合いをしたフリード・セルゼンと再会。

 

 聖剣計画の責任者にして、教会を追放されて堕天使側に身を寄せたバルパー・ガリレイによって人工聖剣使いとなったフリードは強敵で取り逃がし、祐斗とゼノヴィア、イリナは追撃を行った為はぐれてしまう。

 

 結果としてリアス達にことがばれて色々をお仕置きを受けて日が変わってから、今度はイリナを返り討ちにしてエクスカリバーの一つを奪い取ったコカビエルが宣戦布告を行った。

 

 この壮絶な出来事を走馬灯のように思い返しながら、兵藤一誠ことイッセーは、コカビエルを睨みつけていた。

 

「てめえ! よくもイリナをやってくれやがったな!!」

 

「ふん。悪魔からすれば教会の悪魔祓いは敵だろうに。情がわくとは酔狂な奴らだ」

 

 そう呆れ果てるコカビエルは、そのまま無造作に抱えたイリナを投げ捨てる。

 

 それを慌てて受け止め、イッセーはイリナの様子を確認する。

 

 殺すまでもないと思われたのか、イリナは致命傷こそ追っていない。だが、同時に徹底的に痛めつけられており、到底戦闘ができる状況でもなかった。

 

「大変です! イッセーさん、すぐにイリナさんをこちらに!」

 

「ああ、頼む!!」

 

 血相を変えたアーシアの要請に答え、イッセーはイリナをアーシアの下にまで連れていく。

 

 そしてアーシアがイリナの怪我を治療している間に、コカビエルは楽しげな表情をリアスに向けた。

 

「初めましてだな。兄に似た色鮮やかな紅髪だ。忌々しくて機嫌が悪くなる」

 

「ご機嫌よう。あいにくだけど、魔王ルシファー様と私は近くて遠い存在。私を利用して交渉しようなど、考えない方が賢明よ」

 

 苛立たし気にそう言い切るリアスに、コカビエルは嘲笑すら浮かべる。

 

「交渉? そんなことはしない。おまえを血祭りにあげて挑発するだけだ」

 

「……バカげたことを考えるのね。そんな事をすれば、三大勢力の戦争が再発するわよ」

 

 そのリアスの言葉に、コカビエルはそれこそ望みといわんばかりに口元をゆがめる。

 

「ああ、都合がいいことに他の神話の連中も巻き込んだ争いが起きそうだからな。奴らに出ばなをくじかれる前に、俺が戦端を開きたいと思っているのさ」

 

 その言葉の意味は、半分ぐらいしか分からない。

 

 だが、目の前の男が、停戦状態の三大勢力の戦争を再開させようとしている事だけは分かる。

 

 その事実に、イッセーは正直思考が追い付ていないが、それを斟酌してくれる優しさはコカビエルには存在しない。

 

「中々面白い乱戦になりそうでな。一応別の誘いも受けているのだが、奴らと同盟を組むのは少々複雑なので、こうして独自に乱戦を目論んだというわけだ」

 

「……乱戦ですって? しかも他の神話を巻き込むなんて自殺行為よ!?」

 

 事態が想像の斜め上に到達している事に気づいてリアスは吠えるが、しかしコカビエルはそれに不機嫌な感情を見せる。

 

 そういう反応が返ってくる事そのものが、嫌で堪らないという反応だ。

 

「アザゼルみたいなことをいう奴らだ。ようやくこのつまらない平穏が終わり、世界規模の争いが起きるのだぞ? 神器などという下らんものを調べている暇があるなら、この機を逃さず勝利を求めるべきだろうに」

 

 言いたい事がイッセー達は半分も分からない。

 

 コカビエルが知っていて、しかしイッセー達が知らない情報があるのだけは分かる。そして、その所為で大きな争いが起きるという事も。

 

 しかし、コカビエルはその状況下で更に戦乱を混迷の向かわせようとしているのだ。

 

 しかもその贄として選ばれたのは、リアス達。流れから言って、エクスカリバーもその為の材料なのだろう。

 

「エクスカリバーを盗めばミカエル辺りを怒らせる事ができたと思ったのだが、雑魚しか送ってこなかったのでな。セカンドプランとして貴様らを殺してサーゼクスとセラフォルーを激怒させようと思ったんだよ。どうせなら開戦の号砲は俺達堕天使が上げたいのでな」

 

「狂ってるわね……!」

 

 戦慄するリアスの視線を、コカビエルは気持ちよさそうに受け止める。

 

 そして、コカビエルは楽しそうに頬を歪めると、そのまま翼を広げる。

 

 その視線が向かう先は駒王学園。一誠達が通う学び舎。

 

「では、貴様らの母校とやらで俺は開戦の狼煙を上げるとしよう!! それが嫌なら止めてみるがいい!!」

 

 そして、コカビエルは飛び去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『つーわけだ。コカビエルの馬鹿が、クリフォティアが騒ぐのに便乗して戦争勃発を目論んでやがる』

 

「……何千年も生きてる割に、馬鹿なんじゃねえかそいつ?」

 

「酷いこと言わないの、朧くん。長生きしすぎて認知症を患ったと言いなさい」

 

「宝珠先生も酷いです。でも、止めないと大変だよね、渡君!」

 

「同感だ、弥左。……イーンさんにはすみませんが、距離が距離なので一仕事する事になりそうです」

 

「かまいませんわ。これからご迷惑をかけ続けるのですから」

 

『よし。意見はまとまってるみたいだな、じゃ、悪いが実戦テストもかねてコカビエルの馬鹿を張り倒してきてくれや』

 

「へいへい」

 

「了解」

 

「わかりました」

 

「拝命いたします!!」

 

「ご要望にはお答えしますわ」

 

『………返事統一してくれよ』

 

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