四十二歳の異世界冒険記   作:ショウキン

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最終話「未来のために」

「ふぅ。さて、休憩......にはまだ早いかな。がんばらないと」

 

 ブガイと別れて三か月後の朝、ボクは訓練に励んでいた。

 

 その周りは本当に寂しく静かで、仲間たちの姿はない。

 

 本当はまた五人で旅をするはずだったのだが、重傷を負っていたマンジイの治療に三年という月日が必要だった。

 

【挿絵表示】

 

 この厳しい世界で三年もの間ただ待っているというわけにはいかず、一時的に別行動をとることになったのだ。

 

 マンジイは、スバゲスタン大学内の療養所で四十時間以上に及ぶ大手術の末に入院が決定。

 

 今は懸命に辛いリハビリに励みながら、再起をはかっている。

 

 ショウさんは死んでいった仲間たちの墓にギルゴムの件を報告した後、恋人の待つ遠い土地へと帰還。

 

 一か月ばかり滞在した後は、また一人旅をしながらデビレン狩りを続けるつもりなのだそうだ。

 

 マジェリーはスズと一緒に家族を探すための旅を開始。

 

 最近届いた便りによると、手掛かりが少ないために難航はしているものの、旅自体は楽しいらしく、ポーカーフェイスだったマジェリーが以前よりも笑顔を浮かべる時が多くなったと書かれていた。

 

 ボクはマンジイの元を訪ねつつ、デビレン狩りを再開した。

 

 だが、それから今日までに遭遇したデビレンの数は以前の半分ほど。

 

 おそらく、ボスであるチィトを失ったことで組織内に亀裂が生じて分裂して個々が孤立化し、目立った行動がとれなくなったのだろう。

 

 そのおかげで各地の村や町ではだんだんと活気が戻りはじめ、デビレンの存在そのものが忘れ去られようとしているように思えた。

 

 もちろん良い事ではあるなのだが、決して忘れてはいけないこともある。

 

 今回戦ったデビレンたちの中には元々人間だった者も少なからずいて、彼らが悪い誘いにのって悪事に加担したことが事件を拡大させたという事実も忘れてはいけない。

 

 チィトがいつか復活した時、また同じことを繰り返さないようにするためには、ただ戦力を強化するだけでなく、誰もが悪に屈しない強い心を持つことだといえる。

 

 それをこれから生まれてくる者たちに教えて未来へ送り出さなければならない。

 

 この先、今回と同じような事が起こるのか、それとも違う未来が待っているのかは今を生きる者たちにかかっているわけだ。

 

【挿絵表示】

 

 だから、ボクはこれから仲間たちと共にさらに成長して後輩たちに恥じないような立派な戦士になる。

 

 そして、必ず真の平和をつかみとってみせる。

 

 そう心に強く誓いながら、力一杯に訓練を続けるのだった。

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