──死を、確信した。
サガが放った小宇宙の波動には、生の終わりを悟らせる程の威力があった。
景色が白一色に塗りつぶされる。
恐ろしいと思った。
名のある技ですらないただの威圧で、神である己が畏怖を覚える、その実力に。
だが、
今この瞬間、それ以上に強く俺の胸中を駆け抜けた感情は──哀しみだった。
俺自らの命が尽き、未来への道が閉ざされることが・・・ではない。
運命を翻弄される人間達が、不憫で仕方がなかったから。
誰かを守るために磨き上げられた男の力が、仲間を殺すために振るわれている現実が、悔しくて、虚しくて、許せなかったから。
俺は、まだ、死ねない。
己のためにも、
アフロディーテとの誓いを果たすためにも、
アベルの居場所を創る日のためにも、
海へと落ちたカノンのためにも、
そして・・・──サガのためにも。
・・・ああ、だというのに。
このままでは、この身もろとも、全ての想いが溶け消える。
サガの放った小宇宙の一撃で、俺は塵と化し・・・
そら、白く霞んだ景色も、
「・・・あ、れ?」
間抜けな声を漏らしながら、瞬きを繰り返す。
確認する。
視覚が捉える世界の彩りを、鼓膜へ届く音の連なりを、
そして、
──生が途絶えず在ることを。
「──ヘリオス、アイオロス、太陽の天馬よ・・・無事か?」
「っ・・・シオン! ああ、無事だ!」
力強く返すと、片目を後ろへと向けた緑髪の賢者は、穏やか微笑みを浮かべて前へと向き直った。
人間の掲げた手の先には、極光を放つ透明の壁が、俺達を守る城壁のように展開されている。
シオンが、俺達を守ってくれたんだ。
「馬鹿な・・・左胸を抉られておきながら、私の波動を防いだだと?」
「フン、重傷者が相手ならば容易に一掃できるとでも思うたか? 慢心も極まれば、己が首を絞めると知れ・・・──クリスタルウォール! 我が小宇宙潰えぬ限り在り続ける、光の障壁よ」
「成る程・・・若返ったのは見て
サガは極低温の響きを纏った声で呟き、シオンを睨めつけた。
風も吹いていないというのに、男の灰色の長髪が、怒りを露わにするかの如く放射状に拡がっていく。
さながらその姿は、己の欲を満たすためならば一切の躊躇いを捨て去れる、慈悲なき簒奪者のようであり・・・また、時折天界で会遇した、かの戦神を彷彿とさせる禍々しい有様でもあった。
今のサガを相手に、情けや容赦といった感情は期待するべきではないのだろう。
立ち向かい、抗い、戦い抜くことでしか、この場を生き抜くことは叶わない──・・・、
「・・・・・・」
ああ、何故だろうか。
過去にも、こんな事があったような気がする。
心がじくじくと痛んで、酷く息が苦しい。
カノンも、教皇シオンも、アイオロスも・・・サガも。
違いはあれど、彼等は一つの目的のために手を取り合い、己が栄光のためではなく、ただ、この人の世の未来の為にと戦ってきた仲であるというのに。
どうして、同胞同士で対立し、戦わなければならないのだろうか。
「ヘリオス、どうした、傷が痛むのか?」
「! ・・・悪い、アイオロス・・・俺は大丈夫だ。それよりも、今は、この場を凌ぐ術を考えなければならないな」
『フルル・・・』
「アネモスの小宇宙もあと僅かか・・・ここは、シオンがサガを押し留めている間に、聖域に滞在する黄金聖闘士たちに、助けを求める他ないか」
「・・・・・・」
「アイオロス?」
突如として険しい表情で黙した男に、俺は懐疑的な視線をやった。
アイオロスは眉根を寄せながら、拳を固く握りしめると、低く答えた。
「・・・ヘリオス、それは、できんのだ」
「は?」
「──クッ・・・ハハハハハッ!! ああ、そうとも、
「ぎゃく、ぞく・・・何を言って、」
「はは、私は未だ、未来を諦めてなどはいないのだがな、もう一人のサガよ」
芯の通った声でアイオロスは宣ってみせた。
しかし、依然として状況は読めないままだ。
「アイオロス・・・どういうことなんだ?」
傍らの男に向い焦燥混じりに問い掛ける。
すると、アイオロスは小さく息を吐き出してから、口を開いた。
「・・・サガがアテナを殺めようとしているところを、偶然発見してな。間一髪で防げたまでは良かったが、教皇に扮したサガの命により、私はアテナを殺そうとした逆賊として、聖域中に名を轟かせる者となった」
「はあ・・・!?」
「・・・成る程、お前の傷口から、シュラとデスマスクの小宇宙を感じたのは、そのためだったのだな」
冷静さを保った声音で、シオンは言った。
しかし、どうしても納得できなかった俺は、噛み付くようにして叫んだ。
「っなんでだよ・・・! デスマスクは知らないけど、あの山羊座はアイオロスと仲が良さそうだったじゃないか!! 他の人間達もそうだ・・・皆、アイオロスのことを、羨望と信頼の混じった眼差しで見ていたのに・・・それなのに、」
──どうして誰も、アイオロスのことを、信じてやらなかったんだ。
「・・・ヘリオス、」
「お前もだアイオロス。どうして仲間に殺されかけて、逆賊と呼ばれ、誰も信じてくれないのに・・・お前はそんな平然とした顔ができるんだ」
「・・・・・・」
弱々しく問うが、返答はない。
すると、前方から、重々しい声が届いた。
「・・・教皇の命、そして何よりも、女神アテナの危機とあらば、誰しもが冷静さを失い、真実を見落とす。教皇が私ではなく、偽物と見抜ける者がいれば話も変わったのだろうが・・・此度の天秤は、サガの方へと傾いてしまったのだろう」
「・・・・・・シオン」
深い悔恨の滲んだ声で、シオンは語った。
ああ確かに、筋の通った説示ではある。
だが、だとしても・・・俺は、納得することはできなかった。
「ハッ・・・まるで運が私に味方をしたかのような口振り。私一人が刃向かっただけで瓦解した、貴様の統治に問題があったのだと・・・素直に認めたらどうなのだ?」
「・・・・・・」
「サガ、お前っ・・・!」
「よい、ヘリオス・・・業腹だが、サガの言うように、私は教皇としては不足だった」
「・・・なんだと?」
潔く言い切ったシオンに、サガは訝しむようにして眉を寄せた。
すると、シオンは厳粛な態度を崩さぬまま、言葉を紡ぐ。
「私は信じ、疑ってはいなかった。この二半世紀の刻の中で・・・かつて在った未熟な己はとうに消え、この“我”は、教皇たるに相応しい器へと完成したのだと」
シオンはすう、と目を細めると、掠れた声で続けた。
「だがそれは誤りだった。気が遠くなるような恒久の刻は、いつしか私を役割をこなすだけのシステムへと甘んじさせた。私は己の手で、己の限界を定め、成長を止めた・・・この身を防人たらしめるは、血よりも熱き心意気だというのに、私は、そんな“熱”を喪ってしまっていた。そして、心の隙間に生まれた慢心から・・・サガよ、お前に、悪霊を取り憑かせてしまった」
「・・・未だ、この私を悪霊などと蔑み、愚弄するか」
「揶揄している訳ではない。運命神ケールの策略にはまるという私の甘さゆえ、お前はこうして私達に立ちはだかる脅威と化してしまった。なればこそ、私の愚行こそが惨劇を作り出した発端なのだと認め・・・私はお前に贖うためにも、全ての業を背負い、責を果たさなければならん」
「っ・・・──老いぼれが、訳の分からぬことを熟々と宣うなッ!」
余裕綽々とした態度と一変、
サガは忌々しげに身体を震わせると、まるで自分に言い聞かせるようにして叫んだ。
「確かに貴様は愚かだったッ!! このサガを差し置いて、アイオロスを次期教皇と任命したのだからな!! ・・・だが、それだけだ。悪霊も運命神も関係ない・・・私は他の何者でもなく、私自身の意思で反旗を翻し──貴様をこの手で屠るのだッ!!」
怒声と共に、サガは腕を交差させると、月を穿たんばかりの勢いで、天へと掲げた。
途端、
──ゴウッッ!! と、風が唸り声を上げ、男の手へと集い始めた。
空気が軋む。
サガの両腕を起点とするかのように、世界に歪みが生まれ、虚空に無数の亀裂が走った。
──紛れもない、奥義の兆しだ。
シオンは呻き声を上げると、グッと全身に力を入れた。
「サガめっ・・・ここで大技を放てば、聖域中に異変が伝わると分かっていてもなお──ッ!!」
シオンは猛然と吼えると、両手に莫大な小宇宙を結集させ始めた。
七色の、眩い閃光が迸る。
美しい輝きは、俺達とサガを隔てるクリスタルウォールに押し寄せると、城壁をより頑強なものへと強化していく。
そして、
『ヒヒィィーーン!!!』
シオンに次いで、
風は揺蕩い、捻れ、やがて猛流へと急激な変貌を遂げると、シオンが生み出したクリスタルウォールを呑み込んだ。
七色の煌めきを閉じ込めた、苛烈に渦巻く大気の層。
その荘厳さは、地上に顕れた
鉄壁は金城。
思わず、感嘆の声が喉から漏れ出た。
「戦神のアイギスまでとはいかないが、これなら・・・!」
触れずとも分かる。
アネモスとシオンが創り出した防壁は、俺が破壊した鉄格子を遙かに超える、凄まじい強度を獲得してみせたのだ。
人の身でこの防御を突破することなど、不可能に決まって──、
「──笑止」
嘲る。
「そのような平板で、我が最大の拳を防げると思ったか」
一言で、希望を一掃する。
「望み通り、命で以て贖罪と為すがいい・・・受けよ、銀河の星々さえも砕く一撃をッ!
──ギャラクシアン・エクスプロージョンッッ!!!」
──圧縮された歪みが、弾けた。
万物を砕き滅す、純粋な破壊の力が、極光の防御壁へと衝突する。
「ッッ──ぐっ!? なんと、いう・・・でたらめなっ!! おのれ、屈する訳にはああああッッ!!!」
『──キュウウウウッッ!!!』
命の小宇宙を炎と燃やし、絶叫するシオンとアネモス。
接触面からは夥しい量の光が溢れ、大地を激しく揺さぶり抉る。
荒れ狂う両者の力の奔流は、どちらも一向に退く気配を見せず、拮抗し続ける。
数瞬か、それとも数秒か。
このまま両者は相殺し、消滅するのかと思われた、
──その刹那。
「ッ──不味い、ヘリオスッ!!」
傷口から、深紅の鮮血を撒き散らしながら、
アイオロスが、俺の目前へと躍り出た。
「ぇ──」
間抜けに口を開けるが、続く言葉は、凄絶と迫る爆風に掻き消された。
──ドッッ!!! と、圧倒的な衝撃波が炸裂し、俺の身体は、恐ろしい勢いで空へと跳ね上げられた。
轟音が空を引き裂き、四方八方へと余波を撒き散らす。
クルクルと、世界が回り続ける
「──ぁ」
視界の端で、吹き飛んだアネモスが後方の小河へと叩きつけられるのが見えた。
血溜まりに沈み、倒れるシオンの姿が見えた。
「アネモスッ!! シオンッ・・・ぐあッ!!」
鈍い音をたてて、俺は地面へと激突し、転がった。
喉の奥から咽せるような違和感がせり上がり、直後、ばしゃりと大量の鮮血を撒き散らす。
「・・・ぅ・・・ゲホッ」
口端を引き結び、喘鳴混じりに呻く。
明滅する視界を無理やりこじ開ける。
震える全身を叱咤して、俺は、未だ生存を確認できていない人物を必死に探し、
「──フン、延命にしかならなかったな、アイオロスよ」
「ぅ・・・サ、ガ・・・」
見つける。
サガに首を掴まれ宙に浮く、アイオロスの姿を。
「お前の実力ならば、爆風に身を隠し、一人逃れることも出来ただろうに・・・ただの子供を庇いその機を失うとはな。相変わらずお優しい・・・いや、ここは、愚かと評するべきか」
「・・・ガッ、ァ・・・!」
ミシリ、と、聞こえてはならぬ音が響く。
「アイオロスッ!!」
涙を流しながら、俺は訳も分からず叫んだ。
「お前っ・・・生きてるのが不思議なくらいに・・・俺よりも傷だらけで、ぼろぼろなのに・・・!」
──何故、俺を庇ったのか、と。
そんな問を投げかけようとして、ピタリと、言葉が止まる。
──ふいに過ぎった、過去の記憶が、そうさせた。
『──前に言っただろう。聖闘士とは、民の盾となり、鉾となる存在なのだ。私が君を護ることに、何の問題があるというのだ!』
それは、ロドス島の薔薇園で、少年が放った、一喝だった。
思い出した。
彼ら聖闘士の信念の重みを。
彼らの意地と執念を、胸を焦がすような、真っ直ぐな覚悟の在り方を。
「──嗚呼、そうだ・・・お前達は、異界神ですら憧憬を抱くほどの誇りを掲げ、絆を護ろうとする、そういう生き物だった」
──答えは既に、俺の中にあったんだ。
最早力の入らなくなった両足を、微かな感覚を頼りに地に着ける。
ゆっくりと立ち上がると、俺は、真っ直ぐとサガを見据えて言った。
「サガ、アイオロスを放せ。その者の命は、俺が預かる」
「ほう・・・お前が? 多少特別な小宇宙を操れると聞いてはいるが・・・ただの子が、満身創痍の身で以て、私の相手を担うというのか」
「ぐっ・・・」
狡猾に嗤うと、サガは、アイオロスを無造作に投げ捨て、俺へと身を向けた。
「お前に割く時間が惜しいが・・・フッ、この局面で命乞いもせず、私へと立ち向かうその勇ましさ・・・──死なさず、傀儡と育てるのも一興か」
「・・・・・・」
「逃、げろ・・・ヘリオスッ!!」
「フン、無駄だ・・・──喰らえ、
チカッと、俺を標準したサガの指先が瞬いた。
虚空を邁進する光線は、一瞬きの時間も要さず俺の額へと到達をし、
「俺は、逃げない・・・最後まで諦めない!」
──閃光は、神殿の柱ほどに増幅され、跳ね返った。
「なっ──ッ!!」
「やはり、この小宇宙・・・
ドッッ!! と、
賭けではあったが、やはり、想定通りに事が運んだ。
・・・しかし、
流石と言うべきか。
サガは瞬時に飛び退き、見事に光線を避けてみせた。
残念ながら、ここで戦いを終らせてはくれないようだった。
「──ヘリオスお前、何をした!?」
「俺は何もしていない・・・だが、避けたか。
「! 何故、カノンを知って・・・奴を知るのは私と、そこに倒れる教皇だけのはず・・・!」
烈火の如き相貌で俺を睨めつけるサガに、俺は小さく唇を動かした。
「・・・・・・釣り仲間なんだよ」
「・・・は?」
「お前の弟は・・・お前が岩牢に閉じ込めた双子座のカノンはッ! 俺の大切な、釣り仲間なんだよッッ!!」
──ブワッッ!!!
叫ぶと同時に、煌々と輝く純白の炎が、俺の身を包み込んだ。
みしり、みしり、と全身の至る箇所から不快な音が響く。
負荷に耐えきれぬ傷口から鮮血が噴き出て、地面に滴る。
だが止められやしない。
自らの崩壊も、灼熱の痛みも、俺を止める理由にはなりはしない。
「っ・・・それが巨蟹宮の亡者を浄化した、お前の小宇宙か! ・・・・・・フッ、だがその程度の
「──では、私の力を重ねよう」
「・・・教皇、貴様・・・まだ生き足掻くかッ!!」
「言っただろう、私が、全ての責を負うと」
鮮血を左胸から溢れさせながら、緑髪の賢者は緩慢な動作で立ち上がる。
・・・眷属契約の影響で、シオンは、擬似的な不死の状態にある。
だが、死んだ方が楽と思えるほどの、凄まじい激痛が全身を支配していることに変わりは無いはず。
意識を手放してしまえば、全ての痛みから解放されるだろうに・・・それでも、抗う道を選ぶか。
「・・・シオン」
震える足を一歩ずつ動かして、シオンの傍らに立つ。
「ヘリオス、すまないな。私の贖罪に、神であるお前を巻き込み・・・」
「良い。・・・それに今、一つ、分かったことがある」
「・・・?」
大きく息を吸って、吐くと、俺は静かに告げた。
「お前達はいつも、独りで、全てを背負おうとするんだ」
かつて、誇りを重んじる少年は、俺に言った。
人は、定命の
だがどうだ。
シオンも、アイオロスも、『使命』と称して、全てを一身に引き受けようとする。
同胞たちを傷つけず、命を守る為に、自らを厭わない道を選ぶ。
「きっと、お前達のような者が居なければ、護れない命もあるのだろう。そうせざるを得ない状況に陥る瞬間もあるのだろう」
掠れ声で綴り、「だが」、と一言置くと、俺は声高に断言した。
「今は、独りで背負わなくて良い──この
「・・・!」
だから、お前達が自らに科す罪も、責務も──命も、俺が共に背負い、守ってみせる。
お前達に助けられた、恩を返すためにも。
・・・此の今を、生き抜くためにも!
「そして──サガッ!! お前もだッ!!」
「ッ・・・な、にを、」
「お前を独り置き去りになんてさせやしない・・・俺達は、サガを、取り戻してみせるッ!!」
ゴウッ!! と、熱風が渦巻き、四方へと吹き荒れる。
全身から溢れる霊血が粒子と舞い、純白の火炎に溶け、
命が、燃えていく。
「──ッ傲慢な!! 目障りだ・・・傀儡と生きる未来を受け入れんのなら、諸共に死ぬがいい、ヘリオスよッ!!」
激情のままに叫び、サガは、拳圧を放った。
最早、奥義を使う必要も無いと考えたのか。
それとも、僅かに働いた理性が、二度目の奥義の発動を躊躇わせたのか。
──だが。
その隙が、俺達の、活路への希望を生み出した。
「──クリスタルウォールッ!!」
キィィィンッ!!
甲高い音が夜空に響き渡った。
サガの放った拳圧が、極光の防壁に弾き返される。
そして、間髪入れず、俺は叫びを上げた。
「命よ、燃え盛れッ──
眩い火焔が解き放たれる。
全身から放たれた命の猛流は、光の粒子を撒き散らしながら虚空を邁進し──
「ハッ、笑止な、どこを狙って──」
言葉が、途切れる。
邪悪な笑みが、次第に、険しい表情へと変貌していく。
「言ったであろう──私の力を重ねるとッ!!!」
シオンが咆吼を上げると同時に──クリスタルウォールが、白銀に煌めいた。
・・・──時に光は、レンズやガラスなど、透明な物質を透過する際に、屈折することがある。
大気により不可視の空間を作り出す、アネモスの風王結界が、まさに良い例だ。
光の指向は、物質の形状により制御することが可能であり、光を反射、拡散させることも、
──収束し、膨大な熱量を生み出すこともできるのだ。
神の霊血を吸った、純白の炎──浄化の光。
そして、放たれた奔流を一点に収斂、極限まで凝縮する、シオンのクリスタルウォール。
「バ、バカな・・・その輝き、まるで、本物の神の──」
「俺の灯火を、
一条の軌跡が、暗闇を駆け抜けた。
凸レンズ、平行光、焦点距離・・・?
・・・教皇シオンが小宇宙で何とかしたのでしょう。
お気に入り登録並び、評価や、沢山の感想など、本当に感謝しかありません、ありがとうございます・・・!
時間を見つけつつ、更新していきたい所存ですが、聖闘士星矢の文字がランキングに入ったと分かり、思わずガッツポーズをしてしまいました。
聖闘士星矢の小説が増えることを願いながら、車田先生執筆、本日発売の風魔の小次郎を購入しに行きたいと思います。