五等分の勇者の混沌記   作:藤林 明

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ステータスの幕間は話数を追加する形で対応します。
(1話を更新していく形だとわかりにくい為)


サイド風太郎:フータローは私が守る1

解散してすぐ、風太郎と三玖は武器屋へと向かっていた。

 

三玖「あった。ここだよフータロー」

 

風太郎「おう。んじゃ、入るか」

 

武器屋の親父「いらっしゃい!…あれ?さっきの嬢ちゃんか?…だが微妙に雰囲気が違う?」

 

三玖「?」

 

武器屋の親父「っとすまねぇ。お客さん見ない顔だがもしかしなくても勇者様か?」

 

風太郎「まぁそんなところです。初心者用の武器と防具が欲しいんですけど」

 

武器屋の親父「なるほど。ちなみに予算はどれくらいで考えてるんだ?」

 

風太郎「…相場がわからないので何とも言えないですけど、銀貨700枚までなら出せます」

 

三玖「フータロー!?」

 

武器屋の親父「あんちゃん…交渉下手過ぎるだろ…」

 

風太郎の隣で驚いた表情の三玖と、呆れた様に頭を抱えてため息混じりな親父がツッコミを入れた。

 

武器屋の親父「いきなり全財産伝えたらダメだろ…」

 

風太郎「いや、全財産は伝えて無いですよ!」

 

武器屋の親父「そうなのか……ところであんちゃんは何の勇者なんだい?」

 

風太郎「…俺はこの魔導書が伝説の武器らしいです。何か聞いた事無いですか?」

 

武器屋の親父「魔導書……俺は聞いた事無いが、魔法屋なら何か分かるかもな」

 

風太郎「そうですか……」

 

三玖「…あ、あの!」

 

武器屋の親父「ん?どうしたんだ嬢ちゃん」

 

三玖「えっと…その…わ、私にも使える武器はありませんか!!」

 

武器屋の親父「…嬢ちゃん、こう言っちゃなんだが…戦った事あるのか?」

 

三玖「……無い、です…けど、フータローは私が守る…ううん。私が守りたいんです。…お願いします!」

 

武器屋の親父「嬢ちゃん…」

 

風太郎「三玖…」

 

俯いて、握った拳を震わせながら懇願する三玖に何も言えなくなる風太郎と店主。

 

風太郎「……店主、こいつが使えそうな盾と武器ってありますか?」

 

三玖「!」

 

武器屋「……無い訳じゃねぇが…良いのか?」

 

風太郎「えぇ。三玖が自分で考えて出した結論なのでこれ以上俺から言うことはありませんよ。…それに」

 

武器屋「それに?」

 

店主の言葉に少し間を空けてから風太郎は

 

風太郎「…女に泣かれるのは面倒だし」

 

そう答えた。それに対して店主は

 

武器屋の親父「(素直じゃないねぇ…)…ま、そういう事にしといてやるよ。準備すっからちょっと待ってろ」

 

生暖かい対応をしてあげたのだった。

 

〜〜〜〜

店主が裏に行ってる間、2人の間に会話は無くただただ無音の世界が続いていた。

 

三玖(フータローの事、困らせてるな私。…勉強は出来るようになって来たけど、運動はからっきしだし…はぁ…こんな事なら運動しておけば良かったなぁ……今だけは、四葉が羨ましい…)

 

風太郎(気まずい……だが何故か、不思議と居心地の悪さは感じない……やはり、こいつら五つ子にだいぶ毒されてきてるな俺も)

 

武器屋の親父(…コイツらはさっきの奴らより気まずい空間作りやがるな…どうして今日はこうも面倒な客ばかりなんだ…)「待たせたな。これなんてどうよ?」

 

そう言って出してきたのは銀鉄製の盾に、見慣れない形をした武器――片腕に嵌めるタイプのボウガンだった。

 

風太郎「……これ、もしかしてボウガンか?」

 

武器屋の親父「あぁ。嬢ちゃんは戦いの経験が浅い上に運動能力が高い訳じゃないから主な戦い方はその盾で守りながら隙を見てボウガンでけん制する感じの方がいいだろうと思ってな!」

 

風太郎「なるほど、それで盾のサイズが大きいんですね」

 

武器屋の親父「そういう事だ。基本は盾を両手持ちにして使うし要はあんちゃんの詠唱時間を稼げれば良いから別にソロで倒す必要も無い。攻撃も基本は敵の陽動程度できればいいわけだからな」

 

三玖「…………」

 

武器屋の親父「……ま、あとは嬢ちゃん次第だな。どうする?」

 

一通りの説明を終えた店主は三玖に問いかける。

 

風太郎「三玖……」

 

三玖「……うん、これでいい。どのみち盾を扱えない時点でフータローを守ることが出来ないから…」

 

武器屋の親父「おう。しばらく戦闘してみて慣れてきたら武器を変えるなりすればいいさ。何、焦る必要はないぜ」

 

三玖「うん。ありがとう親父さん」

 

風太郎「…とりあえずこれで決まりな訳ですけど、いくらなんですか店主?」

 

実は風太郎にとっては、三玖が戦えるかよりも装備にかかる金額の方が心配だったりする。

 

武器屋の親父「…とりあえず、あんちゃんにもこのマントを付けてやって…オマケして銀貨600枚だな」

 

三玖「!」

 

風太郎「高っ!?」

 

武器屋の親父「そらその盾がかなりの高価な商品だからな。…ちなみに本来の値段なら金貨3桁クラスだからな」

 

風太郎「…………」

 

武器屋の親父「ま、嬢ちゃんの気持ちに免じてツケといてやるからよ。頑張ってこい!」

 

三玖「うん!」

 

風太郎「………頑張ります」

 

こうして、装備を整えた2人は城下町を出たのだった。




次話書いたら尚文サイドへ行く予定です。

6/9 投稿順間違えてた為訂正。一部言葉訂正。
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