マルティ「!?あ、あなた自分が何を言っているかわかっているの!?」
四葉「ええ。あなたに言われなくてもわかってますが?…何ですか、もしかして怖いんですか?」
王「貴様、マルティを王女とわかって尚殺そうというのか!!」
四葉「そうですよ?…もしかして、アンタも死にたいんですか?モノ好きですねぇ…ししし」
会話をしながら四葉が玉座へと一歩一歩と近づくにつれ、マルティは一歩下がり、王はたじろぐ。
だが、そんな四葉の前に2人の勇者が立った。
風太郎「一旦落ち着け四葉」
尚文「そうだ。こんな奴らにわざわざ手を下さなくてもいい」
尚文と風太郎はそう言って四葉の説得を試みたが
四葉「……上杉さんと岩谷さんがそう言うなら、きっと殺さない方が良いんだと思います」
風太郎「そうだ。だから…」
四葉「ですがあの王と王女は、こんなイレギュラーばかりの状況でも何一つ変わらなかった!!…岩谷さんに、酷い事をした!!…これなら、この先だってコイツらがやる事は変わらないしみんなが不幸になるっ!……それがわかってて躊躇する程、私は馬鹿でもお人好しでもないっ!!」
風太郎「四葉…」
一花「…ごめんフータロー君。私も四葉に賛成かな」
激昂する四葉を目の当たりにして何も言えない風太郎。
だが、この状況で酷く冷静に一花が、中野家の長女が妹の過激過ぎる意見に同意した。
風太郎「一花まで何を言い出すんだ」
一花「私はこの先あの女が何をしでかそうとしてるのか知ってる。…そして四葉が言う様に、私達五姉妹やフータロー君というイレギュラーがいるのにここまでほとんど相違点が無いの」
風太郎「だからって…」
一花「うん。だからって殺す必要は無いって、そう言いたい気持ちは私だってそう。…だけどねフータロー君、現実は私達が思ってる程甘く無いんだよ」
風太郎「一花……」
尚文「……確かに、コイツらは一生クズのままかもしれない」
風太郎「……だからって…」
尚文「あぁ、風太郎の言いたい事は分かる。わざわざ四葉が手を下す必要は無い。俺もそう思うし、何より四葉」
四葉「…!」
尚文「…お前の姉妹、みんながお前に殺って欲しくないって思ってるんだ。何もお前1人で罪を背負う必要無いんじゃないか?」
尚文が指差した先に居たのは二乃、三玖、五月の3人であり、それぞれが否定的に、…そう。誰もが四葉に殺して欲しくないと願う様な仕草をしていた。
四葉「……でもっ…それでも私は…っ!」
そんな姉妹達を見た四葉は涙ながらに訴える。
四葉「大切な人達を今度こそ守りたいんですっ!!だからっ!!止めないでくださいっ!!」
尚文「なら俺は、俺の事を信じてくれたお前の幸せを守る為に止める!」
四葉の叫びに、尚文は負けないように声を張り上げ、そしてそのまま四葉を抱き締めた。
四葉「!?」
尚文「ここでアイツ等を殺せば、お前だけじゃなくてお前の姉妹全員が下手したら殺人犯として扱われるかもしれない」
四葉「!!…っ!」
尚文「それは四葉。お前だって望まないだろ?」
四葉「…はい」
尚文「ならさ、今動くのはダメなんじゃないか?」
四葉「じゃあどうしたら…っ!」
尚文(大丈夫だ。だから一旦落ち着け、な?)
四葉「……はい」
尚文の説得によって少し冷静になった四葉。
周りの空気も少し落ち着いた頃、この男が空気を読まずに手をあげた。
元康「なぁ、ちょっといいか?」
そう。何を隠そう槍の勇者こと元康である。
元康「マインちゃんと四葉ちゃんに何があったか知らないけど、尚文のパーティに居るのが問題ならウチのパーティにマインちゃん戻してもいい?」
尚文「……は?」
風太郎「……え?」
マルティ「元康様ぁ〜」
元康「いや、だってよ?元はと言えば最初にウチのパーティに居て、人数が少ない上に大変そうだからマインちゃんが気を利かせて尚文のパーティに参加しただけだし、必要無いなら戻してくれって話なだけで別に違和感無いよなーって思っただけなんだが…そんなに可笑しな話か?」
呆ける風太郎と尚文に対してさも当たり前の様に話し出す元康に、マルティは感極まった様な声を出す。
マルティ「流石は真の勇者様ですわ〜。どこぞの盾や女よりも見る目がありますわ」
四葉「……」
ブチッ
王「そうだな。では槍の勇者元康殿に我が娘マルティを付け、国より手厚い加護を施す事を約束しようではないか!」
錬「…何?」
元康「あ、それは別に良いわ」
王「!!…何故じゃ?」
元康「いや、別に元の鞘に戻っただけで優遇されても錬と樹に悪いと思っただけだが…?」
王「むぅ…まぁ、確かにそうじゃが…」
元康「だろ?だからま、ここは俺に免じて何も無かったって事で頼むわ。…尚文もそれで良いだろ?」
尚文「…俺は構わないが…」
元康「んじゃそゆことで!…二乃、マインちゃん行こうぜ、他の仲間が待ちくたびれちまう」
そう言って、元康は何事も無かったかの様に出口へと向かって行った。
結論
四葉は怒らせちゃダメ
※実は四葉は王と尚文以下勇者達とのやり取りをドア越しに聞いてたりする。