今話から新章突入です。
〜1か月後〜陰謀渦巻く波の戦い1
勇者が旅立ってからひと月が経ち、波が訪れようとしているある日の事。
城下町や周囲の集落からとある噂話が城へと舞い込んだ。その内容は
"兎耳の聖人"と呼ばれる猛者が慈善活動をしている
盾の勇者はあらゆる病気を治す名医
盾の勇者の従者は困ってる人を例え身を削ってでも必ず助ける
と言った内容のものから
魔導書の勇者に教わった生徒は灰色の頭脳を得られる
魔導書の勇者は灰色の頭脳の持ち主
魔導書の勇者の従者は闘技場の覇者
という様に、2人の勇者と従者に関する好評が殆どであった。
そして、波発生の当日の朝を迎える。
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尚文「いよいよ、か…」
空を見上げながら、尚文はそう漏らす。
その言葉に2人の従者――今や大切な仲間――が応える。
ラフタリア「はい。ナオフミ様」
四葉「そうですね…けど!私達は負けません。皆で無事に帰ってくるってエルハルトさんとも約束しましたから」
尚文「…そうだな。ってか四葉、エルハルトって誰の事だ?」
四葉「え?武器屋の店長さんですけど…」
尚文「……あいつの名前、エルハルトっていうのか…知らなかった…」
四葉「えぇ~…」
ラフタリア「ナオフミ様らしいです……」
四葉「ラフタリア、あんまり尚文君を甘やかしちゃダメだよ。放っておいたらこの人朴念仁になっちゃうからね」
ラフタリア「あはは…流石にそこまで酷くはならないんじゃ…」
尚文「四葉!ラフタリア!無駄話してると置いてくぞ」
ばつが悪くなった尚文は2人にそう声を掛けてその場を後にする。
……余談だが、四葉と尚文は城での一件やラフタリアを含めた三人での旅の間に絆が深まり、四葉の呼び方が<岩谷さん>から<尚文君>へと変わった。また同時にラフタリアは尚文の事を最初は<ご主人様>と呼んでいたが途中から<ナオフミ様>へと変わり、四葉に対しては最初<ヨツバお姉ちゃん>と呼んでいたが成長してからは<ヨツバ姉さん>と呼ぶようになった。
波まであと 00:15
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三玖「いよいよだね、フータロー」
風太郎「あぁ。そうだな」
風太郎と三玖のコンビは、商業都市”ゼルトプル”の闘技場の前で佇んでいた。
三玖「この日の為に私達は頑張ってきたんだよね」
風太郎「ああ、そうだ」
三玖「……私、生きて帰れるかな…」
風太郎「不安か?この闘技場で女王とまで言われても」
三玖「それは言わないで。恥ずかしいから…」
そう。三玖は腕試しと思って挑戦した闘技場で初出場・初優勝という快挙を成し遂げてしまったのだ。
元来、人見知りで恥かしがりやな三玖にとってあの満員の観客からの歓声にただただ恥かしかったので三玖個人としてはただの黒歴史なのである。
風太郎「……とは言えだ。あれだけ強い連中と戦って勝てたんだから自信を持て。それに、だ」
三玖「?」
風太郎「…お、俺はそんなお前を信じている。お前は、…三玖は絶対負けないよ」
三玖「フータロー……うん、ありがとう。……フータローの事は私が絶対守るから。必ず生きて帰って来ようね!」
そう言って二人は手を繋いだ。――この世界に来てから自信の持てない三玖に対して、勇気を与える戦いの前の儀式でもあるが。
風太郎「なぁ三玖」
三玖「うん?」
風太郎「もし、何事も無く帰ってこれたら――――」
三玖「!!」
波まであと 00:05
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エルハルト(嬢ちゃん達の装備はしっかり整えてやった。コンディションも悪くはないだろう。…だがそれでも不安が尽きないのはきっと…)「……生きて帰って来いよ。勇者共」
武器屋のカウンターで店主は五つ子と勇者の無事を祈っていた。
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オルトクレイ王「いよいよか……」
教皇「そのようですね」
オルトクレイ王「……この戦いで盾の悪魔が消えてくれればよいのだが……」
教皇「流石に最初の波で浄化はされないでしょう。アレは悪魔なですから」
オルトクレイ王「むぅ……」
教皇「まぁ、今回の勇者がどれほどのものか見せてもらいましょう」
オルトクレイ王「そうだな……」
教皇「では、手筈通りに頼みましたよ王」
オルトクレイ王「分かっておる」
王とメルロマルクの国教である三勇教の教皇が暗躍の序曲を奏でる。
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勇者一行と五つ子姉妹の未来はいかに!
波まであと 00:00
サブタイは変わるかも