00:00となった瞬間、それぞれの勇者と仲間が一斉に転送された。
そこは、空に大きな亀裂が生まれたかのようにヒビが入っており、不気味なワインレッドに染まっていたのだった。
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ラフタリア「空が……」
四葉「ここは……」
尚文「リユート村の近くのようだな…っ!2人ともあれを見ろ!!」
場所を確認した尚文はリユート村の方を見て叫ぶ。そう、村の方から火の手が昇っているのだ。
四葉「もう避難は済んで――」
尚文「済んでる訳無いだろ!出現場所が不特定なんだぞ!」
四葉「っ!!――急ぎましょう!!」
尚文「ああ!」
ラフタリア「はい!」
盾の勇者パーティはリユート村へと急行した。
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村に着くと、丁度、波から溢れていた化け物たちが暴れていた。
駐在していた騎士と冒険者が辛うじて化け物たちと戦っているが、多勢に無勢……防衛線は決壊寸前という状況に、即決した四葉に対して感謝をした。
尚文「流石四葉だな!」
四葉「褒め言葉はここの村民の避難誘導が終わってから聞きますよ!――ラフタリア、村民の避難誘導をお願いします!!」
ラフタリア「は、はい!」
四葉「私と尚文君は」
尚文「避難が終わるまで敵を惹き付ける!だよな」
言葉もそこそこに3人は動き出した。
ラフタリアは避難誘導をしている村人と合流し、四葉は防衛線に駆け出しイナゴの群のような魔物へ剣を振るい、尚文はそんな四葉を盾で援護した。
四葉「せいっ!」
ザシュッ
「よ、ヨツバ様?」
四葉「はい!……皆さん!私達が引きつけている間に体制を立て直してください!!」
「は、はい!」
「た、助け――!!」
尚文「エアストシールド!」
「……あ、ありがとう」
尚文「早く逃げろ!」
そうして2人は避難誘導が終わるまで住人を助け続けた。
しばらくすると突然火の雨が降り注いできた
尚文「くっ…四葉!」
四葉「きゃっ!」
四葉を自身の盾で守りながら火の出所を見ると騎士団が到着し、魔法が使える連中が火の雨をこちらに向けて放っていたのだった。
尚文「おい! こっちには味方がいるんだぞ!」
「ふん、盾の勇者か……頑丈な奴だな」
騎士団の隊長らしき人物は、尚文を見るなりそう吐き捨てた。
四葉「……おい」
ガキン!!
騎士団の隊長らしき人物の台詞が聞こえたと同時に吐き捨てた人物へと四葉が剣を振りかぶり鍔迫り合いになった。
四葉「あんた達さぁ、尚文君だって知ってて魔法使ったでしょ?」
「盾の勇者の仲間か?」
四葉「そうだよ。…私も危うく死ぬところだったな」
「五体満足なのだから良いじゃないか」
四葉「……いい加減殺してもいいかな…?」
「!?」
殺意全開の四葉の殺気に騎士団の隊長らしき人物はふと思い出した。この少女は城で王の殺害宣言をした奴だと。
しかし、様子を見ていた一人の騎士が四葉の死角から攻撃しようとしたのが見えた尚文はすかさず
尚文「シールドプリズン!」
盾の牢獄に閉じ込め、四葉の援護をした。そして多勢に無勢を働こうとした騎士達を睨む。
「な、貴様――」
尚文「……敵は波から這いずる化け物だろう。履き違えるな!」
「犯罪者の勇者が何をほざく!」
尚文「なら……俺は移動するから、残りはお前達だけで相手をするか?」
「ぐっ…!」
ラフタリア「避難誘導完了しまし…た」
尚文「ありがとう助かった」
ラフタリア「いえ…それよりも、これは一体…」
尚文「気にすんな。それよりもまた四葉の事頼めるか?」
ラフタリア「は、はい!」
指示に従い、ラフタリアは四葉の元へ走っていった。
それと同時に牢獄の効果時間が切れた。
「くそ! 犯罪者の勇者風情が」
尚文「そうか。お前は……死ぬか?」
「…………」
尚文「…それでいい」
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その後、波から溢れ出た化け物の処理はある程度完了した。
ラフタリアが前線に復帰した事で想定よりも早い段階で駆逐に成功し、今は防衛戦に徹している。
四葉「…皆、大丈夫かな?」
尚文「まぁ、四葉が知っている映画の展開よりは良くなっているだろ」
四葉「そうだと良いんですが……」
ラフタリア「ヨツバ姉さんのご家族ですか?」
四葉「うん。これが終わったらラフタリアにも紹介するね」
ラフタリア「はい、楽しみにしてます」
そして、空の亀裂が収まったのは数時間も後の事だった。
次回は風太郎視点です。