陽も落ち、夜になってから城で開かれた大規模な宴に王が高らかに宣言した。
王「いやあ! さすが勇者だ。前回の被害とは雲泥の差にワシも驚きを隠せんぞ!」
ちなみに死傷者は一桁に収まる程度だったとの事。――それが誰の成果なのかは火を見るより明らかではあるが。
樹「一花さんの話では、僕と錬さん、元康さんは誰の活躍で被害が少なかったかを理解せず自惚れていたそうですが…一体どうしたらそんな状態になるんでしょうかね…?」
錬「……大方、褒められた上にすんなり事が進んだせいでゲーム感覚で戦ったからじゃないかと思うぞ。…実際、俺はこの世界に来た当初は浮かれてた自覚があるからな」
一花「レン君……大丈夫、それが理解出来てるならきっと間違わないよ!これからもっと強くなろう?」
錬「…ああ、そうだな。これからも宜しく頼む」
樹「……随分と仲が良いですね。何かあったんですか?」
錬「…別に」
五月「一花、不純異性交遊はダメですからね!」
一花「もー、五月ちゃんは固いな〜」
そんな感じで正史では交友が無い2人は思い思いの過ごし方をしていたのだった。
一方で
ラフタリア「ご馳走ですね!」
尚文「食いたければ食って良いぞ」
ラフタリア「はい!」
尚文「四葉も…」
四葉「んむぅ?」モグモグ
尚文「……そうだな。お前はそういう奴だったな」
尚文達も隅っことはいえのんびりとこのひとときを過ごしていた。
すると突然元康から声を掛けられた。
元康「おい尚文!」
尚文「ん?どうした?」
そして手袋を投げられこう宣言された。
元康「決闘だ!!」
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尚文「いきなり何言ってんだ、お前?」
尚文は困惑していた。正史ではヴィッチことマルティ王女の陰謀によって仕組まれた決闘を、まさか元康自身から言われるとは思ってなかったというのが大きい。
元康「聞いたぞ! お前と一緒に居るラフタリアちゃんは奴隷なんだってな!」
尚文「あぁ、そうだが…」
元康「人は……人を隷属させるもんじゃない! まして俺達異世界人である勇者はそんな真似は許されない!…これは、誰でも無い俺自身の意見だ」
尚文「…………そういう事か。というか何を今更だ。生憎ここは異世界で奴隷だって存在する。お前らみたいにこの世界での仲間が居ない俺が使って何が悪い」
元康「開き直るんじゃねーよ!俺が勝ったらラフタリアちゃんを解放しろ!」
尚文「なんでそんな勝負しなきゃいけないんだ?俺が勝ったらどうするんだよ?」
元康「その時は…ラフタリアちゃんの事は今後何も言わない」
尚文「話にならないな」
オルトクレイ王「待て」
尚文「……何だ?」
オルトクレイ王「モトヤス殿の話は聞かせてもらった。勇者ともあろう者が奴隷を使っているとは……噂でしか聞いていなかったが、モトヤス殿が不服と言うのならこのワシが命ずる。決闘せよ!さもなくば奴隷を没収する」
ラフタリア「ナオフミ様!」
尚文「…………!」
尚文が気付いたときには既にどこからか兵士達がやってきてラフタリアが兵士達に捕縛されていた。
尚文「……チッ!決闘には参加させられるんだよな?」
オルトクレイ王「決闘の賞品を何故参加させねばならない?」
尚文「な! お前――」
四葉「――待てよ」
オルトクレイ王「!?」
オルトクレイ王が決闘場所を指定しようとした矢先、その場に居た誰もが聞こえるような声で遮ったのは四葉だった。
オルトクレイ王「な、なんじゃ」
四葉「その決闘、私も参加するけど文句は無いよね?」
オルトクレイ王「何を言う。これは勇者同士の決闘であって――」
四葉「黙れ。…尚文君に戦う力が無いのを知っててそういう言い方すんの?…あとさぁ」
オルトクレイ王「な、なんじゃ!まだあるのか?」
うろたえるオルトクレイ王へ最大限の声量で言い放った。
四葉「私の可愛い妹を茶番の景品にされて黙ってられるほど今の私は馬鹿じゃないからな!!覚悟しろよ腐れ外道共!!!!」
四葉はラフタリアを溺愛してたりする。
そこがキーですが果たしてどうなるか…。
次回、デュエル開始!!
もとい決闘開始!!