五等分の勇者の混沌記   作:藤林 明

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ひとこと。
ラフタリアは今回の決闘では空気です。ごめんなさい。


決闘!槍の勇者 VS 盾の勇者後編 ~茶番で終わるハズだった~

二乃「あいつ…っ!」

 

魔法を放った犯人であるマインを見て二乃は睨みつけるも、当の本人はしてやったりという笑みを浮かべ、あっかんべーと挑発していた。

 

二乃「くっ!四葉、あいつの…ってアレ?」

 

四葉を連れてマインの所へ行こうとしたが、ふと四葉がいない事に気付いた。

そして、悲劇は起きた。

 

「きゃああああああっ!」

 

1人の観客の悲鳴が、目の前の現実を現実たらしめたのだった。

 

=================

 

――――時は少しだけ遡る。

 

尚文「てめえええええ!」

 

マインが自身に対して魔法を放った事に気付いた尚文はそう叫びながらマインの方へ動こうとした矢先、元康がバルーンを全て倒し終えて攻撃を仕掛けてきた。

 

元康「うおおおおおおおおおおおおお!――ライトニングスピアー!!」

 

――恐らく現時点で最強であろう槍のスキルを放ってきた元康の攻撃を

 

尚文「ぐああああっ!!」

 

まともに受けてしまった。

 

元康「はぁ……はぁ……俺の、勝ちだ!」

 

尚文「ぐっ…まだ…だ!」

 

……正史では、レベルが高い元康の攻撃で力尽きていたが、現実は尚文の方がレベルが高かった事もありなんとか持ちこたえた。

 

元康「はんっ。しつこいな…そのまま倒れていればいいものを」

 

尚文「うるせぇ…何が勝ちだ、卑怯者!」

 

元康「何の事を言ってやがる。お前が俺の力を抑えきれずに立ち上がらせたのが敗因だろ?」

 

尚文「お前の仲間が決闘に水を差したんだよ! だから俺はよろめいたんだ!」

 

元康「負け犬の遠吠えか?」

 

尚文「こいつ…っ!」

 

元康「まっ、負け犬の遠吠えは後で聞いてやるから、今はおとなしくくたばりやがれっ!!」

 

尚文「っ!!」

 

立っているのがやっとの尚文に対して止めを刺さんと元康が突っ込んでくる。

勿論、今の尚文には受けれるだけの余裕は残っていない。

――しかし、その凶刃が尚文を捉える事は無かった。何故なら

 

ザクッ!!

元康「な…っ!?」

 

「っ!……ごふっ!」

 

尚文「え……?」

 

攻撃を受ける直前に、尚文を後ろへ突き飛ばし、代わりに槍で体を貫かれたひとりの少女がいたから。

そう。

 

尚文「四葉ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

咄嗟に身代わりとなった四葉のおかげで。

 

@@@@@@@@@@@@@@@@@

 

五月「よつ……ば……?」

 

三玖「なんで…っ!?」

 

一花「うそ…でしょ…?」

 

二階の客席から惨劇を見てしまった姉妹は放心状態で、現実を受け入れられず

 

錬「…………」

 

樹「こんな事になるなんて……」

 

風太郎「あいつまた…っ!!」

 

ここが現実であると見せつけられた事で絶句している錬と樹に対して四葉の過剰な自己犠牲を気にしていた風太郎は取り乱す。

客席は、混乱と困惑で満ちていた。

 

~~~~~~

 

二乃「あの馬鹿っ!!」

 

周りの声で我に返った二乃は、四葉の元へ走って行った。

 

~~~~~~

 

元康「何…を」

 

四葉「はぁ……はぁ…っ……い、痛い…なぁ…」

 

元康「何故…そいつを体張ってまで庇ったんだ…」

 

元康は困惑した。何故、決闘を文字通り体を張って止めたのか?…と。

 

四葉「……それは…あの女が…っ…ごふっ…この試合に…反則…したから…だよ…っ…ごほっ!」

 

元康「!!」

 

尚文「…………」

 

この時、尚文は身体の底から沸騰するような怒りが全身を駆け巡っていた。

そして、以下のメッセージが表示されると同時に、盾から鼓動を感じた。

 

”カースシリーズ ――の盾の条件が解放されました”

 

そして、心の底から溢れるドス黒い感情が盾を侵食していくのも感じていた。

しかし――

 

四葉「尚…文…君っ…」

 

尚文「!」

 

四葉「自分を…見失わな…い…で…ね…」

 

そう言って、四葉は意識を手放した。

 

二乃「元康どけ!!」

 

元康「ぐあっ!」

 

横たわる四葉へと駆け寄って来た二乃は邪魔な元康を蹴飛ばすと

 

二乃「――力の根源たる二乃が命ずる。真理を今一度読み解き、かの者の傷を癒せ––ツヴァイトヒール!!」

 

治癒魔法での治療を始めた。

 

二乃「……良かった。致命傷にはなってない!もう一度っ!力の根源たる二乃が命ずる。真理を今一度読み解き、かの者の傷を癒せ――ツヴァイトヒール!!」

 

尚文「……生きてる、のか…?」

 

二乃「そうよ!!だからあんたは、四葉に言われた通りしゃんとしなさい!!――ツヴァイトヒール!!」

 

元康「……後味が悪いな」

 

二乃「お前は後で覚えてろよクズ!」

 

元康「す…すいませんでした…!」

 

二乃「アタシに謝るな!…今じゃなくて良いから、岩谷と四葉にちゃんと謝りなさい!!…それで許してあげるわ」

 

元康「……ラフタリアちゃんが洗脳されている疑惑はどうすんだよ」

 

二乃「あ?」

 

元康「ヒィッ」

 

二乃「…あの子は望んで奴隷になったのよ。それなのに、勝手に早とちりして決闘なんかして…」

 

元康「…………」

 

二乃「…よし終わり。…岩谷!四葉をお願いね。アタシはコイツに色々話さないといけないから」

 

尚文「あ…あぁ…」

 

そう言ってから、元康を連れてその場を離れようとする二乃。そして

 

マイン「……ちぇっ! おもしろくなーい」

 

オルトクレイ王「ふむ……非常に遺憾な結果だな」

 

決闘に決着がつかなかったのをいい事に、言いたい放題言って城へと引き上げる王と王女。

――しかし

 

オルトクレイ王「む?」

 

マイン「何よ?あなたたち」

 

錬「悪いな」

 

風太郎「ここから先は」

 

樹「通行止めです」

 

そう言って、城への通路を封鎖する勇者が3人と

 

五月「こんな事になって」

 

三玖「黙ってられる程」

 

一花「私達はお人よしではないので、…先に手を打ちたいと思います」

 

そのパートナーである3人の姉妹が修羅の形相で待ち構えていたのだった。




さて、元康と王族コンビはどうなることやら…
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