四葉の治療を終えた二乃は、元康を引っ張ってその場から離れた。
その後のお話……
元康「…………」
二乃「…………」
マルティ「モトヤス様!」
2人が入場口へ戻った時、そこには今回の主犯である第一王女・マルティが仁王立ちをしていた。
元康「…マイン?」
マルティ「何故最後までやらないのですか!?あと少しで勝利出来たものを…」
元康「勝てた…ってお前あの状況で戦えと!?」
マルティ「それは当然ですわ。これは――」
二乃「ふざけんじゃないわよ!!」
マルティのあまりにも自分勝手な言い分に隣で聞いていた二乃はキレた。
二乃「アンタ!人が1人死にかけたのに何よその言い方は!?」
マルティ「…何を言い出すかと思えば。今日ここでモトヤス様が犯罪者を倒し華麗なる勝利を挙げる事で、三勇者の中で一番優秀である事をしらしめる事ができるのですよ?」
二乃「そんな事に何の意味があるのよ!?アンタの頭どうかしてんじゃないの?」
元康「…悪いが俺も同感だ。人を殺してまで名声を欲しいとは思わない。…それが例え尚文だろうがな」
マルティ「モトヤス様!?」
元康「それに、…二乃ちゃんの妹を殺したくはない」
マルティ「!!…くっ……ふんっ!」
元康の表情と言葉を聞いたマルティは面白く無さそうにその場を後にした。
二乃「……元康、アンタ…」
元康「……」
二乃「…少し、部屋で話しましょう」
元康「…ああ。わかった」
元康の雰囲気を察した二乃はそう提案し、先に歩き出した。また、それを追う様に元康もゆっくり歩き出した。
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「槍の勇者様のお部屋はこちらになります」
元康「あぁ、ありがとう」
「それでは失礼致します」
部屋を案内したメイドは一礼してからその場を辞した。
そして、部屋には元康と二乃、2人だけとなった。
二乃「…………」
元康「…………」
そして、部屋内には静寂が訪れた。
二乃「……ねぇ」
元康「……二乃ちゃん。すまなかった…俺は…」
二乃「はぁ…やっぱり気にしてたのね……。いい?アレは事故よ事故。故意でやったんじゃないんならそんなに気にしなくてもいいわ。結果的には死人が出なかったんだし。それにアンタに対しての制裁はちゃんとしたし、アンタも受けたわ。…勿論、後で四葉に謝る前提だけどね」
元康「二乃ちゃん……俺は……俺は……」
二乃「…ええ。人を殺しかけて、平静な人間なんていないわよね。…この世界では当たり前でもアタシ達の世界ではニュースで見る位で日常の光景じゃないわ。…ましてや、自分が殺人犯になりかけたら怖くなるのも当然よね…」
そう言って、元康を抱き締める二乃。
元康「…怖かった…俺が……俺がゲーム感覚でロールプレイしたせいで殺してしまったんじゃないかって…!」
二乃「やっぱりね……それにアンタ、最初から勝つ気無かったでしょ?」
元康「……バレてた…のか…はは…情けねぇな、俺」
二乃「……別に情けなくはないわよ。その…あんな事が無ければアタシとしては……ねぇ」
元康「…………」
二乃「……今日は、その……一緒に寝ましょうか」
元康「……二乃ちゃんが…良いなら」
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夜、ベットにて。
元康と二乃は大きいベットで二人、背を向けて布団に入っていた。
元康(……二乃ちゃん、震えてる…無理もないか。身内が殺されかけたんだもんな……それなのに…俺に気を使ってこうして…いや、違うか。二乃ちゃんも怖かったんだろうな…)
二乃(はぁ…フー君とも寝た事無かったのに、元康とはこれで何回目よ…!……でも、しょうがないわよね…あんな事があって、コイツが平然としてられないって知っちゃってる以上、ほっとけないわ……ってアタシ本当にお人好しね。フー君にも言われた事あったけど、ダメね。気になっちゃうわ……はぁ。アタシも四葉の事言えないな…)
こうして、2人の夜は更けていった――
次回から新章です。