五等分の勇者の混沌記   作:藤林 明

34 / 44
説明長過ぎて終わらなかった…


風太郎サイド:2人の日常の一コマ3

三玖とナディアのペアはこの闘技場ではそれなりに有名である。

理由は割りとシンプルだったりする。それは――

 

・・・・・

ナディア「じゃあミクちゃん、いつも通りでね~」

 

三玖「はい!」

 

――カンッ!!

 

ゴングが鳴ると、檻の中からウルフ系の魔物が5匹出てきた。

 

三玖「ヘイトリアクション!」

 

スキルを発動すると、ウルフの集団は三玖へと突進していった。

 

三玖「っ!」

ガンッ!

ガンッ!

ガンッ!

ガンッ!

ガンッ!

 

そして三玖は全ての突進を盾で受けきった。そこへ

 

ナディア「力の根源たる我が命ずる…真理を今一度読み解き我らに仇なす敵へ雷を降らせよ!――――ツヴァイトライトニング!!」

バチバチッ!!

 

ギャン!!

 

ナディアの魔法がまとまっていたウルフの集団へと決まる。

 

ナディア「今よミクちゃん!」

 

三玖「はい!――ダブルシュート!!」

パシュン!

 

ギャン!!

 

そこへ三玖の攻撃が決まり、ウルフの集団へトドメをさした。

 

――カンッカンッカンッ!!

 

うおおおおおっ!!

 

「おーっと!早いっ!正しく瞬殺だぁーっ!!この最強ペアには倒せない魔物はいないと言っても良いほどに強過ぎるーっ!!」

 

ナディア「ほらほら~、ミクちゃんもお客さんに応えないと~」

 

三玖「……恥かしい…!」

 

「おぉ…」

 

「恥らう姿もいいなぁ~」

 

暢気に手を振るナディアに対して三玖は手で顔を覆い縮こまってしまうのだが、その姿み見入ってしまうお客もいるので結果的に三玖は目立ってしまう。そして…

 

「バトルクイーン(闘技場女王)の称号は彼女にこそ相応しいよなぁ~」

 

「いやいや、彼女はバトルプリンセス(戦闘姫)の方がいい!」

 

観客同士の言い合いが始まるのもまた、最近のコロシアムでは名物となっていた。

 

・・・・・

閑話休題。

つまり、この2人は単純に強いのである。

 

三玖「ナディアさん、今回の試合どうでしたか?」

 

ナディア「そうねぇ~、…やっぱり波での戦いを経験したからか、前よりも怯えみたいなのが無くなったわ。…きっと、ミクちゃんが努力し続けたからだわ」

 

三玖「いえ…私なんてまだまだですよ…」

 

ナディア「あらあらー、謙遜しすぎよ~…前にも言ったけど、謙遜し過ぎるとただの卑屈になるわ。だからね?ある程度の自信を持つ事は必要なのよ」

 

三玖「ナディアさん……」

 

ナディア「……それでも、まだ気になるなら最後の攻撃を受けた時、次の反撃に繋げる様に受け流せるようにしましょうね」

 

三玖「……はい。ありがとうございます」

 

ナディア「さて、それじゃあ次の試合も頑張りましょうね」

 

三玖「はい!」

 

――――この様に、三玖はナディアと仲良くなってからは日中はずっと闘技場で腕を磨いているのだった。

 

@@@@@@@@@@@@@@

 

風太郎「――――と、こんな感じでここの問題は解くんだ。分かったか?」

 

「「「「はーい!」」」

 

――――キーンコーンカーンコーン

 

風太郎「…よし、午前の授業はこれで終わりだ」

 

「「「ありがとうございました!!」」」

 

風太郎「…さて、弁当食ったら久々に魔法屋にでも行ってみるか」

 

そう呟くと、風太郎は職員室(正確には荷物置き場)へと向かった。

 

~~~~~

 

三玖が闘技場でトレーニングをしている間、風太郎はというと、午前中は学校(寺子屋?)での授業、午後はゼルトブルの魔法屋で魔法の書を読むか、購入して自宅で読むかという感じで過ごす様にしている。

……実は到着したばかりの頃に一人でこっそりレベル上げに行った事があるが、その事に気付いた三玖に帰宅してから号泣され、泣きつかれた為レベル上げをする際は三玖と一緒に行く様にしているのだ。

 

風太郎「……ここに来るのも久々だな」

 

店の前で懐かしむように呟くと中に入って行った。

 

魔法屋「いらっしゃ…あらまぁ久しぶりじゃないの」

 

風太郎「お久しぶりです。新しいの何か入りましたか?」

 

魔法屋「そうねぇ……初級のが少し入ってきたけど、中級と上級は代わり映えしてないわ」

 

風太郎「そうですか……じゃあその本ください」

 

魔法屋「はいよ」

 

魔法屋が用意した2、3冊の魔法書を中身を確認せずに購入した。…これも、ゼルトブルに来てからの風太郎の習慣である。

 

風太郎「ありがとう。また来るよ」

 

魔法屋「はいはい。…あんまり連れのお嬢ちゃん泣かすんじゃないよ」

 

風太郎「う……わかってますよ…」

 

…そんな会話も、この2人にとっては割りと普通の会話である。

実は先述のソロプレイの際に、三玖は魔法屋と武器屋へ半泣きで風太郎の所在を知らないか聞きに来た経緯があるので会う度にこの話を振られるのだ。

 

そして、風太郎は食料や日用品を市場に買いに行く担当でもあるのでその足で必要な物を買って行く。

…これに関しては風太郎が三玖の高級嗜好を警戒した結果であり、同時に三玖1人に家事をやらせるのはどうかと考えた末の案である。(この部分に関しては最初三玖は自分がやると言っていたが、ある言葉を聞いて納得したという経緯があったりする)

 

風太郎「…さて、そろそろ帰るか」




次回で最後。
…終わらして本編戻るんや…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。