だが、これで――
一通りの買い物を済ませた風太郎はこの世界での家へと帰宅した。
…勿論帰宅は風太郎の方が早いので購入した本を読んだり荷物整理をして三玖の帰りを待つのも風太郎の日常となっている。
だが、今日はどうやら<遅く帰る日>の様で、夕方になっても帰ってくる気配が無かったので風呂の用意をしてから新しく買った魔法書を読みながらお茶を飲んで待つ事数時間。
三玖「ふぅ…ただいまー」
風太郎「おう。おかえり三玖」
少し急いだのか、少しだけ息を切らせて三玖は帰って来た。
三玖「遅くなってごめん。すぐにご飯準備するね」
風太郎「気にすんな。それより先に風呂入って来いよ…今日は結構派手にやったみたいだしな」
風太郎の言った通り、三玖の服は部分的に汚れたり破れたりしていた。
三玖「う……ごめんフータロー。久しぶりだったから師匠張り切っちゃって…」
風太郎「あーあの人かー…なら仕方ねぇよ。断った方が面倒だしな」
三玖「うん……それでもごめん…」
風太郎「必要以上に謝る必要ねぇっていつも言ってるだろ…」
三玖「でも…」
風太郎「はぁ…。とにかく、先に風呂入っとけ。俺はもう済ましてるから遠慮すんな」
三玖「……わかった。ありがとうフータロー」
風太郎「おう」
軽く凹んでいる三玖を風呂へ促すと、苦笑しながらも三玖は風呂へと向かった。
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三玖「…おまたせ」
風太郎「ああ」
三玖「ご飯何がいい?」
風太郎「そうだな……何か軽めので頼む。明日も早いんだ」
三玖「ん。わかった」
・・・
三玖「お待たせ。サンドウィッチで良かった?」
風太郎「ああ、今日はこれで充分だ。…いただきます」
そう言って食べた三玖のサンドウィッチ、その中身はシンプルなものだ。
緑の葉野菜と干し肉(旅の残り物)を長めのパンにはさんだものだが、さりげなく混ぜられた香辛料がアクセントとして良い味を出した、三玖の自信作のひとつだったりする。
風太郎「……うん。美味いな…何度食べても」
三玖「サンドウィッチだもん…何度も作ってたら上手くもなるよ」
それでも二乃よりは劣ってるだろうけど、と苦笑いで続ける三玖に対して風太郎は至極真面目な表情で
風太郎「何言ってんだよ。お前の努力が実った結果じゃねぇか。…確かに二乃の作った料理の方が美味いかもしれないが、これはお前が俺の為に作ってくれた料理なんだ。”想い”っていうスパイスが効いてる分俺にとっては三玖が作ったこれの方が数段美味いよ」
と伝えると、三玖は照れながらもありがとう…と答えた。
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夕食を終えた2人はいつもより早くベットに入った。
理由は、疲れたから。
そして、2人の寝室にはダブルベットが1つ部屋の中心に置かれている。――つまり、2人はひとつのベットで寝ているのだ。
この事は他の姉妹には秘密にしていたりする。理由は……言わずもがな。
風太郎「…今日も、生き延びたな」
三玖「そうだね…」
そして2人はこちらの世界に来て、ここゼルトブルで共同生活(同棲ともいう)をしてからずっとしている会話を2人同じ布団で交わす。
風太郎「…三玖の事は、俺が守る。そして一緒に元の世界に帰ろう」
三玖「…うん…私も、フータローの事を守る。皆と約束したから」
風太郎「三玖……なぁ、波の戦いに行く前に話した事、覚えてるか?」
三玖「…うん」
風太郎「…俺は本気だ。だから、三玖の気持ちの整理がついたら、…聞かせてくれ」
三玖「……ありがとう、フータロー。…待たせる事になっちゃってごめんね?」
風太郎「気にすんな。…さて、寝るか」
三玖「うん……おやすみ、フータロー」
こうして、2人の夜は更けていく――――
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風太郎「なぁ三玖」
三玖「うん?」
風太郎「もし、何事も無く帰ってこれたら……」
三玖「来れたら?」
少し間を空けて、告げた。
風太郎「…………け、結婚しよう!」
本編(尚文サイド)へいける…っ!