そして気付きました。
いろいろ端折り過ぎて読者の方に想像補完して貰う事を強要している事に。
すいません…
四葉「すみません!今日はも…う…」
唐突に鳴った来客を告げる音に対して、四葉が対応しようと扉の方へ顔を向けると、そこには四葉の見知った男女2人がいた。
男「よ、半日ぶりだな」
2人のうちの男の方がそう声を掛ける。
女「姉さん…」
女の方は四葉を見ながら心配そうに遠慮気味に声を掛ける。
四葉「……尚文君…ラフタリア…」
2人の正体――男の方が尚文、女の方がラフタリア――である事に疑いの余地は無いが、正直に言うなら今一番会いたくない2人でもあった。
四葉「どうして…ここにいるってわかったんですか?」
ラフタリア「実は……街を歩いていたら”武器屋の親父に春が来たらしい”って会話が聞こえてきて…」
尚文「正直、そんな浮いた話聞いた事も無かったんだ。そんなわけあるかって思ったんだが…その話に出てきた女の特徴が四葉そのものだったからな。だから近くから店の様子を見ていた」
事情を聞いた四葉は「あの人たちかぁ…」と、遠い目になりながら納得した。
――話を聞いていた武器屋の店主ことエルハルトは「あいつら…」と頭を抱えつつ「とりあえずアンちゃんは後で一発殴らせろ」と負のオーラを纏いながら呟いたが、誰も聞いていなかったのは余談である。
尚文「…それで?噂話の真偽はともかく、気持ちは決まったか?」
四葉「…………」
ラフタリア「ナオフミ様…少々急かし過ぎなのでは?」
尚文「確かに、ラフタリアの言う通り結論を急ぎ過ぎている事は否定のしようがない。だが、俺達はこれから波と戦うんだ。強くなる為の時間が有限である以上は、仕方ない事なんだよ…」
ラフタリア「ナオフミ様……私は…」
尚文「…まぁ、そうは言っても簡単な問題じゃないんだ。俺は親父と奥で話しをしてくる。2人でゆっくり話しでもしててくれ」
ラフタリア「!……はい!」
ラフタリアの返事を聞きつつエルハルトに「今後の相談がしたい。奥で話をしよう」と提案し、「こっちだ」とエルハルトは尚文を先導して店の奥へと歩いていった。
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ラフタリア視点
ナオフミ様と親父さんが奥の部屋と移動してから、少しの間静寂が訪れた。
そして、姉さんは
四葉「…ごめん、お店の閉店作業が少し残ってるからやっちゃっても良いかな?」
ラフタリア「あ…は、はい!私も手伝います」
四葉「…ありがと。じゃあ――」
そう言ってから作業を始める私と姉さん。もちろん作業中は事務的な会話しかしない。
…正直、私自身姉さんと話すのが怖かった。姉さんの口から直接別れの言葉を聞きたくなかった……だから私はヨツバ姉さんに声をかけられなかった。
そうして約30分後、作業も終わってまた静寂が店内を支配した。
四葉「……ラフタリア」
私の心情を悟ってか、それとも姉さんの中で覚悟ができたのか。苦笑気味に姉さんの方から声を掛けてきた。
四葉「ごめんね、心配かけて。いっぱい、不安にさせちゃったよね。…でも、もう迷わない!私は尚文君とラフタリア、2人について行くから。ラフタリアを買った時にした【貴女をひとりにしない】って約束を果たすから」
そして、決意の篭った目で私を見ながら、そう言ってくれた。
そう言ってくれただけで、私の涙腺は限界だった。
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視点戻り。
夕日が落ちきり、宵闇が支配をする頃(時間的には21時)
尚文とエルハルトが奥の部屋から店内へ戻ると、床に座る四葉に膝枕されて眠るラフタリアという図がそこにあった。
四葉「あ、お2人とも遅いですよ。残ってたお店の閉店作業、私とラフタリアで終わらせておきましたから」
エルハルト「お、おう。…すまねぇな嬢ちゃん、助かったぜ」
尚文「…ラフタリアは?」
四葉「…ついさっき寝ちゃいました。…身体は大人でも中身はまだ子供のこの子に、私はなんて無責任な事をしそうになっていたんだろうって、思い知らされました。だから尚文君」
四葉「私は、貴方について行きます。ラフタリアの為に、私の為に…。これは、私が決めた、私の意志です!」
そう言って四葉は尚文へと視線を向ける。――それは、決意の篭った真剣な瞳だった。
尚文「……わかった。お前が自分で考えて決めた事だ。俺は四葉、お前の意志を尊重するよ」
四葉「!!……ありがとうございます!」
エルハルト「よかったじゃねぇか嬢ちゃん」
四葉「はいっ!!…あ」
ラフタリア「んむぅ~……あれ~?話し合いは終わったんですか~?」
四葉の声量に反応して寝ぼけ眼でラフタリアが問いかける。
尚文「あぁ。ちょうど今終わったところだ」
エルハルト「ははっ!嬢ちゃんもこんな状態だしな!今日は泊まってけよ」
尚文「良いのか?」
エルハルト「一日くらい良いって事よ!それに、嬢ちゃんには今日一日世話になったからな。んじゃ、部屋用意してやっからちょっと待ってろよ」
四葉「ありがとうございます!この恩は必ず返します!」
エルハルト(おいおい、お人好しにも程があるだろ…ま、それが嬢ちゃんのいいところか)
こうして、尚文パーティの賑やかな一日は終わったのだった。
や、やっと進める…
原作のエンドは個人的には良かったです。
(本作に影響させるかはさておき)