槍の勇者元康の提案でお互いの情報交換を行った一行。
その最中、一花がふと思いついたように話し始めた。
一花「あ、そうそう。せっかくだから皆聞いて欲しいんだけど」
風太郎「さっきのか」
一花「そう。4人も聞いて欲しいんだけど、…あの王様の言うことはあまり信用しない方がいいよ」
錬「どういうことだ?」
一花「実はね――」
そう言ってから自身の知ってる物語の概要を話した。
勿論核心的な部分は隠してだが。
一花「――これが私の知っている事。だからこの先行動には気をつけて欲しいの」
樹「…なるほど…それが本当なら、尚文さんへの陰謀のひとつやふたつありえそうですね…」
錬「そうだな…」
一花「あと、元康さん」
元康「ん?」
一花「冒険者のマインという女には気をつけてください。その女の正体はこの国の第一王女、マルティという卑劣な女なので」
元康「えっと…一花ちゃんだっけ?何で俺にだけ忠告すんの?他の奴にはいいのか?」
一花「……あまり初対面の年上の人に言いたくないのですが、元康さんは女性に弱そうなので…」
錬「確かに元康なら、何にも疑わずに女の意見を信じそうだな」
樹「こちらの世界に来た理由も女性関係の問題でしたし、見る人が見たら分かるってやつなのでは」
元康「ちょっ…!お前らなぁ…!!」
一花「あはは…とりあえず、明日の謁見の際に同行者を派遣されると思うからその時に赤い髪の身なりがしっかりした女に気をつけてください」
元康「お、おう…一花ちゃんがそう言うなら…」
一花の言葉に渋々という感じに同意した元康を見て手を挙げた者がいた。
二乃「ねぇ」
風太郎「どうした二乃」
二乃「あたしがそいつ見張ってようか?」
元康「んなっ!?」
一花「二乃?」
二乃「どうせあたし達、勇者1人に1人ついて行かなきゃならないでしょ?…ならあたしがそいつと組んで変な風に動かないか監視してれば良いんじゃない?」
五月「二乃、あなたはそれで良いんですか?」
二乃「……そりゃあ、あたしだって風太郎と行きたいわよ。…でも、一花がこういう時に名指しで忠告する時ってだいたい言っても聞かないだろうって時が多いの。なら、あたしの役割は皆の危険を減らすために動く。でしょ?」
一花「二乃……」
風太郎「…………さっきも言った通り、こいつら全員誰かのパートナーとして付ける様に王様から言われてる。だから勇者側の面々もそのつもりでいてくれ」
元康「……わかった。こんな可愛い娘と一緒だし、理由はあれだが俺はそれで構わない。これからよろしく二乃ちゃん」
二乃「…ふん。まぁ、よろしく」
風太郎「さて、あとは…」
風太郎が話を進めようとした時、不意に四葉が尚文の前へと歩いていった。
四葉「…岩谷さん」
尚文「……なんだ?」
四葉「私は、岩谷さんとパートナーになりたいです。…良い、ですか?」
尚文「……俺のレベル上げは大変だぞ?それでも良いのか?」
四葉「はい!勿論ですっ!!困ってる人は放っておけませんから!」
五月「四葉のこと、よろしくお願いしますね。岩谷さん」
尚文「…あぁ、よろしくな!」
樹「残りは僕と錬さん、風太郎さんですね。どうしますか?」
錬「…他に姉妹の中で希望がある奴はいるか?」
錬の言葉に一花、三玖、五月は逡巡した後
一花「じゃあ、三玖はフータロー君とだね」
三玖「一花!?」
五月「ええ、私もその方が良いと思います」
三玖「五月まで!?…どうして…」
一花「どうして、って…」
五月「この中で一番人見知りなのは三玖ですからね。その点、一花は仕事で慣れてますし私もこの二人なら上杉君の時よりもうまくやれそうですから問題無いですし」
風太郎(五月のやつ…あの時の事未だに恨んでやがるな…)
三玖「……そこまで言うなら……わかった。よろしくね、フータロー」
風太郎「お、おう。よろしくな」
一花「さて、あとは私と五月だけど……」
五月(一花、すみません。私ちょっと天木君とは……)
一花(わかってる。似てるからでしょ、フータロー君に)
五月(はい…すみませんが…)
一花(いいって別に!お姉さんに任せなさい)
五月(ありがとうございます)
錬「……話し合いは済んだか?」
一花「うん、こっちはオッケーだよ。ということで、私がレン君と一緒に行くね」
錬「そうか…これからよろしく頼む」
樹「では僕の方が」
五月「はい、私という事になります」
樹「わかりました。よろしくお願いしますね」
こうして、パートナーが決まった一行は明日に備えて寝る事になった。
寝室に関して少々問題が発生したが、それはまた別のお話である。
次話でひとまず1章終わります(章の名前変えるかもです)