翌日、勇者一行と中野姉妹+風太郎は朝食を終えて、王様からお呼びが掛かるのを待っていた。
そんな中、こんな一幕があった。
樹「そういえば、風太郎さんは勇者なんですか?」
風太郎「あー、それなんだが…これを見てくれ」
そう言って風太郎は懐から一冊の本を取り出した。
樹「これは?」
風太郎「昨日川澄や天木から教わったステータス魔法とやらで確認したところ、こいつは伝説の魔導書という武器らしい」
錬「……魔導書って事は後衛職か?」
樹「恐らく魔法を得意とするジョブではないかと」
元康「ってことは、パートナーが必然的に前衛職で時間を稼いでその間に魔法の詠唱をして攻撃するって戦法になる感じかぁ。…っておいおい、こんな可愛い女の子に最前線やらせるとか酷くねぇか?」
三玖「っ!」
四葉「三玖……」
三玖「…大丈夫。フータローは、私が守るから」
錬「……まぁ、レベルが上がればものすごく戦力になる事は間違いない。レべリング頑張れよ風太郎」
風太郎「あぁ……」
兵士「勇者様方、王がお呼びです」
そして、呼び出しを受けた一行は謁見の間に向かった。
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謁見の間に到着した一行を出迎えたのは多数の兵士と、色々なジョブ(戦士や魔法使い、武闘家や踊り子などなど)の格好をした男女数名だった。
風太郎(おい一花)
一花(うん。どうやら予想通りみたい)
樹(まさか本当に一花さんが言ってた通りの人達が居るとは思いませんでした…)
錬(なら、話し合いの通りでいこう。…元康、気をつけろよ)
元康(わ、わかってるよ…)
オルトクレイ王「さて、早速だが勇者の同行者として共に進もうという者を募った。どうやら皆の者も、同行したい勇者が居るようじゃ。さあ、未来の英雄達よ。仕えたい勇者の元へ行くのだ」
そう王様が言うと並んでいた男女がこぞって勇者達の元へと来て後ろへと並んだ。
ちなみに人数は
錬、4人
元康、4人
樹、4人
尚文、0人
風太郎、0人
である。
尚文「やっぱ俺のところはゼロ、か…」
四葉「岩谷さん……」
事前に一花から聞いていたとはいえ現実を見た尚文は皮肉気味に呟き、そんな尚文を心配する四葉が声を掛ける。
そして、そんな2人を無視する様にオルトクレイ王は話を続けた。
オルトクレイ王「さて、次にそこの姉妹達はどの勇者と共に行くのだ?」
一花「私は僭越ながら剣の勇者様と参ります」
二乃「あたしは槍の勇者様と行きます」
そう二乃が言うと、後ろの方から小さく舌打ちが聞こえた。…もちろんそれには気づいたがあえて気づかないフリをする勇者一行と五つ子達。
三玖「私は風太郎と一緒」
五月「私は弓の勇者である川澄君に同行します」
オルトクレイ王「ふむ。では盾の勇者と共に行くのは」
四葉「私です!」
オルトクレイ王「……よかろう。それでは支度金を配布する。仲間の居ないナオフミ殿には銀貨800枚、他の勇者殿には600枚用意した。これで装備を整え、旅立つが良い」
四葉の声に渋い顔をした王様だが、気を取り直して支度金を配布した。…だが
三玖「王様」
オルトクレイ王「なんだ」
三玖「フータローには支度金無いの?」
オルトクレイ王「勇者に対しては支度金を用意したが、勇者以外の者に払う金は無い」
三玖「フータローは勇者。その証拠はある」
三玖がそう言うと、後ろから風太郎が魔導書を出して王様へ見せる。
オルトクレイ王「……この様な伝説の武器は見た事も無いが…確かに伝説の武器と記されているな」
風太郎「ま、俺たちの存在自体イレギュラーなんだ。こういう事もあると分かって頂けるとありがたい」
オルトクレイ王「……仕方あるまい。おい、そやつにも支度金を用意せよ。仲間もおらんから銀貨800枚だ」
大臣「か、かしこまりました」
そう言うと大臣は財務の担当者と思わしき人物と共に退出した。
オルトクレイ王「…イレギュラーな事態ばかりだが、皆の者。健闘を祈る」
一行「はっ!」
王様へ一礼した後、謁見の間を退出した一行は城門まで移動したのだった。
次章へ続く。